連載:絵本で見る宇宙

【17冊目】

 今回、紹介する絵本は、宇宙の大きさをあつかったものです。よく宇宙の広がり をあつかった絵本は多いですが、大きさをあつかった絵本はめずらしいのです。
 とはいえ、広がり同様、想像しづらいのが天体の大きさ。この絵本を読めば、わ かりやすい絵と身近なたとえで、天体の大きさがなんとなく実感できるかもしれま せん。


『シロナガスクジラより大きいものっているの?』
ロバート・E・ウェルズ せな あいこ やく
ISBN978-4-566-00653-9


 シロナガスクジラって知っていますか?日本の水族館ではあまり見ることができ ない生き物ですが、実は、現在生きている生物でもっとも大きい生き物なのです。 ですから、シロナガスクジラより大きい「生き物」は地球にいません。

 でも、この世の中でシロナガスクジラがもっとも大きいわけではありません。身 近にも、ビルや山など人間が作ったものはシロナガスクジラよりずっと大きいもの がありますね。

 そしてそれらがある地球。これはもっと大きいわけです。では、地球はどのくら い大きいのでしょう。半径3800km・・・といわれてもピンときませんよね?その地 球の109倍もある太陽。半径は142万kmです。もっとピンときませんね。

 そんなわかりにくい大きさを、わかりやすい絵で紹介してくれているのがこの絵 本。シロナガスクジラを100匹びんに詰め込んでその瓶を重ねても・・・世界で一 番高い山エベレストに比べるとこの程度、そのエベレストを100個(?)積み重ね ても、地球に比べるとこの程度、その地球を・・・といったように、厳密に○○は □□の何倍、という紹介の仕方ではなく、視覚に訴えるような絵で進んでいきます。 数字でいわれるより絵で見ると一目瞭然、これが絵本のいいところですね。

 読み終わると、なんだかビー球とかで絵本の内容を再現したくなりますよ(笑)



(塚田:姫路星の子館 2009年12月)