*7月の星空*
明るい星3つでできる夏の大三角が東の空高くに輝くようになります。また、春の間、地平線近くに寝そべっていた天の川が、南の空から夏の大三角付近を通って、北の空まで続く様子が見られるようになります。
南の空には、「S」字のカーブもしくは釣り針の形に星が並んだ、さそり座が輝きます。さそりの心臓あたりの星「アンタレス」は赤く輝く一等星です。アンタレスとは、「火星と敵対するもの」という意味があります。火星のような赤い色が、競い合っているように見えたのでしょうか。日本では、アンタレスのことを「赤星(あかほし)」と呼んだり、「酒酔い星」と呼んだりする地域があるようです。酒酔い星だなんて、日本人らしい茶目っ気あふれる呼び方だと思いませんか?
南東の空には、明るい星がよく目立ちます。この星は太陽系で最大の惑星である木星です。望遠鏡では、表面のしま模様や、ガリレオ衛星がよくみえますよ。
*天文現象いろいろ*
■2日 水星が西方最大離角
■3日 新月
■4日 地球が遠日点通過(太陽から最も離れる)
■7日 七夕(新暦)、小暑(太陽黄経105度)
■9日 木星が衝(光度−2.7等級)
■10日 上弦の月
■11日 夕方西の空で火星と土星が接近
■18日 満月
■19日 夏の土用
■20日 海王星食
■26日 下弦の月
■27日 プレアデス星団の食
*見ごろの星たち*
■木星(太陽系第5惑星) さそり座の東側、いて座のあたりで、黄金色をした明るい星が木星です。木星は、−2.7等級もの明るさで輝き、夜空の中で最も目立ってみえます。 望遠鏡を向けてみると、表面のしま模様がみえます。また、ガリレオ・ガリレイが発見したことで「ガリレオ衛星」と呼ばれるようになった、4つの明るい衛星も見ることができます。衛星は、時間をかけて観察すると、位置が変化して見えますよ!
■ベガ(こと座の1等星) 頭の真上近く、白く輝くとても明るい星が、こと座の1等星ベガです。ベガは夏の大三角の1つで、七夕の織姫星でもあります。彦星(わし座のアルタイル)よりも織姫のほうが明るく輝いているんですよ。
■アルビレオ(はくちょう座の二重星) 東の空、きれいな十字の形に星が並んでいるところがはくちょう座です。はくちょうのくちばしにあたる星がアルビレオです。アルビレオは、肉眼で見ると少し暗い1つの星ですが、望遠鏡でのぞいてみると、2つに分かれて見えます。その2つの星の色の対比がとても美しく、「天上の宝石」とも呼ばれています。比較的小型の望遠鏡でもきれいに見えますので、お勧めです。
■ヘルクレス座球状星団M13(ヘルクレス座・22000光年) ヘルクレス座にある星の集まりです。肉眼では見られませんが、空がよければ双眼鏡でも見ることができます。大きな望遠鏡を使えば、星がポツポツっと集まっている様子が見られます。ヘルクレス座球状星団M13は、その美しさが全天一といわれるほど、見ごたえがあります。大型望遠鏡で星を見る機会があれば、ぜひリクエストしてみてくださいね。
■北斗七星(おおぐま座) 北の空に、7つの星がひしゃくの形に並んだところがあります。これが北斗七星です。北斗七星は、秋〜冬にかけてはみえにくく、春〜夏になると北の空で見えるようになります。北斗七星を使えば、北の目印・北極星を見つけることができます。また、ひしゃくのもち手から、2番目の星をよ〜くみてください。よ〜くみると、明るい星の横に、暗い星がちょこんとくっついて輝いているのがわかりますよ。
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