連載:絵本で見る宇宙

【4冊目】

 無限ともいえる広がりをもつ宇宙。
とはいえ、星空を眺めていてもなかなかその「奥行き」を感じることできませんね。 今回紹介する本は、その「奥行き」を感じてもらえる、そんな一冊です。


『立体で見る [星の本] 』
杉浦康平・北村正利  福音館書店
ISBN 4-8340-0680-8


 空に張り付いているように見える星々。
でも、本当は近い星、遠い星…と、星までの距離は様々です。今回紹介する本は、 絵本ではありませんが、赤と青のメガネを使って、星々を立体的に見ることができ、 星々の距離の違いを実感することができるのです。

 本編に登場するのは、ひたすら立体化された星空の図(星図)。見開きで、左右 に同じ星空が描かれていますが、左には星座絵や星座線が引かれているもの、右に は星のみのもの、と比較できるようになっています。実際の星空で、星座を探す練 習をすることもできますね。

 星座というのも、地球から見ると一枚の絵のように見えますが、実際には、星座 を形作っている星々は地球からの距離もバラバラ。太陽系以外の惑星系からでは、 まったくちがった形に見えるのです。
そんなことも考えながら見ていくと面白いですよ?

 ところで、星までの距離ってどうやって測るのでしょう?太陽にいちばん近い恒 星でも、そこまでの距離は約40兆km!決して、定規や巻尺では測れませんね。しか し、星までの距離を決定するということは、天文学にとってもっとも大切なことの 一つなのです。

 別冊のうす〜い解説書には、ちょっと難しいですが、星までの距離の求め方も書 いてありますよ!
ぜひ挑戦してみてください☆



(塚田:姫路星の子館 2008年10月)