連載:絵本で見る宇宙

【14冊目】

 今回紹介する本は、天文の絵本というより、星を題材にした絵本です。でも、こ の本を読んだあと・・・ちょっと考えることが、天文学につながります。星ってど こにあるのでしょう?


『みつけたよ、ぼくだけのほし』
作/オリヴァー・ジェファーズ 訳/三辺律子
ISBN4-7897-2349-6


 皆さん、夜空に光る星を手に入れたい! と思ったことはありませんか?だって、 あんなにきれいに輝いているんですよ?子どもの頃はそう思ったことがあるかもし れません。では、なぜ今はそう思わないのでしょう?

「だって、星なんか取れっこないし・・・」

 そう、夜空に輝く星は、何光年も何十光年も何百光年も、遠くにあるのです。で も、子どもの頃はそんなこと、思いもしなかったと思います。星は、夜空に貼りつ いてる、そう見えませんでしたか?頑張ればとれるかもしれない!じゃあ、どうす れば星を手に入れることができるでしょう?星が空に貼りついている、としてです。

 絵本の主人公の男の子は、あの手この手を考えて、星を手に入れようとします。 でも、なかなかうまくいきません。ページをめくりながら、子どもたちと一緒に手 に入れ方を考えてみるのも楽しいですよ。最後に男の子は・・おっと、これは言っ てはいけませんね。読んでからのお楽しみです。

 小学生くらいの子どもたちには、読み終わった後、星がすご〜く遠くにあること、 星を手に入れることができなくても、その光を調べることで星についていろいろな ことがわかること、そんなことをちょこっと付け加えれば・・・この本も、天文の 絵本に早変わりです。



(塚田:姫路星の子館 2009年08月)