連載:宇宙×◯◯

【第16回 X火山活動】

皆さん、突然なのですが「火山」と聞いてどうう印象を持つでしょうか? 今年05月29日に起こったの口永良部島の噴火は大きくニュースに取り上げられたので、印象に残っているかもしれません。 また、昨年、多くの登山者が巻き込まれてしまった御嶽山の噴火を思い出された方もいるかもしれません。 【被災された方のご冥福をお祈り申し上げます。】 一方で、火山列島である日本は、火山のおかげで、温泉に入ってリフレッシュできたり、地熱をエネルギーとして利用して産業を発展させたりできています。 このように、火山は大自然からの恩恵と脅威という2つの側面を持っています。

さて、この火山と上手く付き合っていくためには、人間に牙を剥く火山噴火の兆候をとらえる必要があります。 火山の噴火の兆候として、マグマや火山性ガス等が地下から上がってくることによって火山が僅かに膨張する「山体膨張」というものがあります。 この山体膨張を捕える手法として、宇宙にある人工衛星による手法があります。

下記の参考リンクは、箱根山の火山活動を、陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)の干渉SARで捕えた06月04日から06月18日まで の解析画像です。 マップ中のカラーは垂直方向の変位を示していますが、大涌谷周辺(箱根山)の一部が、06月04日から06月18日までの間に、最大3cm程度が隆起していることが分かります。 (05月21日から06月04日までの最大10cm程度と比べて変動が小さくなっているものの、地殻の隆起は依然として継続していると見られるそうです。) 宇宙から火山活動の兆候まで捕えられるようになってきたとは、本当に凄い時代になりましたね!


【参考リンク:国土地理院】大涌谷周辺(箱根山)の火山活動に関する情報
http://www.gsi.go.jp/kikakuchousei/bousaichousei/h27-hakoneyama-index.html



(住吉: 2015年07月)