黄華堂検定!

【第68回】

  1月21日、近くにある銀河 M82(おおぐま座)に超新星が発見されました。 M82は私たちから約1200万光年の距離にある、とても近い銀河なので、超新星も明 るく見え詳細に調べられると期待されています。 今回は超新星に関する問題です。

参考:AstroArts社1月23日の天文ニュース
http://www.astroarts.co.jp/news/2014/01/23sn2014j/index-j.shtml

(1)超新星とはどんな星でしょうか?
 (あ)生まれたばかりの明るい星
 (い)寿命を終える間際の星
 (う)6つ並んだ星

(2)[記述式]
 超新星には私達の生活に深く関わっていることがあります。
それは何でしょうか?
※ヒント:物質に関係します。

(3)超新星のなかでもIa型(いちえーがた)と呼ばれるものは、天文学において重
要な役割を持っています。 それは次の内のでれでしょうか?
※Ia型については答えと解説をご覧下さい。
 (あ)超新星がいる銀河の年齢さが分かる
 (い)超新星がいる銀河の質量が分かる
 (う)超新星がいる銀河までの距離が分かる




☆答え☆
(1)い
 超新星は「新しい星」と書きますが、実際は重たい星が最期に爆発する[注 1]と きに起きる現象で、超新星爆発とも呼ばれています。 夜空で突然明るくなる為にまるで星が新しく誕生したように見えます。

(2)鉄より重たい元素ができる。
 宇宙が誕生した時には水素と極々わずかなヘリウム、リチウム、ベリリウムしか ありませんでした。 それより重たい元素は恒星の内部で作られます。 恒星の内部では核融合反応が起き、水素からヘリウム、炭素、酸素…と重たい元素 ができますが、鉄元素は安定している為に、それより重たい元素は恒星内部での核 融合反応はできません。
 私たちの身の回りにある鉄より重たい元素は全て超新星爆発の時に作られたもの です。

(3)う
 超新星を分類するときに、よくどのような元素が見えるかで区別しています。 超新星の中でも水素がなく、ケイ素があるものをIa型(いちえーがた)超新星と呼ん でいます。
 Ia型超新星は、最も明るくなる時の明るさが理論的に決まっています[注2]。 その為見た目の明るさと本来の明るさの差から超新星までの距離を精度よく求める ことができます。
 このように本来の明るさが決まっていて、距離の指標になる天体を『標準光源』 と呼んでいます。

 [注1] 厳密には、太陽の数倍以上の質量が最期に起こす『重力崩壊型超新星』と、
白色矮星が限界質量を超えた時に起こす『核爆発型超新星』とに分かれます。 Ia型超新星は後者のタイプです。

[注2] しかし、通常の超新星よりも明るい超新星も発見されています。 「あなたの知らない宇宙」第30回で取り上げています。
http://www.oukado.org/shiranai/030.html


(森谷:広島大学 2014年2月)