連載:絵本で見る宇宙

【26冊目】

9月22日は中秋の名月、お月見の日ですね。各地でお月見イベントが開かれるこ とと思います。そこで、今回は月をテーマにした写真絵本をご紹介します。


『ひるまの おつきさま』
遠藤湖舟 さく(月刊 かがくのとも 2010年10月号)
雑誌 02377-10


 この本は、お月さまからお手紙が届くことからはじまります。

『「ひるまの ぼくを みつけてね」 つき より』

「えっ、月は夜に見るものじゃないの?」
「昼間に月なんか見えないでしょ?」

 いえいえ、そんなことはありません。
皆さんも、一度くらいは見たことありませんか?
青空に浮ぶ、白い月。

 そう、なかなか気付かないだけで、昼間にも月は見えているのです。この本 には、様々な形の月が青空のなかに見えている様子を写真で見せてくれます。 また、2010年10月を例に、どんなふうに見えるのかを紹介してくれています。

 月が出る時刻は、毎日50分ずつ遅れていきます。普通の人が起きている「夜」の 時間帯に月が見えるのは三日月〜満月の二日後くらいまでです。下限の月になると、 昇ってくるのは夜の11時ちかく、それなりに空高くに見えるようになるのは夜の1 時ころです。逆に、日の出のときに真南に来ていますから、午前中の南西の空に見 えているわけですね。

 実は、新月をはさんで前後二日間、満月をはさんで前後二日間をのぞけば、ほぼ 毎日、青空の中に月を見つけることができます。

 天体を見るのは夜、と決めつけずに、ぜひ、昼間の月探しを楽しんでみてくださ い。晴れていれば、空にお月さまが見えていない日の方が少ないのですから。



(塚田:姫路星の子館 2010年09月)