黄華堂検定!
【第92回】
もうすぐ6月、梅雨ですね。
梅雨といえば、あじさい・かたつむり・・・。
かたつむりといえば『渦巻き』ですね。
無理矢理ですが、今回は『宇宙の渦』というテーマで出題します。
(1)宇宙から見た台風
昨年夏に油井宇宙飛行士が国際宇宙ステーションから撮影した台風16号の写真をツイッターに投稿しました 。
この台風は強風域半径が600kmにもなる、大型の台風でした。
では、この台風の大きさに一番近くなるのは次のうちどれでしょう?
(あ) 木星にあるエウロパ衛星の2倍
(い) 月の10分の1
(う) 冥王星の半分
(2)渦巻き銀河
私たちの住む天の川銀河は渦を巻いた円盤状形をしています。
下の写真は国立天文台のページにある、天の川銀河 (銀河系) の想像図です。
では、渦巻きを作っている白っぽく描かれた部分は何でしょうか?
(あ) 水や水蒸気や氷
(い) 恒星
(う) 岩石や塵
(3)降着円盤
みなさんはブラックホールをご存知でしょうか?
強い重力によって光さえも吸い込んでしまうために真っ黒で、宇宙に穴があいているかのように見える天体です。
穴があいているかのように「見える」と書いてしまいましたが、実はまだ誰もこの穴を見たことがありません。
この穴を初めて観測するために、現在『事象の地平面望遠鏡 (Event Horizon Telescope)』という、地球上に散らばっている電波望遠鏡を組み合わせた観測網が稼働しています。
では、暗い宇宙の中でどうやって黒い穴を見るのでしょうか?
実はブラックホールの周辺には降着円盤と呼ばれるガスの流れがあり、そのガスが明るく光るのを観測することで、中心の穴を見ることができます。
下の写真のように、ガスは渦を巻いて輝きながら、ブラックホールへと落ちていきます。
(© NASA/JPL-Caltech)
前置きが長くなってしまいましたが、ここで問題です。
降着円盤のガスは100万度を超えるのですが、何故そんなに高温なのでしょうか?
(あ) ガスが可燃性で、燃えているから
(い) 核分裂が起こっているから
(う) ガス同士がこすれて、摩擦熱が発生しているから
☆答え☆
(1)う
(あ) 木星にあるエウロパ衛星の2倍:エウロパ衛星の直径は3200kmなので、2倍にすると6400km。
(い) 月の10分の1:月の直径は3500kmなので、10分の1にすると350km。
(う) 冥王星の半分:冥王星の直径は2400kmなので、半分にすると1200km。
台風の直径1200kmと比べると、正解は「冥王星の半分」でした。
(2)い
渦巻きの部分は銀河の腕と呼ばれています。
ここはたくさんの星が集まって明るく輝いている部分です。
(3)う
降着円盤では、内側ほど回転速度が速くなっています。
そのため、内側と外側で速度差が生じ、摩擦が起こって、熱が発生しているのです。
参考資料:気象庁、過去の台風資料
(Tazaki: 2016年06月)
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