■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 黄華堂通信2008
◆◇◆ 9月号 ◇◆◇
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
****************************************************************
宇宙を観じる生活を!黄華堂メルマガ
****************************************************************
【もくじ】
【1】今月の星空 【2】ホシノキヲク 【3】大学生日記 【4】絵本で見る宇宙 【5】あなたの知らない宇宙 【6】黄華堂宇宙検定 【7】黄華堂活動日記 【8】黄華堂の活動予定 【9】読者アンケートのお願い
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【1】今月の星空
9月に入ると、夜は少し涼しくなり、秋の気配が感じられるようになります。夏の間、南の空で目立っていたさそり座は南西の空に沈みかけています。南の空には、さそり座に代わって、いて座ややぎ座が輝くようになります。東の空からは、4つの星が長方形に並んだ秋の四辺形が昇ってきます。秋の四辺形は、ペガスス座の胴体部分の星の並びです。星座を探す目印として、春、夏、冬には大三角がありますが、秋は大三角ではなく四辺形なのです。 秋の夜空は、明るい星が少ないのですが、南西〜天頂〜北東の空にかけて天の川が見られます。街明かりの少ない場所へおでかけの際は、ぜひ天の川も探してみてくださいね。 *天文現象いろいろ ■2日
夕方西空で月・金星・水星・火星が接近 ■7日
上弦の月 ■11日 水星が東方最大離角(夕方西空で金星と水星が接近) ■13日 天王星が衝 ■14日 中秋の名月 ■15日 満月 ■22日 秋分(太陽黄経180度) ■29日 新月
詳しくはこちらをクリック! http://oukado.org/hosizora0809.htm
(橋本:佐賀県立宇宙科学館)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【2】ホシノキヲク
・・・いつから星を好きになったのだろう? 夜空の星をみて、初めて感動したのはいつのこと? 宇宙を感じてわくわくする気持ち、忘れていませんか? 黄華堂メンバーのもつ、星の記憶をリレーしていきます。 あなたの中に眠る星の記憶を呼び覚ましてみませんか?
.........................
「第二の向井千秋さんになってね。」 中学卒業時に、担任の先生にかけられた言葉。
そう、わたしの将来の夢は、宇宙飛行士になること。
あれから、十年。 わたしは、まだ宇宙飛行士になれていない。
そして私は今、中学校の理科の先生をしている。 教え子達がいつか、私の夢をかなえてくれないかしら?という、下心をいだきながら(笑)
そんな私の、星のキヲク。。。
私は、夜空を見上げるのが好きだ。 人よりも目がいいので、大阪のグレーな夜空にも、星を見つけることができる。
あれは、大学生の時。 天文を志したが、あの天文学的な数字にまいってしまって、挫折。 目標を見失っていた。 どんどん星達から遠ざかっていく。。。 そんな風に思い悩んでいた、大学からの帰り道。
久しぶりに、夜空を見上げた。 星はいつも通りそこで輝いていた。
悔しかった、と同時に。 ある思いが込み上げた。 「私がどうであろうと、星と私との実際のキョリはかわんないだ。離れていってたのは、私の心の方だった…!」
そう、私の気持ちさえ、離れていかなければ、星とのキョリはかわらない。 近づくことだって、もちろん、私次第。
そして、黄華堂の活動に参加。 専門的なことはわからないが、宇宙が好きな子ども達と、楽しくわいわいやっている。 なぜなら、子ども達の瞳の中に、星々が見えるから。
さて、クサい話になったが。
授業の合間に、グレーな大阪の夜空でも、星は見えるんだよ、という話をして、一人でも多くの子が夜空を見上げるように、育成中(笑)
でもあいつら、ほんまは宇宙が、理科が大好きなんです。 全国の学校の先生及び、教育関係者様、がんばろう!
話が紆余曲折しましたが。 今の私と星々のキョリは、あの時よりも近づいただろうか。
少なくとも、遠ざかってはないことを祈って、今夜も、ふと、夜空を見上げている。。。
(林:中学校教員)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【3】大学生日記
『研究室レポート in 京都大学宇宙物理学教室』
こんにちは。 今回レポーターの京都大学宇宙物理学教室の住吉です。 はじめましてです。 今回は、京都大学宇宙物理学教室をレポートしていきたいと思います。
まず、何をやっているかというと、「宇宙」を研究しています。(そのまんまですね) もう少し詳しく言うと、大雑把には、観測、観測装置開発、理論、の3つの研究を行っています。レポーターは、特に理論の研究を行ってます。そこで、今回は理論グループの生活についてお話していきます。
理論って何だって感じだと思いますよね? 理論とは、望遠鏡を作ったり望遠鏡を使って星などを観測するのではなく、数式やコンピュータを使って、観測でよく分からない事柄を理解してやろうってのを目標に日々頑張っています。 扱う対象は、宇宙なら何でもって感じです。
基本的に、皆パソコンに向かって日々格闘しています。 研究に煮詰まると、人とお話したり、スィーツ食べたり、マンガとか読んでリフレッシュしています。
(住吉:京都大学)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【4】絵本で見る宇宙 Vol.3
宇宙の本を見ると、必ずといっていいほど載っている、きれいな天体写真。 不思議な形、カラフルで鮮やかな色・・・なんだか、いろいろなものに見えてきませんか? リング星雲、キャッツアイ星雲、ソンブレロ銀河・・・ 人は昔から、様々な天体に見た目で愛称をつけてきました。 あなたの目には、どんな形に見えてくるでしょう? 今回紹介する絵本は、そんな想像力をかき立ててくれるファンタジーです。
*****
『ほしのメリーゴーランド』
作・寮美千子 絵・鯰江光二 フレーベル館 ISBN 978-4-577-03587-0
宇宙には、なんて不思議なものがあるんだろう? きれいな天体写真を見ていると、そう思わずにはいられません。 そして、そこに行ってみたい! 間近で見てみたい! そう、思いませんか?
この絵本は、 「おほしさまのせかいにあそびにいきたい!」 そんな願いを持った女の子が、「ほしのゆうえんち」に遊びに行く物語。
土星のわっかは氷のすべりだい。 もやもやした星雲はいろんな味のわたがし。 宇宙を猛スピードで駆け抜けるほうき星のジェットコースターに、惑星のヨーヨー釣り。
女の子にとって、宇宙に浮かぶ天体は遊園地のアトラクションなのです。
この絵本は、天文学の絵本ではありません。 星や天体の解説は一切出てきませんし、天体の名前すら本の一番最後に出てくるだけです。 また、この本の大きな特徴は、背景すべてが天体写真で、その上に絵を描いているところ。 つまり、天体はあくまで「画材」の一つなのです。
星を眺め、なぜだろう? と考え、その謎を科学的に解き明かしていく、これが天文学です。 しかし、宇宙との付き合い方はそれだけではありません。 星を眺め、天体写真を見つめ、そこに自分だけの世界を想像していく・・・、 そんな楽しみ方もあるのではないでしょうか? 「天文」と聞いて堅苦しく考える必要はありません。 大切なのは、まず宇宙を感じること。 この絵本は、そんなことを教えてくれる一冊です。
皆さんも、いろいろな天体写真を眺めながら、 自分だけの物語を作ってみてはいかがでしょうか?
(塚田:姫路星の子館)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【5】あなたの知らない宇宙
第2回:宇宙最強の光「ライマンアルファ」―上―
みなさんは「ライマンアルファ」という名前を聞いたことがありますか? おそらくほとんどの人が「ない」と答えることでしょう。
一方で、137億歳のこの宇宙で見付かった銀河のうち、最も遠いものが129億光年かなたにあることを知っている方は、そんなに少なくないのではないでしょうか。
今回は、聞き慣れない「ライマンアルファ」という光と、それを使ったものすごく遠くにある銀河を見付ける研究成果を紹介したいと思います。
虹に代表されるように、光にはいろいろな色(=波長)があります。太陽などの恒星は、いろいろな色の光を連続的に放っていますが、原子や分子などのガスからは、ある特徴的な色の光だけが出てくることが知られています。「ライマンアルファ」は、水素原子から出てくる特徴的な光のひとつで、水素原子からは最も強く放たれる光です。色は、と言うと、残念ながらライマンアルファは紫外線なので、人間の目には見えません。
この「ライマンアルファ」という光、宇宙最強の光とも言うことができるのです。というのも、水素原子から最も強く出る光で、水素原子は宇宙に一番たくさんある原子だからです。
〜10月号に続く〜
(小林:国立天文台)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【6】黄華堂宇宙検定
このコーナーでは、毎月3問ずつ宇宙に関する問題を出していきます。 新しい知識を得るため、知識の再確認をするため、今日のお話のネタにするため・・・お好きなようにご活用ください。 難易度は5級が小学生レベル、4級が中学生、3級が高校生、2級がおとな、1級が天文好きな人を想定しています。5級〜2級の問題は4択、1級には記述式もあります。答えは編集後記の末尾にあります。
さあ、挑戦してみてください!!
第3回は3級の問題です。
�次の電磁波のうち、最も波長が長いものを答えよ。
あ、可視光線 い、赤外線 う、X線 え、紫外線
�横軸に星のスペクトル型、縦軸に星の絶対等級をとった図を何というか。
あ、OA図 い、SK図 う、DE図 え、HR図
�次のうち、天動説を主張したとされる人物を答えよ。
あ、プトレマイオス い、コペルニクス う、ガリレオ え、ケプラー
(成田:編集長)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【7】黄華堂活動日記
☆「ホスピス観望会」8月16日
黄華堂のイベントではないのですが、観望会の見学に行ってきたので報告します。
今までに経験したことのないしっとりとした観望会で、車椅子を押してあげた患者さんが雲間から徐々に見えてきた木星や月を見ながらずっと感激されていたことや、こちらのスタッフに非常に感謝されていたことが大変 印象的でした。 自分自身がいろんなことを感じることの出来たすばらしいひと時でした。
(編:成田:編集長)
☆「サイエンスフェスタ」8月23日,24日
ハービスホールで行われたサイエンスフェスタに参加してきました☆
人人人・・・・!!!!
でも,子ども達のわくわくした笑顔を見てると,サイエンスってやっぱり魅力的なんだなぁと再確認しました。
私達黄華堂のブースも,手作り絵本,うちわ,宇宙図鑑,星座早見盤,ぬりえといろいろ用意していました!!途中でなくなってしまったものもあるくらい好評でした。
できなかった方,ごめんなさい。。。m(_
_)m
(ナイトウ:隊長)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【8】黄華堂の活動予定 9月15日(月・祝)観月会(十三・福祉施設) 10月9日(木)天文教室、観望会(京都・小学校) 11月5日(水)観望会(京大病院) 11月8日(土)〜9日(日) 青少年のための科学の祭典京都大会(京都・青少年科学センター)
mixiのコミュニティーでも活動中! http://mixi.jp/view_community.pl?id=2816441
フリーペーパーも配布中! http://www.oukado.org/freepaper.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【9】読者アンケートのお願い この度、黄華堂では読者様の急増に伴い、読者アンケートをとらせていただくことにしました。 このメルマガに関する簡単なアンケートですので(たった5つの質問!)、 今後よりこのメルマガの内容を充実させていくためにぜひご協力をお願いいたします。
以下のアンケートサイトにアクセスしてください。 もちろん、決して怪しいサイトではありませんし、お名前の入力なども不要です。 http://www.dounano.net/answer/?no=62
(成田:編集長)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【編集後記】
ようやく朝晩は涼しくなってきましたね。
お月さんがきれいに見える季節がやってきます。 14日は中秋の名月。
お団子とススキを用意して迎えたいと思っています。 あとは・・・晴れるのを祈るだけ。
今回は【9】で読者アンケートをお願いしています。 たくさんの方々から回答が得られることを望んでおります。 ご協力よろしくお願いします。
2008年9月5日 編集長 成田
(黄華堂検定の答え) �い 長い順に並べると、赤外線、可視光線、紫外線、X線となる。
�え この図の提唱者2人の名前をとって「ヘルツシュプルング・ラッセル (Hertzsprung-Russell)図」という。すなわちHR図である。
�あ 他は地動説を支持した。もちろん今となっては地動説が正しい。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<お知らせ> 黄華堂の活動をいっしょにやりませんか? 天文学に関する基礎知識がなくてもOKです。子どもが好きとか、何かボランティア的な活動をしてみたいという方、星空をテーマにしたいろいろな活動に興味があればぜひ下記までご連絡ください。 こちらからあらためてご連絡させていただきます。 連絡先:info@oukado.org ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
このメルマガに関するご意見やご感想はinfo@oukado.orgまで。 Copyright 2008 黄華堂. All
rights reserved. Web:http://www.oukado.org/ mixi:http://mixi.jp/view_community.pl?id=2816441
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
|