連載:宇宙×◯◯
【第25回 X国旗】
4年に一度のスポーツの祭典、オリンピックの開幕が近づいてきました。
今年のメイン会場はブラジルのリオデジャネイロ。
皆さんも、応援する種目、選手などあるのではないでしょうか?
さて、オリンピックに限らずスポーツの世界大会ともなると、開会式や選手紹介、メダル授与式などで国旗を多く目にすると思います。
今回は、そんな国旗と星空の関係についてご紹介しましょう。
星が描かれた国旗といわれると、皆さんはどこを思い浮かべるでしょうか?
別名に星条旗を持つアメリカ?
赤地に5つの黄色い星が配されたお隣の国・中国でしょうか?
日本国旗の赤丸も太陽を表していますから、星が描かれているともいえますね。
星条旗も中国国旗も星を図象として用いているだけですが、実際の星座や天体を表している国旗もあります。
有名なのがオーストラリアをはじめとするオセアニアの国々です。
オーストラリアの国旗には、南半球の象徴として南十字星が描かれています。
星の明るさは再現されていませんが、星の配置は正確です。
オーストラリアのほかに、サモア、ニュージーランド、パプアニューギニアの国旗に南十字星が描かれています。
しかも、ニュージーランド以外の国旗には、十字の星以外に一つ、小さい星が描かれています。
南半球の星空には南十字星によく似た「にせ十字」と呼ばれる形が近くにあります。
この小さい星はそれと区別するために使われる星なのですが、これもしっかり描かれているのです。
さて、南十字星が描かれている国旗はもう一つあります。
そう、今季オリンピックの開催国、ブラジルの国旗です。
ブラジルの国旗の中央には、なにやら天球儀のようなものが描かれていて、そこにいくつかの星が配されています。
その中に南十字星もあるのです。
これらの星々は適当に描かれたものではありません。
ブラジルが共和国として再出発した日1889年11月15日の朝8時30分のリオデジャネイロの空を表しているのです。
描かれている星の数は27個、これは26州と1連邦直轄区を表しており、すべての星と州が対応しています。
例えば、みなみじゅうじ座(南十字星)のα星がサンパウロ州、さそり座のアンタレスがピアウイ州、という具合です。
ブラジリア連邦直轄区には、暗い星ではありますが、南極星に相当するはちぶんぎ座シグマ星があてられています。
現在、世界にある国の数は196です。(日本が承認している国のみ)
ほかにも天体をモチーフにしている国旗はたくさんあります。
オリンピックを応援しながら、そんな国旗を探して由来を調べてみるのも楽しいかもしれません。
(Tsukada: 2016年08月)
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