黄華堂検定!
【第76回】
年が明け、みなさん新たな気持ちで今年一年を楽しみにしているのではないでし
ょうか?そこで、2015年最初の黄華堂宇宙検定は2015年にちなんだ問題をご用意し
ました。
(1)2015年の大河ドラマは幕末を生きた久坂玄瑞の妻、杉文にちなんだお話です。
久坂玄瑞は松下村塾の熟生の一人なのですが、彼の日記の中である天文現象を見た
ことが記されています。その現象は次のうちどれでしょう?
(あ)超新星爆発
(い)皆既日食
(う)皆既月食
(2)2015年は光科学の歴史における様々な出来事の記念年ということで「国際光
年」となります。そんな光科学の歴史の中でも特に重要となるのが、1915年の一般
相対論を通した宇宙論に光をはめこむことについてのアインシュタインの理論では
ないでしょうか。ではこの理論(アインシュタイン方程式)を解き、理論上ブラッ
クホールが存在するという解を求めたの次のうち誰でしょう?
(あ)カール・シュバルツシルト
(い)アーサー・エディントン
(う)エドウィン・ハッブル
(3)NASAが2006年に打ち上げた、人類初の冥王星無人探査機「ニュー・ホライズン」
が2015年7月14日に冥王星に最接近する予定です。ではこの探査機の原動力となる電
池は次のうちどれでしょう?
(あ)太陽電池
(い)原子力電池
(う)ニッケル・水素蓄電池
☆答え☆
(1)う
答えは2014年も大変盛り上がった、「皆既月食」です。安政6年7月15日(西暦
1859年8月13日に皆既月食を見たことが日記に記されています。大河ドラマの中でそ
のような描写がされるのか楽しみですね!ちなみに2015年も4月4日に皆既月食が見
られます。是非ご覧あれ。
(2)あ
カール・シュバルツシルトはアインシュタイン方程式をある条件のもと解き、ブ
ラックホールの時空を表すシュバルツシルト解を発見しました。アーサー・エディ
ントンは皆既日食を利用して、一般相対性理論によって予測された太陽近くでの光
の曲がりを確認しました。このことで、相対論の正しさが認められ、世間への認知
が一気に広まったようです。最後にエドウィン・ハッブルは遠方銀河の赤方偏移に
よって宇宙が膨張していることを示し、相対論の予測する時空の描像が正しいこと
が判明しました。後にアインシュタインは宇宙項の導入を取り下げ、「生涯最大の
失敗だった」と語ったのは有名ですよね。
(3)い
先日打ち上げられた「はやぶさ2」は比較的太陽の近くの軌道なので太陽光を原
動力としているですが、冥王星に行く「ニュー・ホライズン」は太陽から遠すぎる
ために太陽電池を用いることが出来ません。そこで用いられているのが「原子力電
池」です。放射性同位体の原子核崩壊の際に発生するエネルギーを利用して電力を
発生させます。電池として寿命が長いのが特徴です。
(小林:総合研究大学院大学 2015年01月)
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