連載:宇宙×◯◯

【第12回 X食べ物】

 みなさんは納豆は好きですか? 毎朝食べるという方もいらっしゃるかもしれませんね。 毛利衛宇宙飛行士は、納豆を宇宙に持っていこうとしました。 が、NASAの許可がでませんでした。 というのは、臭いの点ではクリアしたものの、糸を引くという点で、無重力空間において減点となってしまったのです。

 国際宇宙ステーションでは、さまざまなものが食べられています。 水で戻すフリーズドライ食品や缶詰、レトルト食品などは宇宙食のイメージが強くありますが、その他にナッツやクッキー、補給機が到着したときにはリンゴやバナナ、ロールパンなどの生鮮食品も食べられるようです。 今ではインスタントラーメンやカレーなど身近なものも宇宙食になっており、話題になりましたね。 宇宙に長期滞在する宇宙飛行士にとって、食事は楽しみのひとつです。 世界各国の宇宙飛行士がいますので、リフレッシュの観点からも、バリエーション豊かなメニューがあります。 ちなみに日本の食品としては、味噌汁、たこ焼き、赤飯なども宇宙食として持ち込まれています。

 宇宙で万が一体調を崩しても、当然、救急車は駆けつけてくれません。 ですから、ISS内への「菌」の持込み制限があり、宇宙食は徹底した衛生管理のもと、安全な材料を使い、安全なパッケージで作られています。

 ところで、今、NASAでは火星への有人飛行計画がありますよね。 火星までは片道半年、滞在も含めると往復2年半ほどと考えられています。 その間のクルーの食事については、船内での野菜の栽培なども検討されていますが、考えれば考えほど難しい課題です。 なるべく少ない荷物で、廃棄物も減らしたい、安定供給が可能で、栄養バランスも重要、そして衛生面…。 NASAはこれらの課題をクリアして、火星有人飛行を成功させられるのでしょうか。




(橋本: 2015年05月)