黄華堂検定!
【第74回】
全国には歴史的・文化的な天文に関する史跡や催しは非常に多く点在しています。
そんな中で今回は金星の太陽面通過について簡単に取り上げてみました。きっと今
までの黄華堂検定にはない内容だと思います。この機会に、天文を絡めた歴史と文
化に触れてみませんか?
(1)2012年6月6日は金星の太陽面通過が日本で見られた好条件でしたが、前回日本で
見られた金星の太陽面通過はいつだったでしょうか。
(あ)江戸時代(1603年?1868年)
(い)明治時代(1868年?1912年)
(う)大正時代(1912年?1926年)
(2)当時、世界から金星の太陽面通過を観測しようと観測隊が来日しました。
フランス、アメリカ、メキシコの観測隊が派遣された場所の組み合わせは次の内ど
れでしょうか。
(あ)長崎、神戸、横浜
(い)広島、神戸、新潟
(う)神戸、長野、仙台
(3)金星の太陽面通過の観測地となった3カ所には今でも観測記念碑が現存して
います。そのうち、神戸の記念碑が建てられている場所の名前は次のうちどれでし
ょうか。
(あ)あかつきの丘
(い)ビーナスブリッジ
(う)金星台
☆答え☆
(1)い
2012年よりも前に日本で見られた金星の太陽面通過は、1874年12月9日の明治7年
でした。観測の好適地であった日本にはフランス、アメリカ、メキシコの観測隊が
来日したと記録に残っています。ちなみに次回日本で見られるのは、2117年12月11日
です。
(2)あ
フランス隊は長崎市と神戸市、アメリカ隊は長崎市、メキシコ隊は横浜市でそれ
ぞれ観測を行いました。金星の太陽面通過の学術的意味は、地球から太陽までの距
離(1 au)が計算できること。すなわち太陽視差の測定でした。
(3)う
神戸諏訪山の「金星台」です。金星の太陽面通過が行われたことを記念して「金
星台」と名付けられました。ちなみに、(あ)あかつきの丘は架空の場所です(存
在するようでしたら、教えてください 笑)。(い)ビーナスブリッジは金星台を
昇っていくと展望台があり、金星台と展望台を結ぶ歩道橋のことをいいます。
デートコースとしても有名な場所で夜景がきれいです。
参考文献
斉藤秀樹(2014),天文史跡めぐり?明治時代の神戸を歩く?,天文教育,Vol.26,No.2,pp.44-47
(斉藤:長野市博物館 2014年11月)
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