連載:突撃!隣の・・・

【第16回 明石市立天文科学館】

 こんにちは。明石市立天文科学館で学芸員をしている石井です。
今回は、明石市立天文科学館についてご紹介します。

 ここは、時と宇宙の博物館。1960年6月10日に開館し、今年で55周年を迎えます。 日本の時刻の基準となる東経135度子午線(日本標準時子午線)が通る明石の町で は、天体観測により東経135度の場所を求め、子午線標識を建設しました。そんな 標識のひとつが、この明石市立天文科学館です。展示室や展望室では、東経135度 子午線上に立つことができます。

 展示室には、400年前のイタリアの科学者ガリレオが作った望遠鏡のレプリカや、 太陽を観察して時を知る日時計、時期ごとに変わる特別展などがあります。さらに、 最上階には口径40cmの反射望遠鏡があります。(外から見たとき、大時計の上にち らりと見える銀色の丸い屋根が望遠鏡が入っている部屋です。)最上階は常時公開 ではなく、毎週土曜日の10:45〜13:00のみ一般公開しており、晴れていれば昼間 に金星が見えることもあります。また、月に1回程度行っている天体観望会でもこ の望遠鏡を使って星を見ています。事前予約が必要ですが、ホームページからも申 し込みができますので、気軽に申し込んでくださいね。

 望遠鏡で星を見るには晴れていなければなりません。そこで、晴れでも雨でも星 を楽しむことができるのが「プラネタリウム」です。開館日は毎日プラネタリウム 投影があります。開館以来星を映し続けるドイツ製の投影機の星空と、解説員によ る50分間の肉声解説が特長です。筆者も解説をしますが、解説員によって少しずつ 内容が違ったりしますので、お気に入りの解説員を見つけていただくのもオススメ です。毎月テーマも変わります。この解説テーマ、毎月学芸員が作成しています。 学芸員仲間と頭を悩ませて作るプラネタリウムテーマ投影は、毎回担当者の熱い思 いが込められています。

 プラネタリウムの見どころは解説だけではありません。
なんと、この投影機、日本で一番長く動き続けている投影機なんです。20年前の兵 庫県南部地震で館内の展示物などが壊れた中、奇跡的に無事だったプラネタリウム 投影機。プラネタリウム解説をする学芸員、修理をする技術者、そしてこのプラネ タリウムを楽しみに科学館に足を運んでくれるみなさんの思いによって、今も美し い星空を映し続けています。

 10年ほど前から、このプラネタリウムにはヒーローがやってくるようになりまし た。日本標準時子午線の通る明石で、時と宇宙を守る軌道星隊シゴセンジャーです。 シゴセンジャーは暴力が大嫌い。クイズを使って、悪役・ブラック星博士と戦いま す。宇宙からやってくるシゴセンジャーに会えるのは限られた時間だけ。いつやっ てくるのか、ぜひ事前にホームページ( http://www.am12.jp/shigosenger/index.html)で調べてみてください。 寒?いダジャレを繰り出すブラック星博士ですが、よくよく話を聞いていると深い ことを言っていて、この深みに気づけるのは大人の楽しみかもしれません。大人の お一人様、カップルでのご入場も大歓迎です。シゴセンジャーって何者!?気にな った皆さんは、こちら( http://www.city.akashi.lg.jp/shise/koho/kids/tenmon.html)からPVをご紹 介していますので、一度ご覧ください。

 山陽電車の人丸前駅から徒歩3分。JR明石駅からは徒歩15分です。人丸前駅のプ ラットホームに子午線が引いてあります。電車に気を付けてプラットホームの子午 線を見つけてくださいね。JRや車でいらっしゃる方は、館の展望室から人丸前駅の 子午線が見えますので探してみてください。


(石井:明石市立天文科学館 2015年04月)