連載:絵本で見る宇宙

【24冊目】

 絵本で見る宇宙も今回で3年目に突入しました!
今回は最近話題になっているあの探査機に関する絵本です。

 一か月前、小惑星探査機「はやぶさ」の地球帰還は、非常に感動的でしたね。
ニュースやwebで映像を見た方も多いのではないでしょうか?「はやぶさ」は史上 もっとも愛された探査機といっても過言ではありません。なぜ、愛されるようにな ったのか?今回紹介するのは、それがわかる絵本です。


『はやぶさ君の冒険日誌』
著者 小野瀬直美、アシスタント 奥平恭子 協力 はやぶさに関わる方々


 小惑星探査機「はやぶさ」。
その長い旅路はとても平坦なものではありませんでした。多くの「世界初」への挑 戦、想像だにしなかった「イトカワ」の姿への驚愕、さまざまな機器の故障……

 特に機器の故障は、何度も「もうダメか」と思わせ、しかしそのたびに「はやぶ さ」は立ち上がってきました。その姿が、「はやぶさ」が愛される探査機となった 所以でしょう。

 この絵本は、「はやぶさ」が主人公。
「はやぶさ」が一人称として登場し、まさにタイトルのように、彼が航海日誌を書 いている、という設定で書かれたものです。

 彼にどのようなトラブルがあって、それをどう克服していったのか、子どもにも わかるようにやさしく書かれています。

 また、「はやぶさ」のドラマは故障とその克服だけではありません。彼は「工学 実験衛星」であり「小惑星探査機」です。どのような実験をしたのか、どのような 工学的成果があったのか、「イトカワ」についてなにがわかったのか、やさしくも まんべんなくこの絵本では触れられています。
「はやぶさ」についてしっかり知りたい人には、まず読んでほしい本のひとつです。

 残念なのは、絵本と呼ぶには字が多すぎること。(というか、字が主体です)
紙芝居のように絵のみが書いてあるファイルもありますので、小さな子どもたちに 読み聞かせるときには、そちらを併用するといいかもしれませんね。

 ちなみに、この絵本は、市販品ではありません。下記に紹介するwebページで誰で も見ることができます。
ぜひぜひ、ご覧ください!

HTML版
http://www.isas.jaxa.jp/j/enterp/missions/hayabusa/fun/adv/index.shtml
PDF版
http://www.isas.jaxa.jp/j/enterp/missions/hayabusa/fun/adv/image/adv2010.pdf
紙芝居版
http://moonstation.jp/ja/hayabusa/fun/picture_story.html



(塚田:姫路星の子館 2010年07月)