連載:星空の地図
【第2回 空に浮かぶAとWの秘密】
毎日寒い日が続いていますね。
でも、寒い冬の夜は空気が澄んでいるので、星たちがとてもきれいに見えるんです
よ。
さて今回は秋の星座の中に見られるアルファベットのAとWについてのお話です。
Wの星座はあまりにも有名ですよね?北極星を見つけるときにも用いられたりし
ますし、一年中北の空に見ることができる、そう、カシオペヤ座です。カシオペヤ
座は五つの星からなるW字形で、日本では「やまがた星」と言われていたそうです。
アラビアでは「らくだのこぶ」、シベリアでは「五頭のトナカイ」とも。
Wはカシオペヤ座、では、Aは何座でしょう? Wよりはわかりづらいかもしれませ
ん。
星座盤を片手に見てください。アンドロメダ座のことです。この星座、むしろアン
ドロメダ大星雲の方で有名かも?カシオペア、アンドロメダ、とくれば思いつくの
が、古代エチオピア王家の4星座。カシオペヤ座、アンドロメダ座、ケフェウス座、
ペルセウス座の4星座のことで、ギリシャ神話に登場する人物たちです。
ギリシャ神話によると、昔々、エチオピア王のケフェウスと王妃カシオペヤの間
に、アンドロメダという王女がいました。アンドロメダはとても美しい王女で、王
妃は「この世で一番美しいと云われる海の精ネイレスたちの美しさも私の一人娘ア
ンドロメダと比べたらかすんでしまうだろう」と自慢しました。これを聞いたネイ
レス達はカンカンに怒り、海の神ポセイドンに仕返しをするように頼んだのです。
ポセイドンは海の怪物お化けクジラにエチオピアの国を襲うように命じます。王妃
カシオペアはこの騒ぎを鎮めるためにアンドロメダをお化けクジラの生贄に差し出
すのです。
かわいそうなアンドロメダ!!
>しかしそこに、ペガススに乗ったペルセウスがやってきて、見たものを石に変
えてしまうというメデューサの首を掲げ、それを見たクジラは石になってしまいま
す。そしてアンドロメダは無事、救われたのでした。なかなか、ロマンチックなお
話ですよね。でも、ちょっとクジラがかわいそう?
このように、星空を見上げるとそこにはたくさんの物語があったりするのです。
寒い寒い夜、コタツの中でギリシャ神話片手に星空散策をするのもいいかも知れま
せんね。
さて、次回は何のお話をしましょうか・・・?
(林: 2005年12月)
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