*11月の星空*
頭の真上に、秋の四辺形が見られる季節、いつもとちょっと違う夜空の楽しみ方があります。この季節の空には、ギリシャ神話「古代エチオピア王家物語」の登場人物がそろって星座になっています。
古代エチオピアの王ケフェウス座とその妃カシオペヤ座、二人の娘で、たいへん美しい姫、アンドロメダ座。 エチオピアの海岸に送り込まれ、大暴れした化けくじらのくじら座。くじらに襲われそうになった姫のピンチに現れた、ぺガスス座にまたがった、勇者ペルセウス座。
「古代エチオピア王家物語」を思い出しながら、これらの星座を探すとよりいっそう楽しめますよ。
*天文現象いろいろ*
■3日 満月 ■5日 おうし座流星群南群極大 ■7日 立冬(太陽黄経225度) ■9日 月、火星、プレセペ星団が並ぶ ■10日 下弦の月 ■14日 くじら座のミラが極大(2.0〜10.1等、周期332日) ■17日 新月 ■18日 0時しし座流星群が極大 ■22日 小雪(太陽黄経240度) ■25日 上弦の月
*見ごろの星たち*
■ミラ(くじら座の変光星) 秋の四辺形の4つの星のうち、北西の星から南東の星を結んで、そのままななめに伸ばした先に、2等星が見えます。これがくじら座のミラです。「ミラ」は、ふしぎな星という意味があります。どう不思議な星かというと、ミラは332日ほどかけながら、ゆっくりと明るさを変化させる星、変光星なのです。暗いときには望遠鏡でも見つけにくいほどの暗さですが、2009年11月ごろには、明るさが最大のころとなり、肉眼でも見つけることができ、見ごろとなります。
■M31 アンドロメダ座大銀河 秋の四辺形とカシオペヤ座の間、ぼんやりとした光のかたまりが見えませんか?ここに隠れているのが、もっとも有名な銀河といえる、アンドロメダ座大銀河/M31です。天の川銀河のお隣の銀河ですが、隣と言っても230万光年ほど離れています。宇宙の広さが感じられますよね。双眼鏡でも見ることができますので、ぜひ探してみましょう。
■ガーネットスター(ケフェウス座) 北の空高くに、鉛筆の先のような形に星が並んでいるのがケフェウス座です。そのケフェウス座にあるのがガーネットスターです。4等星なので肉眼では見つけづらいですが、望遠鏡で見ると宝石のガーネットのように赤っぽく見えます。まわりの星に比べて、ぜんぜん色がちがっていて面白いですよ。
■木星 木星は太陽系最大の惑星です。夜空でもかなりあかるく輝いていて、よく目立ちます。今年は、やぎ座のあたりにあります。望遠鏡では表面の縞模様や、木星の衛星(ガリレオ衛星)の様子もみることができます。ガリレオ衛星が木星本体の影にかくれる様子や、衛星同士が隠しあう様子も観察できますので、じっくりみてみると面白いですよ。
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