黄華堂検定!

【第34回】

今回は太陽に関する問題です。

(1)可視光で太陽の表面を見ると時々黒い(暗い)染みのようなものが見え、 『黒点(こくてん)』と呼ばれています。 黒点は、何故黒いのでしょう?○○に当てはまる語句を考えて下さい。

 周りと○○が違うから

(2)黒点をX線で見るとどう見えるでしょう?
 (あ)周りに比べて暗く見える
 (い)周りに比べて明るく見える
 (う)周りと同じ明るさで見える

(3)地球のように太陽も自転しています。 太陽の赤道面での自転速度はどのくらいでしょう。
 ちなみに地球の自転速度は秒速約460mです。
 (あ)時速約200km
 (い)時速約 20km
 (う)時速約 2km




☆答え☆
(1)温度
 太陽の表面は約6000度で、黒点は温度が低く約4000度です。 これは黒点付近には強い磁場が発生していて、磁場の影響で太陽の中心からの熱が 表面まで伝わらず冷えていくからです。
 「ひので」衛星が可視光で見た黒点の様子:
http://hinode.nao.ac.jp/news/061127PressConference/1127press-fig1.png

(2)い
 黒点は周りより温度が低いですが、強い磁場が存在する為、とても活発な領域で、 フレアと呼ばれる爆発現象が起きています。 フレアでは高いエネルギーをもったプラズマが磁場に沿って流れています。 その為、X線で見ると黒点付近のフレアが明るく見えます。
 「ひので」衛星がX線で見た太陽の様子:
http://hinode.nao.ac.jp/news/070527DataOpen_XRT/xrt_fig1ol.jpg
動画もあります!:
http://hinode.nao.ac.jp/news/061220Press/XRT_full_y.mpg

(3)う
 太陽の自転は黒点が移動している様子から分かります。 だいたい赤道付近で自転周期が25.38日と観測されています。 太陽の半径が約70万km、1日は86400秒なので、計算すると、
  700000 × 2 × Π ÷ (25.38 × 86400) 〜 2
となり、太陽の赤道面での自転速度は約2km/sです。 太陽の自転速度は緯度によって異なり、極では自転周期は約31日です。 これは太陽が個体ではなく、ガスでできているからで、この自転速度違いによって 太陽の様々な活動を見せます。 京都大学附属飛騨天文台では日々の太陽の画像をwebに載せています。 自転によって黒点が動いている様子が見えるかも!? (ただし、Hα線という光を見ているので、黒点が明るく見えています。)
 飛騨天文台のページ:
http://www.hida.kyoto-u.ac.jp/SMART/index_m.html


(森谷:京都大学 2011年4月)