連載:あなたの知らない宇宙

【第47回 まるでSF!地球外生命体探査!】

 みなさんは地球外生命体はいると思いますか? 火星人や金星人などSFにも出てくるように、私たちの昔から地球外生命体への興味は尽きることがありません。 今回はそんな地球外生命体がいる可能性と地球外生命体探査にをテーマに、フランク・ドレイクが考えた宇宙に生命がいる星の数を表す方程式「ドレイクの方程式」を紹介します。

 ドレイクの式
N = R* × fp × ne × fl × fi × fc × L

N : 宇宙における地球外生命の分布
R* : 人類がいる銀河系の中で1年間に誕生する星(恒星)の数
fp : ひとつの恒星が惑星系を持つ割合(確率)
ne : ひとつの恒星系が持つ、生命の存在が可能となる状態の惑星の平均数
fl : 生命の存在が可能となる状態の惑星において、生命が実際に発生する割合(確率)
fi : 発生した生命が知的なレベルまで進化する割合(確率)
fc : 知的なレベルになった生命体が星間通信を行う割合
L : 知的生命体による技術文明が通信をする状態にある期間(技術文明の存続期間)

 しかしここで用いられた色々な値は未だわからないものばかりで、Nの値は明らかになっていません。 しかし多くの科学者はN>1だと考えています。 つまり宇宙には少なくとも1つは地球以外にも文明を持った生命体がいる、という可能性が十分にあるということです。 ですが、今までそのような生命体はおろか地球以外では生き物すら発見されていません。

 また「地球外生命体と交流することはできないか?」とさまざまな試みも行われています。 宇宙人と交流なんてまるでSFの世界のような話ですが、いたって真面目な研究です。 まず1960年にはドレイクらによって電波望遠鏡で宇宙人からのメッセージを捉えようという「オズマ計画」が始まりでした。 その後1972〜73年に打ち上げられたパイオニア10号・11号には人間の絵や地球の位置などを記したメッセージボードが搭載されました。 このメッセージボードは宇宙での侵食から守られるように搭載されているそうです。 さらに1977年には“地球の音”や“さまざまな国の言葉の挨拶”を収録したレコードが搭載されたボイジャー1号・2号が打ち上げられました。 2つのメッセージはいつかどこかの宇宙人が発見してくれたときに、宇宙人に対しての人間からの手紙なのです。 そしてボイジャー1号・2号は世界で初めて太陽系を飛び出しつつあります! これらのメッセージがきっかけで、いつか宇宙人と交流できる日がくるかもしれませんね。

 空を見上げながら、地球外生命体へのメッセージを積んで飛び続けている探査機といつか見つかるかもしれない地球外生命体へ思いを馳せてみてください。


(小野:大阪大学 2015年06月)