黄華堂検定!

【第39回】

アメリカ航空宇宙局(NASA)は2011年の9月6日、アポロ宇宙船の着陸点を撮影した、 月面の鮮明な画像を公開しました。
http://www.nasa.gov/multimedia/videogallery/index.html?media_id=109533401
 宇宙飛行士が歩いた跡や、月面探査車が走ったタイヤの跡などがはっきりと画像 に写っています。
 今回は天文学に貢献した人物に関する問題です。

(1)アポロの着陸船が月に降り立ってから、およそ40年が経っています。
月面で足跡が長い間鮮明に残っている要因である、月の特徴は何でしょう。
 (あ)月の表土は凍りついている
 (い)月の表土は非常にやわらかい
 (う)月には大気がない

(2)※※記述問題※※
 月が地球とは異なり、(1)で答えた特徴を持つようになったのはなぜでしょう。

(3)アポロ計画による計6回の月面探査では、「月の石」の採集がなされました。
地球に持ち帰られた「月の石」の総重量は、どれくらいでしょうか。
 (あ)およそ4kg
 (い)およそ40kg
 (う)およそ400kg




☆答え☆
(1)う
 月の大気は非常に希薄なため、月面にはほとんど風が吹きません。 また、月には水がほとんど存在しないため、月面は水による侵食を受けません。 このため、月面に一度ついた足跡などは、長い間、その痕跡をとどめます。 また、月の表面がレゴリスというパウダー状の砂地になっていることも、足跡がし っかりと残っている理由の一つです。
 なお、NASAの画像に写っている丸い模様は「クレーター」で、月に隕石が衝突し た跡です。 クレーターが隕石衝突後も消えることなく残っているのも、同じ理由によります。

(2)月は表面重力が小さく、大気をとどめておくことができないから。
 月の質量は地球のおよそ80分の1で、表面重力は地球の6分の1しかありません。 このため、重力で大気を引きとめておくことができません。
 これが、現在の月に大気がほとんどない主な理由です。

(3)う
 史上初の有人月面着陸に成功した1969年のアポロ11号に始まり、アポロ計画最後 の月面着陸となった1972年のアポロ17号に至るまで、総計 6度の月面探査が行われ ました。 (アポロ13号は事故の為に月面着陸できませんでした。)
 この間に地球に持ち帰られた「月の石」のサンプルの総重量は382kgにも上ります。 1970年に大阪で開かれた日本万国博覧会では、アメリカ館で展示されていた月の石 を一目見ようと、長蛇の列ができました。


(小澤 2011年9月)