黄華堂検定!

【第91回】

今回は、『5月の星空』の記事にちなんで、5月31日に地球に最接近する『火星』からの問題です。


(1)地球のひとつ外側を公転する火星の公転周期は約何日でしょうか? 次の3つの選択肢のうち、もっとも近いものを選んでください。
 (あ)約225日
 (い)約365日
 (う)約687日


(2)最接近する5月31日の少し前の5月22日には、太陽と地球と火星が一直線に並び、太陽と正反対の位置に火星があります。 この状態は何という言葉で表されるでしょうか。
 (あ)合(ごう)
 (い)衝(しょう)
 (う)留(りゅう)


(3)最接近する火星の近くで赤く輝き、火星に由来した名前をもつ星は次の3つのうち何という星でしょうか。
 (あ)アンタレス
 (い)ベテルギウス
 (う)アルデバラン




☆答え☆
(1)う
太陽の周りを公転する惑星の公転周期は、太陽に近い惑星ほど短く、太陽から遠い惑星ほど長くなります。 みなさんがご存知の通り、(い)約365日が地球の公転周期ですが、火星は地球よりも遠いために公転周期は地球より長い(う)約687日になります。 (あ)約225日は地球のひとつ内側を公転する金星の公転周期になります。


(2)い
この衝の時期は、今回のように最接近の時期の近くです。 もし太陽の周りを公転する軌道が地球も火星も円ならば、衝の時に地球は火星に最接近します。 実際には、地球も火星も公転軌道が円から少しゆがんだ『だ円』のために、衝の時期と最接近の時期はわずかにずれます。 (あ)合(ごう)は地球から見て太陽の方向に惑星がある場合で、衝とは逆にその惑星までの距離はもっとも遠くなります。 (う)留(りゅう)とは、地球から見てその惑星が天球上で静止するように見える時期のことを指す言葉です。 衝や合の前と後に必ず1回ずつ起こり、5月22日の衝の前の4月17日と後の6月30に起こります。 この留の前後で、惑星の名前の由来となった順行と逆行が入れ替わるという天文現象が起こります。


(3)あ
黄華堂検定 Vol.88 でも出題した問題ですが、改めて出題してみました。 アンタレスは、さそり座でもっとも明るい1等星です。 さそり座は天球上の太陽の通り道である黄道に位置する『黄道十二宮』のひとつで、そのため今回のように火星が近くを通ることがあります。 まるで火星に対抗するように赤く輝く星であることから、ギリシャ語で『火星(アーレス)に対抗(アンチ)するもの』を意味する名が付けられました。 (い)ベテルギウスはオリオン座の1等星で、その名前の由来には諸説あります。 アンタレス同様、夜空で赤く輝きますが、オリオン座が冬の星座のため、この時期には見ることができません。 (う)アルデバランはおうし座の1等星で、その名前はプレアデス星団(日本語名すばる)の後に続いて夜空に昇ってくることから、アラビア語で『後に続くもの』という意味の『アッ・ダバラーン』という言葉に由来します。 オリオン座同様に冬の星座ですので、赤く輝く星ですが、この時期には見ることはできません。




(Mark: 2016年05月)