黄華堂検定!
【第82回】
私たちは様々な方法で天体観測を行っています。
まず思いつくのは可視光ですが、それ以外にも電波やX線、赤外線などを用いて観測をしています。
しかし、これらは波長の違いはあってもすべて電磁波です。
さて、この電磁波を用いないで観測する方法があります。それがニュートリノです。
1987年小柴昌俊さんが超新星爆発にともなうニュートリノを観測して以来、ニュートリノ天文学と言われる分野が進展してきました。
今回はそのニュートリノに関する問題です。
(1)そもそもニュートリノの存在を予言したのは誰でしょうか?
(あ)アインシュタイン
(い)パウリ
(う)湯川秀樹
(2)ニュートリノの日本語訳は次のどれでしょうか?
(あ)中性子
(い)幽霊粒子
(う)中性微子
(3)太陽からくるニュートリノは我々の体をどれくらい通過しているでしょうか?
1平方センチ当たり毎秒の数です。
(あ)約700万個
(い)約700億個
(う)約700兆個
☆答え☆
(1)い
当時、原子核のβ崩壊(中性子が電子を放出して陽子になる反応)の電子線のエネルギーがまちまちであることが問題になっていました。
陽子は電子に比べて非常に質量が大きく、ほぼ静止していると考えられるので、帳尻合わせのエネルギーを陽子が持っているとは考えられません。
そこでパウリは何か未知の粒子がそのエネルギーを持ち去っていると考えればよいことを提唱しました。
1930年のことです。
(2)う
パウリは、「電気を帯びていない(=中性の)知らないうちにどこかへ飛んで行ってしまう『幽霊のような粒子』と言っていました。
中性であることから中性子(=ニュートロン)と名付けられていましたが、1932年に現在の中性子が発見されました。
そこで1933年フェルミは中性(ニュートロン)という言葉にイタリア語で「小さい」ことを示す「イノ」という接尾語を付けてニュートリノと命名しました。
日本語では中性微子と訳されますが、実質的にはほとんどカタカナでニュートリノと呼ばれます。
(3)い
ニュートリノは非常に大量に宇宙空間に飛び回っているとされています。
宇宙の始まり、ビッグバンの時に発生したニュートリノも全宇宙で計算上1立方センチあたり300個も存在しています。
これだけたくさんあるのですが反応性が低いために非常にとらえにくいのです。
しかし、大量に飛んでくるもののうち、低い確率ですが何個かは偶然に捕まえることができます。
そのためには、カミオカンデ、スーパーカミオカンデのような巨大な装置が必要になります。
宝くじを爆買いして当選を得ようとすることに似ています。
出典 カミオカンデHP:
http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/sk/intro/index_j.html
(尾崎: 2015年07月)
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