黄華堂検定!
【第47回】
2012年6月6日、たいへん珍しい天文現象「金星の太陽面通過」が起こります。
今回はその、金星の太陽面通過に関係した問題です★
(1)このところ夕方の西の空で金星が明るく輝いていますね。
望遠鏡でみると、金星は月のように満ち欠けをして見えます。
では最近の金星はどのような形でしょう?
(あ)満月のような形
(い)半月のような形
(う)三日月のような形
(2)1874年に日本で見られた金星の太陽面通過では、観測のために海外から日本
へわざわざ観測隊が送り込まれました。
金星の太陽面通過という天文現象を正確に観測すると、どのようなことがわかるの
でしょうか?
(あ)太陽の直径
(い)地球から金星までの距離
(う)地球から太陽までの距離
(3)金星の太陽面通過が終わって10日ほどたつと、金星はどの時間帯、どの方向
の空にみえるでしょう?
(あ)日没後、西の空
(い)真夜中、南の空
(う)日の出前、東の空
☆答え☆
(1)う
金星は地球の1つ内側の軌道で太陽の周りをまわる惑星です。
自分で輝いているわけではなく、太陽の光を反射して輝いています。
太陽、金星、地球の位置関係が変化することで、月のように満ち欠けをして見える
のです。
6月6日には、太陽ー金星ー地球の順に一直線に並びますが、その前は太陽に照ら
された金星のほんの一部分だけが、三日月状に見えています。
6月6日にむけて、金星は日没後西の空での高度をだんだんと下げ、太陽に近づく
ようになります。
(2)あ、い、う
全部!でした。ちょっといじわるでしたか・・・?
昔は、地球から太陽までと、地球から金星までの距離の比はわかっていても、具体
的に何kmなのかという絶対的な数値がわかっていませんでした。
地球上の離れた2地点で同時に金星の太陽面通過を観測すると、太陽面に対して金
星の位置がずれてみえます。
そのずれを使って、太陽の直径や、地球から太陽までの具体的な距離などを計算す
ることができます。
(3)う
日没後の西の空で金星が見えるということは、太陽の西側に金星があります。
太陽の前を金星が通過すると、金星は太陽の東側にやってきます。
それとともに、「宵の明星」から「明けの明星」にかわり、今度は日の出前の東の
空で金星が輝くようになるのです。
また金星は、地球の内側を回る惑星のため、太陽からある程度以上は離れて見えま
せん。
そのため、「真夜中に見える」ことは絶対にありません。
なんだか理科のテストみたいでしたか?
見逃すと次回は 105年後にしか起こらない珍しい天文現象、ぜひ楽しんでくださ
いね。
(橋本:佐賀県立宇宙科学館 2012年5月)
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