黄華堂検定!

【第28回】

今回は宇宙開発に関する問題です。

(1)今年 6月、金星探査機「あかつき」といっしょに、ソーラー電力セイル実証 機「イカロス」が打ち上げられました。 このソーラーセイルは帆船のように帆を宇宙空間に広げ、圧力を受けて飛んでいます。 さて、その圧力源はなんでしょう?
 (あ)太陽風
 (い)太陽光
 (う)人工レーザー

(2)スペースシャトルやソユーズは再突入時に数千度にも及ぶ熱環境にさらされ ます。 大きな使命を果たしたのち、地球大気で燃え尽きた「はやぶさ」の姿に涙された方 も多いことでしょう。 さてここで問題。大気圏再突入時に加熱を受ける原因はなあに?

 (あ)大気との摩擦
 (い)大気からの放射
 (う)太陽の熱放射

(3)人工衛星を運んだ初の純国産ロケットはどれでしょう?

 (あ)H-IIロケット
 (い)M-Vロケット
 (う)L-4Sロケット




☆答え☆
(1)い
 ソーラーセイルの動力源は太陽風ではなく、幕にぶつかった光から受ける圧力で す。 イカロスの帆の表面にはうす〜い太陽電池のシートが張られ、得られた電力でイオ ンエンジンを運転するための試験も行っています。 後継機は木星と木星の公転軌道上に浮かんでいる、トロヤ群という小惑星帯を探査 する予定です。 木星は地球と比べて太陽エネルギーが25分の 1しか届きませんが、太陽電池の面積 が大きいので生き延びることができるんですね。

(2)い
 "大気との摩擦"というニュースでよく耳にします。 新聞やテレビでもはや慣用句と化していますが、実は摩擦の効果は限定的。 再突入時に支配する熱は、ほとんどが放射加熱です。超高速で地球に突っ込んだ宇 宙船は急激に大気を圧縮し、加熱された空気から出る光や赤外線が宇宙船を熱します。 「はやぶさ」のカプセルは、電気ストーブ換算でなんと15,000個もの熱を 1秒で受 け、カプセルの表面温度は3000度にまで達したそうです。 このような過酷な熱に耐えて帰ってきました。

(3)う
 今年は日本初の人工衛星「おおすみ」が打ち上げられて40周年! L-4Sは「はやぶさ」を運んだM-Vのご先祖様にあたり、連続4回の打ち上げ失敗経験 が日本の固体ロケット技術の礎を築きました。 あまり知られていませんが、衛星打ち上げに成功した世界最"小"のロケットでもあ ります。 わずか10tしかない華奢な姿を上野の国立科学博物館で見ることができます。


(藤井:大阪教育大学 2010年10月)