連載:あなたの知らない宇宙
【第18回 赤外線で見た宇宙の姿】
皆さん、突然ですが宇宙の本当の姿をご存知でしょうか?
ハッブル宇宙望遠鏡のキレイな写真を見たことのある人は、遠い昔の宇宙の姿まで
知っていると言うかもしれません。でも実は、これだけで宇宙の全てが分かったか
と言うと、そうではありません…。
普段よく知っている目に見える光は、可視光と言いますが、実は、この可視光では、
宇宙の恒星(太陽みたいに自ら輝く星)の光を主に見ています。つまり、ハッブル
望遠鏡で撮られた遠く銀河のキレイな写真も、可視光の写真なので、基本的には星
しか見ていないことになります。
では、宇宙にある星以外の成分を見るには、どうすればいいでしょうか?答えの1
つとしては、可視光と違う波長の光で見るという方法があります。特に今回は、赤
外線で見た宇宙について少しお話します。
赤外線では一体何が見えるのでしょうか?実は、若い大きな星よって温められた宇
宙の塵(ダスト)による光を見ています。つまり、宇宙の中の、既に輝いている星
ではなくて、星が生まれている現場(星のゆりかご)を見ることができます。
この赤外線を使って宇宙を見るため、一昨年の 5月にハーシェル宇宙望遠鏡が打ち
上げられました。この望遠鏡は、宇宙にある望遠鏡としては非常に大きく、口径
3.5m もある大望遠鏡です。(【参考】ハッブル宇宙望遠鏡の口径 = 2.4m )ハー
シェル望遠鏡の登場により、星の生まれる現場から、遠くの生まれたての銀河まで、
これまで見ることができなかった宇宙の姿が捉えられるようになってきました。
今後、ハーシェル望遠鏡の更なる活躍により、宇宙の新たな一面が理解されると思
います。皆さんも、期待して下さいね!!
(ハーシェル宇宙望遠鏡で撮った写真を見つけてきました。良かったらクリックし
て見て下さい!!)
【アンドロメダ銀河】
http://www.esa.int/export/SPECIALS/Herschel/SEMY1K0SDIG_0.html
Optical(可視光)と Infrared(赤外線:ハーシェル望遠鏡)で様子が全く違うと
思います。星形成が活発な部分が、渦巻きになっているのがよく分かると思います。
【遠くの沢山の銀河】
http://sci.esa.int/science-e/www/object/index.cfm?fobjectid=46974
ハーシェル宇宙望遠鏡でとらえた、遠くの銀河たちです。(点の1つ1つが銀河で
す)星形成が今より活発だった頃の生まれたての銀河が沢山写っています。
(住吉:京都大学 2011年03月)
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