■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 黄華堂通信
No. 050 ◆◇◆ 2012年 1月号 ◇◆◇
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黄華堂web:http://www.oukado.org/ 黄華堂のつぶやき!@oukadoで天文現象やイベント情報についてつぶやいています!
【もくじ】
【1】来月の星空 【2】絵本で見る宇宙 【3】黄華堂レシピ 【4】続・ホシノキヲク 【5】黄華堂宇宙検定 【6】黄華堂の活動予定
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【1】来月の星空
一足早く来月の星空をご紹介します。 1月の星空についてはこちらを! http://www.oukado.org/hosizora1201.htm
............................. *2012年2月の星空
先月紹介したオリオン座のベテルギウスとともに、冬の大三角を構成する星のひとつ、おおいぬ座のシリウスについて今月は紹介します(ちなみに、もうひとつはこいぬ座のプロキオンですね)。
中国では、夜空に輝くオオカミの目という意味で「天狼(星)」と呼ばれるシリウスは、地球から観測できる恒星の中で太陽の次に明るくみえ、非常によく目立ちます。また表面温度が高く、オリオン座のベテルギウスの赤色とは対照的に青白く輝いて見えます。古代エジプトでは、シリウスが空に見えだす時期とナイル川が氾濫する時期とが同じであることが発見され、その間隔を1年とする暦を定義して(シリウス暦と呼ばれます)、川の氾濫を予測して被害を避けていました。
またこのシリウスという星は、昔から位置が少しずつ動くことが知られており、伴星[※注1]を持っていることが予測されていました。はたして19世紀の中頃、望遠鏡による観測によって白色矮星という、地球程度の大きさで太陽ほどの質量を持つ天体を伴星に持つことが発見されました(歴史上、初めて発見された白色矮星)。白色矮星は、恒星がその一生の最期にとる姿のひとつで、太陽も50億年後に白色矮星になると考えられています。
※[注1]伴星:恒星の多くは、太陽のような単独星ではなく、2つ(以上)の星がお互いの周りを回りあっている連星を形成しています。それらの星のうち、一般に明るい方を主星、暗い方を伴星といいます。
*天文現象いろいろ
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4日 立春(太陽黄経 15゚) ■ 8日 満月 ■12日 月の距離が最近(距離 36万7921 km、視直径
32.5') ■15日 下弦 ■19日 雨水(太陽黄経
330゚) ■22日 新月 ■25日 細い月と金星が並ぶ ■27日 月と木星が接近 月の距離が最遠(距離
40万4857 km、視直径 29.5')
参考サイト AstroArts「天文現象カレンダー」 http://www.astroarts.co.jp/phenomena/2012/ph201202-j.shtml
(廣井:京都大学)
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【2】絵本で見る宇宙 Vol.38
Vol.35、Vol.36と紹介してきた、えびなみつるさんの絵本『科学まんが宇宙論』。今回はその最終巻をご紹介します!
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『科学まんが宇宙論3 ニュートン・アインシュタイン号の大航海』 えびなみつる 著、渡部潤一 監修
最終巻となるなる3巻は、宇宙ステーションが舞台。
ニュートン・アインシュタイン号という名前ですが、古典力学や相対性理論といった難しい話ではありませんのでご安心ください。(そちらを期待していた方にはすみません。)
太陽系の天体からはじまって宇宙の広がり、宇宙の膨張や宇宙の始まりなどをかけ足でめぐっていきます。
そして最後に…… 人間の暮らしが便利になったりお金もうけができたりするわけでもないのに、なぜ私たちは遠い宇宙のことや、大昔の宇宙の始まりのことを調べるのか、ニュートン・アインシュタイン号の船長さんが語ってくれます。
その答えは絵本を読んでのお楽しみ。もしかしたら、共通した答えなんてないのかもしれません。私たち自身、なぜ夜空を見上げるのか、星に魅かれるのか、皆さん一人ひとりの中に、きっと答えがあるはずです。
この絵本は、それを考えるきっかけになるのではないでしょうか。
(塚田:平塚市博物館)
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【3】黄華堂レシピ 「星座早見盤」
今回は、お子様よりも大人に人気の星座早見盤をご紹介します。
星座早見盤は、ご存知の通り、日時を合わせてその時の星図を確認できる便利な道具です。
黄華堂オリジナルは、他のものに比べ星の数が少ないのが特徴です。従来の星座早見盤では、星の数が多く、都会で使うには星座を探しにくいと感じたからです。
工作としては、星図と日時の盤を切り貼りするだけのシンプルなもの。完成後、使い方の説明と、早見盤を使って季節の星座の解説を行っています。
学校等で配布されているところもあるようですが、使い方をご存知ない方も多く、「そんな風に使うのか!」と喜んで持ち帰られます。
この工作が、みなさんの夜空を見上げるきっかけになればなぁと思っています!
(ケイヤマ)
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【4】続・ホシノキヲク
…いつから星を好きになったのだろう? 夜空の星をみて、初めて感動したのはいつのこと? 宇宙を感じてわくわくする気持ち、忘れていませんか? 黄華堂メンバーのもつ、星の記憶をリレーしていきます。 あなたの中に眠る星の記憶を呼び覚ましてみませんか?
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私がはじめて宇宙を旅したのは木星だったと記憶しています。まだ小学校1、2年生のころでした。私を宇宙に誘ってくれたのは『ボイジャー』でした。その2年後、私は彼と土星へ行きました。鮮やかな縞模様と環をはっきりと覚えています。そして、天王星、海王星。
ボイジャーはそれまで見ていた図鑑の写真や想像図とは比べ物にならない鮮明な映像を次々に送ってきてくれました。それは幼い私を宇宙の虜にすることぐらい非常に容易いことでした。
そして、おそらくはっきりと私に宇宙を意識させてくれたのは、『コスモス』だったのではないかと思います。あの番組の中でエラトステネスは地球の大きさを測定し、ケプラーは狂信的に数値計算をしていました。それらの映像が30年以上も経過したにも関わらず、私の脳裏に焼き付いています。そして、カール・セーガンは今でも私に宇宙の法則を教えてくれています。きっとあのとき私は宇宙という空間的な広がりだけでなく、ビッグバンや地球、そして人類の誕生まで、過去にさかのぼる時間の旅を彼とともにしていたのでしょう。
小学校のときは強烈な映像が私を宇宙に連れて行ってくれました。そして中学校で、はじめて望遠鏡を買って覗いてみたのがハレー彗星。天文学を志し、紆余曲折の末に入学した大学ではじめ て観測したのがシューメーカー・レビー第9彗星の木星への激突。やがて観測天文学を専攻するようになって観測した超新星の輝き、活動銀河中心核の激しい変化。実物の宇宙は映像にも増して私を虜にしていきました。
やがて私は各地でいろいろな表情の宇宙に出会うことができました。オーストラリアで見た天の川銀河の輝きでできた自分の影、吉野で見た冬の天の川の淡い輝き、屋久島で遭遇した迫って来る月の影。
いまでも宇宙は私の心を捉えて離してはくれません。さあ、今度はどんな顔をした宇宙に出会えるのか。そういえば今年は金環日食がありましたね。また新しい宇宙の表情と出会うことができそうです。
(有本:塔南高校/黄華堂代表)
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【5】黄華堂宇宙検定
このコーナーでは、毎月3問ずつ宇宙に関する問題を出していきます。 新しい知識を得るため、知識の再確認をするため、今日のお話のネタにするため・・・お好きなようにご活用ください。
難易度は5級が小学生レベル、4級が中学生、3級が高校生、2級がおとな、1級が天文好きな人を想定しています。5級〜2級の問題は4択、1級には記述式もあります。答えは編集後記の末尾にあります。
さあ、挑戦してみてください!!
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○2012年にある主な天文イベントは『金』にまつわる現象が目白 押しです。 第42回は今年起きる天文イベントに関する問題です。 ......................... (1)2012年5月21日には日本の広い範囲で金環日食が見ることができます。皆既月食と金環日食の違いは 何が原因でしょう?当てはまるもの全て答えて下さい。
(あ)地球と月の距離 (い)地球と太陽の距離 (う)太陽活動の程度
(2)2012年6月6日には金星日面経過を全国で見ることができます。この現象は太陽─金星─地球がほぼ 一直線状となり、金星が黒い点となって太陽の前を横切っていく現象です。金星日面通過は現象はめった に起きませんがその原因は何でしょう?
(あ)金星の見かけの大きさが小さ過ぎる (い)金星が満ち欠けして見える (う)金星の公転軌道面が傾いている
(3)2012年8月14日には金星食が見られます。金星食などの惑星食は惑星─月─地球がこの順に一直線に 並び、惑星が月の後ろに隠れる現象ですが、惑星食における月の形はどのように見えるでしょう?
(あ)いつも満月 (い)色々ある (う)いつも新月。
(森谷:京都大学)
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【6】黄華堂の活動予定
● 3月 3日(土) 観望会 【大阪ステーションシティ】
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【編集後記】
新年最初のメルマガで、第50号とおめでたいことが重なりました。これからも皆様に色々な話題を提供できればと思っています。宜しくお願い致します。 (森谷:お正月過ぎてから食欲が増しました)
(黄華堂検定の答え) (1)あ、い 地球の公転軌道や月の周回軌道は楕円形をしているので、地球と太陽や月の距離は一定ではありません。その為地球から見える月や太陽の大きさ(視直径)が変わります(来月の星空に月の視直径を載せています)。 月の視直系の方が太陽の視直系よりも大きければ皆既日食に、逆に小さいと金環日食になります。部分日食は月の影の中心から外れた地域で起きます。 月はだんだん地球から遠ざかっているので皆既日食と金環日食がどちらも見えるのは今だけです。 因みに、2012年11月14日にはオーストラリア北部から南太平洋上を中心にで皆既日食が見られます(残念ながら日本からは食は見えません)。
(2)う 金星日面通過は謂わば金星版の日食のようなものです。地球の公転軌道と金星の公転軌道は約3度傾いている為、両者の面が交わるところで太陽─金星─地球一直線上に並ばないといけません。 このことから、金星日面通過は滅多に起きる現象ではなく、次に起きるのは2117年の予定です。
(3)い 惑星食は、惑星─月─地球がこの順に一直線に並び、惑星が月の後ろに隠れる現象です(惑星版の日食)。 太陽の位置には関係しないので、月の形は様々です。今回の金星食では三日月に金星が隠れて行く様子を見ることができます。
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