連載:絵本で見る宇宙

【30冊目】

 2011年あけましておめでとうございます☆
今年もたくさんの絵本をご紹介できればと思います。実は昨年末、子どもむけ月刊 誌やら絵本やらで、天文ネタがたくさん取り上げられました。
順番にご紹介していきたいと思います。


『月へ行きたい』
松岡 徹 文・絵(月刊 たくさんのふしぎ 2011年2月号)
ISBN978-4-89444-796-7


 月へ行きたい──誰もが一度は思うことではないでしょうか?

 昔から人は、どうやったら月へ行けるか考えて来ました。SFの父と呼ばれるジュ ール・ヴェルヌの作品『月世界旅行』は、あまりにも有名ですね。

 この絵本は、男の子がどうやったら月に行けるか考えるところからはじまります。 海の上に昇ったばかりの月を見て、船でこぎ出す男の子。気がつくと月は空に…。

さあ、では次はどうしましょう?山に登れば届くかもしれない?高い建物を建てる? 風船をたくさんもって空を飛ぶ?

 そんなの無理だよ! と一蹴してはいけません(笑)考えてみることは大事です。

でも、たしかに月は遠かった。

 では、どうやったら行けるのか。ちゃんと科学的な説明が書いてあります。いろ いろな乗物のスピードでどのくらいかかるのか、飛行機で月まで行けない理由、ロ ケットのしくみ……どれもわかりやすく書かれています。見開きでアポロ宇宙船を 月まで運んだサターンロケットやアポロ計画の説明もありますから、アポロ世代の みなさんも楽しめることでしょう。

 その後、未来の方法なども紹介されています。あっと驚くような方法もあります よ。

 そして、最後のページが素敵です。「きみならどんな方法で月へ行きますか?」 という一文と、驚きの絵。絵は見てのお楽しみです。

 この本を読んで、お子さんと、お友だちと、月への行き方、考えてみませんか?



(塚田:姫路星の子館 2011年01月)