■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 黄華堂通信2008
◆◇◆ 7月号 ◇◆◇
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宇宙を観じる生活を!黄華堂メルマガ
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【もくじ】
【1】今月の星空 【2】ホシノキヲク 【3】大学生日記 【4】新連載!!絵本で見る宇宙 【5】新企画!!黄華堂宇宙検定 【6】黄華堂の活動予定
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【1】今月の星空
明るい星3つでできる夏の大三角が東の空高くに輝くようになります。また、春の間、地平線近くに寝そべっていた天の川が、南の空から夏の大三角付近を通って、北の空まで続く様子が見られるようになります。 南の空には、「S」字のカーブもしくは釣り針の形に星が並んだ、さそり座が輝きます。
さそりの心臓あたりの星「アンタレス」は赤く輝く一等星です。アンタレスとは、「火星と敵対するもの」という意味があります。火星のような赤い色が、競い合っているように見えたのでしょうか。日本では、アンタレスのことを「赤星(あかほし)」と呼んだり、「酒酔い星」と呼んだりする地域があるようです。酒酔い星だなんて、日本人らしい茶目っ気あふれる呼び方だと思いませんか?
南東の空には、明るい星がよく目立ちます。この星は太陽系で最大の惑星である木星です。望遠鏡では、表面のしま模様や、ガリレオ衛星がよくみえますよ。
詳しくはこちらをクリック! http://oukado.org/hosizora0807.htm
(橋本:佐賀県立宇宙科学館)
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【2】ホシノキヲク
・・・いつから星を好きになったのだろう? 夜空の星をみて、初めて感動したのはいつのこと? 宇宙を感じてわくわくする気持ち、忘れていませんか? 黄華堂メンバーのもつ、星の記憶をリレーしていきます。 あなたの中に眠る星の記憶を呼び覚ましてみませんか?
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黄華堂ただ一人の関東支部、国立天文台研究員の小林正和です。 昨年度京都大学で学位を取得し、天文学の研究者として駆け出したところです。
私が、「生涯をかけて宇宙の研究をしたい!」、と思うほど宇宙に惹かれたのは、
小学校5年生の頃に読んだ宇宙の図鑑がきっかけでした(出版社等は覚えてませんが・・・)。 その図鑑によると、地球の半径は約6500キロメートル。「地球でかっ!!」っ
て驚かされました。しかしこれはまだまだ序の口で、読み進めていくと、「太陽の半径は地球の約100倍の約700万キロメートル、太陽と地球の間の距離は1億5千万キロメートル、太陽系の広がりは…、太陽の隣の恒星までの距離は…」と続き、最後に「私たちの宇宙の広がりは約200億光年」とありました。読んでいる当時の私の知る世界は、自分が自転車で移動できるくらいの範囲でしかありません
でしたから、あまりのスケールの大きさにただただ驚くばかりでした。その他にも、太陽の温度や星の進化、銀河の形などについても書かれていて、「何で行ったこともない場所にあるもののことが分かるんだろう??」と疑問に思ったのが、最初のきっかけです。
今私が研究しているのは、はるかかなたにある、銀河のひとつ「ライマン・アルファ輝線銀河」です。もちろん行ったことはない場所ですが、自分の作った理論が観測の結果を非常によく再現できると、非常に心が躍ってしまいます。
みなさんも、宇宙の広がりに心を馳せてみてください。また、はるかかなたにある
もののことを知るための人間の知恵に関しても、よかったら調べてみてください。
(小林:国立天文台)
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【3】大学生日記2
「研究室訪問〜大阪教育大学
宇宙科学研究室〜」
こんにちは!大阪教育大学
宇宙科学研究室の溝口です。 今回は、私が所属する宇宙科学研究室をご紹介します!
メンバーは、指導教官が1人に院生が3人、学部生が9人ととってもにぎやかです。でも、皆が集まるのは昼間・・・ではなく夜!私達の研究は、大学の屋上にある51p反射望遠鏡を使った観測がメインです。晴れた日には、「今日のお星さまは今日しか見られない」をモットーに日没から日の出まで観測を行います。学生が自由に望遠鏡を使うことが出来る、という環境から生まれた成果もたくさんあります。
私が研究している天体も、先輩が面白そう!と思って何気なく撮影したもの。観測していくうちに、明るさの変化の仕方が普通じゃない!ということがわかり、現在は私がこの天体の研究を引き継ぎました。一人では続けるのが大変な夜の観測でも、皆で協力して大きな成果を出すことが出来るんです!成果はHPにも掲載中☆
そんな私達は、今日も空を見上げて、天気とにらめっこしています。
(溝口:大阪教育大学)
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【4】絵本で見る宇宙 Vol.1
星が見えるのは夜空だけ?そんなことはありません! もちろん、みなさんにはぜひとも本物の星空を見ていただきたいのですが、いつも晴れているとは限りません。 おうちの近くにプラネタリウムがあるとも限りません。
そんなとき、みなさんを広い宇宙に連れて行ってくれるもののひとつが「本」です。 しかも「絵本」は、小さなお子さんから大人の方まで誰もが楽しめる、小さな宇宙です。
このコーナーでは、そんな宇宙を題材にした絵本を、毎回紹介していきたいと思います。 基本的には、今でも書店で手に入る絵本を選んでいきますので、興味が湧いたらぜひ、本屋さんで探してみてください。お近くの図書館で探してみるのもいいですよ!
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『宇宙 ―そのひろがりをしろう―』
加古里子 ぶん/え 福音館書店 ISBN
4-8340-0736-7
記念すべき第1回でご紹介するのは、この本。 加古里子さんは、宇宙に限らず、科学を題材にした絵本を数多く書かれています。
この本は、その名の通り、宇宙のひろがりを、身近なところからスタートして宇宙の果てまで、順を追って紹介しているものです。とはいっても、地球を脱出(?)するまでに全体の半分ものページを割いて、「より速く、より遠く」という、人間の夢を実現するまでの過程を、昆虫から始まって車、飛行機、ロケットとたどっています。
そして、すべてのページ、これでもか!というくらい情報が載っています。本文はすべてひらがなで書かれていますが、ここだけは漢字もあり、専門用語あり、と一見すると難しく思えます。ところが、すべての情報にこれまた絵がついていますから、たとえひらがなが読めなくても、絵を見ているだけで充分楽しめます。むしろ、小さいお子さんには、読み聞かせるよりもその絵を一つずつ追うだけで、楽しんでもらえるのではないでしょうか。
初版が1978年ですから、宇宙の情報はかなり古いです。 言葉も今と違っているものもあります。しかし、本の内容に古さは感じません。 ちょうど30年経った今でも、売れつづけています。
まだまだ梅雨の真っ只中、雨の日は、 この本を読んで宇宙の果てまで宇宙旅行を体験してみるのもいいかもしれませんね。
(塚田:姫路j星の子館)
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【5】黄華堂宇宙検定
このコーナーでは、毎月3問ずつ宇宙に関する問題を出していこうと思います。 新しい知識を得るため、知識の再確認をするため、今日のお話のネタにするため・・・お好きなようにご活用ください。 難易度は5級が小学生レベル、4級が中学生、3級が高校生、2級がおとな、1級が天文好きな人を想定しています。5級〜2級の問題は4択、1級には記述式もあります。
答えは編集後記の末尾にあります。
さあ、挑戦してみてください!!
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第1回は5級の問題です。
@つぎのうち、「惑星(わくせい)」はどれでしょう。 あ、月 い、太陽 う、地球 え、ブラックホール
A夏の夜8時ごろに見られる星座はどれでしょう。 あ、オリオン座 い、はくちょう座 う、ふたご座 え、こいぬ座
B北の空に見られる星座はどれでしょう。 あ、カシオペヤ座 い、さそり座 う、おうし座 え、みずがめ座
(成田:編集長)
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【6】黄華堂の活動予定 7月20日 soul flower vol.2 in
雲州堂 8月23日〜24日 サイエンスフェスタ大阪 9月11日〜13日 天文学会にて実践報告
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【編集後記】
今月は「日本の天文学史」はお休みさせていただきました。 その代わり、新しい企画「絵本で見る宇宙」と「黄華堂宇宙検定」が始まりました。 回を追うごとに内容が充実していく、そんなメルマガにしていきたいと思います。 夏の星座はもうすぐそこまで昇ってきています!
2008年7月5日 編集長 成田
(黄華堂検定の答え) @う 太陽の周りをまわっている大きな天体を惑星と呼んでいます。太陽から近い順に 水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星があります。
Aい はくちょう座は夏の代表的な星座です。はくちょう座のデネブ、こと座のベガ、 わし座のアルタイルを結んだ三角形を「夏の大三角」とよびます。
Bあ カシオペヤ座は北の空で見つけやすい星座のひとつです。「W」の形をしています。 北極星をはさんだ反対側には北斗七星があります。
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