黄華堂検定!

【第42回】

今年12月10日の夜には、各地で皆既月食が見られました。
 寒い中、空を見上げた人も多いのではないでしょうか。
今回は、皆既月食に関する問題です。

(1)皆既月食時には、月は何色に見えるでしょう。
 (あ)真っ暗で見えない。
 (い)青っぽく見える。
 (う)赤っぽく見える。

(2)[記述問題]
 皆既月食時に、月から太陽を眺めるとどのように見えるでしょう。

(3)[記述問題]
 皆既月食は、月全体が地球の影にすっぽり入る現象です。 それでは、地球よりも太陽から遠い所を回っている火星などの外惑星が地球の影に 入る「皆既惑星食」もあるのでしょうか?理由も含めて考えてください。




☆答え☆
(1)う
皆既月食時であっても、太陽光のうち赤っぽい光が地球大気によって選択的に屈折・ 散乱されて月に届くため、月は真っ暗にはならず赤っぽく見えます。

(2)太陽は見えない。
 月食は、太陽─地球─月が一直線に並ぶことにより、地球の影に入った月が欠け て見える現象です。 皆既月食時は、月がすっぽりと地球の影に隠れる状態なので、月から太陽を見るこ とはできません。
 なお、皆既月食時のものではありませんが、月の周りを回る衛星「かぐや」が2009 年に月食時の地球の撮影に成功しています。
http://www.jaxa.jp/press/2009/02/20090218_kaguya_j.html

(3)地球の濃い影が外惑星に届かないため、皆既惑星食はない。
地球による影の濃い部分(本影とよばれます)は、地球から離れるほど狭くなります。 地球の本影は、地球から太陽と反対側におよそ140万kmほどのびています。 地球から月までの距離は約38万km(地球の影が届く範囲)のため皆既月食が起こり ますが、火星は地球に最接近した時でも約8000万kmの距離があるため、地球の影が 届かず「皆既火星食」は起こりません。 木星などのほかの外惑星は火星よりもさらに遠いので、皆既惑星食は起きません。


(小澤 2011年12月)