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黄華堂通信2008 ◆◇◆   11月号   ◇◆◇ 

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宇宙を観じる生活を!黄華堂メルマガ

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【もくじ】

【1】今月の星空
【2】星空歳時記
【3】ホシノキヲク
【4】日本の天文学史
【5】大学生日記
【6】絵本で見る宇宙
【7】黄華堂宇宙検定
【8】黄華堂の活動予定


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【1】今月の星空

 夜の冷え込みが厳しくなる中、少しずつ冬の星空へと変わっていきます。

 北東の空からは、ぎょしゃ座のカペラが昇ってきます。カペラは、冬の星座の中で最初に登場する一等星で、
明るい星の少ない夜空の中、ひときわ明るく輝きます。

 11月には、おうし座流星群の南群・北群としし座流星群の極大日があります。この機会に、流れ星をぜひ探してきましょう。流れ星を見るのは、月明りのない夜がおすすめです。

*天文現象いろいろ
■1日 夕方西の空で月と金星が接近
■3日 おうし座流星群の南群が極大
■6日 上弦の月
■7日 立冬(太陽黄経225度)
■12日 おうし座流星群の北群が極大
■13日 満月
■14日 月とプレアデス星団が接近
■17日 しし座流星群が極大
■20日 下弦の月
■28日 新月 


詳しくはこちらをクリック!
http://oukado.org/hosizora0811.htm

(橋本:佐賀県立宇宙科学館)

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【2】星空歳時記

 テレビの天気予報などを見ていると、ときどき季節の便りとして、「二十四節気」が紹介されることがあります。「明日は立春、暦の上ではもう春なのですが・・・。」といった具合です。11月には7日の立冬と22日の小雪があり
ます。

 この「二十四節気」ですが、いわゆる旧暦が由来の季節を表す言葉で、現在の暦とはずれていると思っている人が多いのですが、みなさんはちゃんと理解されているでしょうか?

 「二十四節気」とは星座の中を通る太陽の通り道(黄道)上での太陽の位置を表していると考えてください。例えば、立冬なら基準となる春分の太陽の位置から225度ぐるっと回った位置を指します。なかなか文章だけでは
わかりにくいのですが、太陽の位置ということは、天文学から決められているということを押さえておいてください。

 「天文」といえば、夜空の星を思い浮かべがちですが、季節感のある言葉や風習の中にも多くの「天文」が息づいているのですね。


(有本:京都市立塔南高校)

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【3】ホシノキヲク


・・・いつから星を好きになったのだろう?
夜空の星をみて、初めて感動したのはいつのこと?
宇宙を感じてわくわくする気持ち、忘れていませんか?
黄華堂メンバーのもつ、星の記憶をリレーしていきます。
あなたの中に眠る星の記憶を呼び覚ましてみませんか?

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 黄華堂に入ったのは,天文が好きだったというよりは,子どもが好きだったからです。

 高校では,珍しい地学を2年も履修して,そのときに天文分野も勉強したのですが,正直苦手でした・・・
カタカナの星の名前やら,計算がいっぱい出てきて,なんじゃこら!?という印象。
でも,地学という分野には興味を持って,大学では地質学を専門にしていました。

 そんな中,高校時代の恩師に声をかけていただいて,こうして黄華堂に参加することになりました。
子ども達と一緒に望遠鏡をのぞいていると,"難しいことはどうでもよくて,こんなにきれいなものがいっぱいあるんだ!!"ということが,よく分かりました。
純粋な子ども達の反応をみていると,私も嬉しくなってしまいます。

 今は,黄華堂のみなさんや,職場の先生に星の名前や星座を教えてもらって,知れば知るほど空を見るのが楽しくなってきているところです。

 知識は他の人たちに比べたらすごく少ないですが,一緒に観望するみなさんと同じ視線で喜べたらなぁと思う今日この頃。

 一緒に,夜空を見上げましょう☆


(ナイトウ)

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【4】日本の天文学史

 前回は、安倍晴明が天文学者であり、「天文道」と呼ばれる天変占星術を行なっていた、ということを紹介しました。今回は、その「天文道」がなぜ日本で行なわれるようになったのか、ということを紹介しましょう。

 「天文道」とは、古代中国で誕生した学問のひとつです。古代中国では「天には天上界の支配者天帝を中心とした社会があり、地上の支配者(天子)は天帝の支持を得ることで地上を治めることができる」、つまり天と地上に深い関わりがある、と考えられていました。これは太陽や月の規則的な運行に基づいて作られた暦によって、人間の生活が律せられていたことから、発展したものでした。

 こうした考えに基づいて、日食や彗星など、天に起こるさまざまな天文現象は、「政治が正しく行なわれていないことへの警告」や「近いうちに戦争が起こる」などといった天帝が地上の支配者に送る「天からの文(メッセー
ジ)」であると考えられるようになりました。そして、「天からの文」を正確に読み取るために天文現象を観測して記録し、それらが地上にどのような影響を及ぼすのかを解釈するための学問「天文道」が誕生したのです。


(株本:岡山天文博物館)

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【5】大学生日記

 皆様はじめまして
 
 和歌山大学教育学部 天文ゼミ 野上敬寛〔タカヒロ〕と申します。
 河野さんに引き続き研究室の様子について紹介します。
 
 天文ゼミ室は最上階の五階にあります。ゼミ室に入るとまず何台ものパソコンと本棚が目に入ります。最近、専門書満載の本棚の奥からマンガや人生ゲームが見つかりました〔笑〕。今度、みんなで人生ゲーム大会をやろうと呼びかけています。
 また、屋上に出ると和歌山市街地が目の前に広がります。夜には夜景がすごく綺麗で、大学の隠れたデートスポットになっています。
 
 さて、私は、現在卒論のために、星団〔主に球状星団〕の写真を撮っています。屋上には近畿でも有数の口径を誇る60cm反射望遠鏡があります。ただ、しばしば追尾が効かなくなったりといった気まぐれなところがあります〔笑〕。
 
 そんなこんなでこれからも昼夜を問わずゼミ室にこもる日が続きそうです。
 
 和歌山に遊びに来た際には、是非お立ち寄りください。


(野上:和歌山大学)

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【6】絵本で見る宇宙 Vol.5

Vol.1で紹介したかこさとしさんの『宇宙 ―そのひろがりをしろう―』。
情報が多くて、もしかしたら、肝心のストーリーを追うのが難しかったかもしれません。
今回紹介するのは、同じ内容をもっとシンプルにした、まさに「絵本」という一冊です。


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『ぼくのいまいるところ かこ・さとし かがくの本1』

かこさとし 著/太田大輔 絵  童心社 ISBN 4-494-00951-2

 自分はどこにいるのだろう?
子どものころ、こんな疑問を抱いたことをある人もいるかもしれません。天文学とは「私たちがこの広い宇宙のどこのいるのか?」を追及する学問でもあります。そんな疑問に、子どもたちにもわかりやすく答えてくれるのがこの一冊です。

 「あなたがいまいるところはどこですか?」
 「ぼくはいまここにいます」

 ではじまる、この本。
家の庭、家、町…とだんだん「ぼく」を中心に世界が広がっていき、銀河系、大宇宙へとつづいていくのです。

 ストーリーはいたってシンプル。
全文ひらがなで書かれ、専門用語はほとんど使われていません。文章の量も少なく、子どもたちへの読み聞かせにもぴったりです。大人の皆さんにも、絵を楽しみながら気軽に読んでもらえるのではないでしょうか?

 ただ、ひとつだけ注意が!
それは、地球は宇宙の中心ではないということです。こういう本では、どうしても「なにか」を中心に書かざるをえません。しかし、特別な場所はなく、どこでも「中心」になりうるのが宇宙。子どもたちにはまだまだ難しい概念かもしれませんが、大人の皆さんは、このことを頭の片隅にいれて、子どもたちへ読んであげてくださいね。

(塚田:姫路星の子館)

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【7】黄華堂宇宙検定

 このコーナーでは、毎月3問ずつ宇宙に関する問題を出していきます。
新しい知識を得るため、知識の再確認をするため、今日のお話のネタにするため・・・お好きなようにご活用ください。

 難易度は5級が小学生レベル、4級が中学生、3級が高校生、2級がおとな、1級が天文好きな人を想定しています。5級〜2級の問題は4択、1級には記述式もあります。答えは編集後記の末尾にあります。

さあ、挑戦してみてください!!

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第5回は2級の問題です。

[1]次のうち、最も地球の近くにあるものを答えなさい。

 あ、ブラックホール  い、オリオン座  う、アンドロメダ銀河  え、冥王星

[2]彗星(すいせい)の別名を答えよ。

 あ、水星  い、流星  う、箒(ほうき)星  え、ながれ星

[3]太陽の観察に適している道具の組み合わせを選びなさい。

 A.観察用遮光板  B.黒い下敷き  C.フィルム  D.すすをつけたガラス

 あ、Aのみ い、AとB う、CとD え、すべて適する

(成田:編集長)
 

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【8】黄華堂の活動予定
 
12月6日(土)小学校依頼天文教室・観望会(京都)

mixiのコミュニティーでも活動中!
http://mixi.jp/view_community.pl?id=2816441

フリーペーパーも配布中!
http://www.oukado.org/freepaper.htm
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【編集後記】

私はまだ見ていないのですが、もう夜中にはオリオン座が観られるようです。
いよいよ星が一層きれいに見える冬が近づいてきましたね!!
風邪をひかないように温かくして星空を眺めてください。

                 2008年11月5日    編集長 成田

 

(黄華堂検定の答え)
[1]え
太陽系の天体なので、断トツに近い。

[2]う
ほうきで掃いたように見えることから、日本では昔から箒星とも呼ぶ。

[3]あ
B.C.Dも昔は観察道具として使われたようだが、今では赤外線を通してしまうことがわかっているので絶対に使用してはならない。

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<お知らせ>
 黄華堂の活動をいっしょにやりませんか?
 天文学に関する基礎知識がなくてもOKです。子どもが好きとか、何かボランティア的な活動をしてみたいという方、星空をテーマにしたいろいろな活動に興味があればぜひ下記までご連絡ください。
こちらからあらためてご連絡させていただきます。
連絡先:info@oukado.org
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