黄華堂検定!

【第58回】

  4月に入り、最高気温も25度に達し、初夏とも言われる程、暖かくなり、また夕 方 6時ごろでも大分明るくなってきました。 つまり、太陽の日照時間がそれほど長くなってきたというわけです。 今回は、その太陽の時間ごとの明るさの見え方に関する出題です。

 日が沈み、夜のとばりがあたりを覆うまでの間を、黄昏時といいます。 また夕方の黄昏時に対して夜明け前の薄明かりの時はかわたれ時といいます。 そして黄昏時、かわたれ時の薄ぼんやりした明るさのことを薄明といいます。

(1)この薄明、最初から最後まで同じ明るさではなく、明方の薄明なら、真っ暗 な夜からほんの少し明るくなり、だんだんと明るさを増して日の出を迎えます。
 そして夕方はこの逆になります。 薄明が継続する時間というのは季節によって変化します。 では、この薄明の継続時間が最も短くなるのは次のうち、いつでしょうか?
 (あ)春分
 (い)夏至
 (う)冬至

(2)新聞やインターネットのサイトにはその日の日の出や日の入りの時刻が掲載 されています。 ですが、この時刻がそれぞれによって微妙に違っていたりするときがあります。 (大体は1、2分ですが) この差は、見え方による差を計算結果にどう反映させるかといことにより生じるの ですが、では、この見え方の違いというものは、何が原因で発生するのでしょうか?
 (あ)地球には磁気がある。
 (い)地球には大気がある。
 (う)地球には 4月から10月の期間だけ大気、磁気がある。

(3)太陽(または、月)は見る時間帯によって大きく見えるときと小さく見える ときがあります。 それは、目の錯覚によって感覚的に感じるものなのですが、太陽、または月が大き く見えるように感じるのはいつでしょうか? また、小さく見えるのは?
 (あ)地平線に近いとき大きく、空の高いところにあるとき小さく見える。
 (い)空の高いところにあるとき大きく、地平線に近いとき小さく見える。
 (う)5分ごとに大きくなったり小さくなったりして見える。




☆答え☆
(1)あ
 夏至の頃は薄明の継続時間は長く、冬場は夏に比べると短めです。 そして最も薄明の継続時間が短いのは春分・秋分の頃です。

(2)い、
 地球には大気があります。 そして、蜃気楼や、夏の逃げ水で判るように大気の密度の違いから光の屈折現象が 発生します。 この屈折現象のために、空に見える天体の位置は、実際よりも浮き上がります。 この傾向は天体の高度が低いほど(地平線に近いほど)顕著になり、地平線付近で は約0.6 度ほど浮き上がりが発生します。 このため、地平線から昇る赤い太陽を目撃した瞬間は、本来ならまだ 0.6度ばかり 地平線の下にあるはずの太陽を目撃したことになります。 (3)あ
 太陽や月、星のある空を地球の周辺にある球体の内面と考え「天球」と呼びます。 太陽や月のように見かけの大きさをもった天体の大きさは天球上に占める角度で表 しますが、しかし、人間が感覚的に感じる天球は球ではなく、楕円形だと言われま す。 そして、人間は感覚的にこの楕円上に天体があるように見えますので、角度によっ て、大きさが変わり、天頂付近では実体より小さく、地平付近では逆に大きくなり ます。 ですので、地平線付近が一番大きく見えるように感じるのです。


(酒井:大阪教育大学 2013年4月)