連載:絵本で見る宇宙

【6冊目】

 今回紹介する「光」と「音」についての絵本。『えっ、宇宙に関係ないじゃん?』 そんなことはありません。だって、皆さんが見るのは星の「光」なのですから。


『ひかりとおとのかけくらべ かこ・さとし かがくの本6』
かこさとし 著/田畑精一 絵  童心社
ISBN 4-494-00956-3


 前回に引き続き、かこ・さとし かがくの本シリーズからの紹介です。

 皆さん、この世の中でいちばん速いものってなんだか知っていますか?新幹線? ジャンボジェット?それともロケット?いいえ、どれもちがいます。答えは「光」。 なんと1秒間に地球を7周半もしてしまうのです。でも、あまりにも早すぎて、「光 の速さ」って大人でも考えづらいものですよね。この絵本では、音と光のかけくら べを通して、光の速さをわかりやすく説明しています。

 かけくらべをするのは音と光だけではありません。身近なものと比べながら、音 の速さ、そして光の速さが感覚的にわかるように工夫されています。そして物語の 最後、話が宇宙へと広がっていくのです。そんなに速い光でも、宇宙にかがやいて いる星から私たちの目に光が届くまで、何年も、何十年も、何百年も、もっともっ とかかるのです。星たちからの光は、そんなに長い間宇宙を旅して、やっと皆さん の目に届くのです。

 こんど星を見上げるときには、そんなことを思い出してみてくださいね。



(塚田:姫路星の子館 2008年12月)