連載:絵本で見る宇宙

【13冊目】

 今回紹介する本は、全24ページ(というより見開き12ページ)、文字数わずか 161字!まさに絵本の中の絵本です(笑)


『おひさまはいつも』
八木マリヨ さく 「ちいさなかがくのとも」通巻72号
雑誌 06105-03


 皆さん、曇っている日、雨の日は、太陽はどこにいるか知っていますか?

 「そんなの決まってる! 雲の上だよ!」と答えるかもしれません。では、次の 質問はどうでしょう?

 昼間、星はどこにいるか知っていますか?

 意外に答えられない人も多いのではないでしょうか?僕が勤めている「星の子館」 では、学校がおやすみの日の午後、大きな望遠鏡で、昼間でも星を見せています。 すると、昼間に星が見えることに驚く人が非常に多いんですね。そして、よくこう 言われます。
「昼間は星が出てないもんだと思ってました」
 最初の問いも、子どもたちからすれば不思議に感じるものですよね。晴れている 日は毎日見えている太陽。でも、曇ったり、雨が降っている日は見えない。どこに いったんだろう?

 この絵本は、そんな疑問に優しく答えてくれる絵本です。日本全国で太陽が欠け る日食が見られる7月。子どもたちにとってはこれも不思議な現象でしょう。あまり 「天体」という認識がない太陽ですが、これを機に、ちょっと太陽について考えて みませんか?

 この絵本は、文章が少ないので読み聞かせにも適しています。読み終わったあと、 「じゃあ、夜に見えるお星さまは、お昼は、どこにいるんだろう?」と問いかけて みるのもいいかもしれませんね



(塚田:姫路星の子館 2009年07月)