連載:絵本で見る宇宙

【9冊目】

 絵本は読むだけのものではありません。さわって、遊んで、うごかして。いわゆ る仕掛け絵本は数多く出版されていますが、その天文版のご紹介です。


『キッズたんていシリーズ ひるとよる』
作 ヴァレリー・ギドゥー、絵 レジス・ファラー、訳 とき ありえ
ISBN978-4-579-40415-5


 なんで昼と夜があるのでしょう?月の形はなぜ変わるのでしょう?

 子どもの頃、誰もが抱く疑問のひとつですよね。しかし、地球の自転運動や月の 満ち欠けなどは、三次元空間での太陽、地球、月のうごきに関係するので、なかな か空間認識力が発達していない小さい子どもたちには理解しづらいものがあります。 いや、大人だって苦手な人は多いでしょう。

 この本には、ほぼすべてのページに仕掛けが施されて、自分の手を動かしながら、 地球の自転や公転、月の満ち欠けなどについて学ぶことができます。小学生以下の 子どもたちにはそれでもまだ難しいかもしれませんが、当たり前のように毎日来る 昼夜や、なにげなく夜空で形を変えていく月に気がつく、いいきっかけになるでし ょう。なにより、大人たちのいい助けになるでしょう。

 子どもに聞かれてうまく答えられなかったことも、これを見れば、まず自分が納 得できますよ!



(塚田:姫路星の子館 2009年03月)