連載:絵本で見る宇宙

【1冊目】

『宇宙 ―そのひろがりをしろう―』
加古里子 ぶん/え  福音館書店
ISBN 4-8340-0736-7


 記念すべき第1回でご紹介するのは、この本。
加古里子さんは、宇宙に限らず、科学を題材にした絵本を数多く書かれています。
 この本は、その名の通り、宇宙のひろがりを、身近なところからスタートして宇 宙の果てまで、順を追って紹介しているものです。とはいっても、地球を脱出(?) するまでに全体の半分ものページを割いて、「より速く、より遠く」という、人間 の夢を実現するまでの過程を、昆虫から始まって車、飛行機、ロケットとたどって います。
 そして、すべてのページ、これでもか!というくらい情報が載っています。本文 はすべてひらがなで書かれていますが、ここだけは漢字もあり、専門用語あり、と 一見すると難しく思えます。ところが、すべての情報にこれまた絵がついています から、たとえひらがなが読めなくても、絵を見ているだけで充分楽しめます。むし ろ、小さいお子さんには、読み聞かせるよりもその絵を一つずつ追うだけで、楽し んでもらえるのではないでしょうか。

 初版が1978年ですから、宇宙の情報はかなり古いです。
言葉も今と違っているものもあります。しかし、本の内容に古さは感じません。
ちょうど30年経った今でも、売れつづけています。

 まだまだ梅雨の真っ只中、雨の日は、この本を読んで宇宙の果てまで宇宙旅行を 体験してみるのもいいかもしれませんね。



(塚田:姫路星の子館 2008年07月)