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【第18回 池田市立五月山児童文化センター】

 今回は日本一小さなドームのプラネタリウム「池田市立五月山児童文化センター」を紹介します。

 阪急池田駅からやや歩いたところ、小高い山の上に見えてくるのが池田市立五月山児童文化センター。 その名前の通り、小さい子ども向けの施設で、この施設の中にプラネタリウムがあります。 五月山児童文化センターのプラネタリウムは、ドームの直径が5m。 固定式としては日本で一番小さなプラネタリウムです。 昨今、プラネタリウムはドームの大きさやら星の数やらが注目されていますが、どんな設備であれ、投影者の工夫によって、お客さんに星空を楽しんでもらうことができます。 プラネタリウムを作るのは、人だということを改めて感じたプラネタリウムでした

 今回見学したのは、特別番組「大人のためのリラクゼーションプラネ」。 普段よりも話をぐっと少な目にした投影で、テーマの曲とともに星空の解説をするという内容です。 話が少ないということでしたが、見た印象では他のプラネタリウムと同様に星座の紹介を聞くことができます。 では普段の投影は、どんな雰囲気で投影なのかを尋ねてみたところ、特別に投影していただけることに。

「こんにちはー!!」

投影の開始時、いきなり大きな声であいさつ。 もちろん子供たちは、びっくり。 そこで子供たちに、「びっくりした人!」と手を挙げてもらいます。 すると、皆が手を挙げるので、控えめな子でも、安心して手を挙げるようになるそうです。 冒頭で子供の心を、がっちりとつかむんですね。

 その後も、こどもが参加できる工夫がたくさん。 投影の後半では、決められたテーマについての話を、クイズ形式の参加型で進めていきます。 また、その話の所々には、変顔のスライドなどこどもに面白く思ってもらおうという仕掛けがあります。 しかも、予想を超えるほどに何度も何度も繰り返します。 これには、子供だけでなく大人でもつい笑ってしまいます。

 子どもの心をがっちりつかんで投影を進めるため、投影の途中では子供からの質問が途絶えないそうです。 これは大きな館では、見られない光景ですね。 そんな五月山児童文化センターの投影者は「3代目 星のおっちゃん」。 先代の「星のおっちゃん」から引き継いで、ご自身で工夫をされて、子供に楽しんでもらう投影を作り上げたそうです。 その投影からは、子供の心をつかむ技術を、いろいろと学ぶことができます。 日本一小さなドームのプラネタリウムは、日本一お客さんとの距離が近いプラネタリウムだったのです。

参考文献:池田市立五月山児童文化センター
http://www.wombat.zaq.ne.jp/aubap900/





(鈴木: 2015年08月)