■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 黄華堂通信2009
◆◇◆ 1月号 ◇◆◇
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宇宙を観じる生活を!黄華堂メルマガ
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【緊急告知】 本日(1月4日)世界天文年2009 全国一斉オープニングイベント実施! 「見上げてごらん、夜空の星を 〜仰ぐ 京の星空(そら)〜」 烏丸三条・新風館 3階円形オープンテラス 18:00
〜 21:00 参加費無料
【もくじ】
【1】今月の星空 【2】星空歳時記 【3】ホシノキヲク 【4】あなたの知らない宇宙 【5】大学生日記 【6】絵本で見る宇宙 【7】黄華堂宇宙検定 【8】黄華堂の活動予定
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【1】今月の星空
2009年、世界天文年の幕開けです。2009年は、ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡を宇宙へむけてから、ちょうど400年の記念すべき年です。ガリレイは、月、木星、金星、太陽、天の川などを望遠鏡で観察しました。(*太陽を直接、望遠鏡でみると失明する恐れがあります!)
木星は2009年1月の夜空では見られませんが、金星は宵の明星として、夕方西の空でまぶしく輝いています。また、夜空には、明るい星もたくさんありますし、一方で星雲や星団が数多く隠れています。ガリレイが空に望遠鏡をむけた当時は、地球は宇宙の中心で、天は完全な世界だと考えられていました。しかし、月にはクレターのでこぼこがあり、天の川は星の集まりでできており、木星のまわりには衛星がまわっていることなどを発見しました。これは、当時の宇宙観を大きく変える大発見でした。
みなさんもこの機会に望遠鏡などを使って、星空をのぞいてみてくださいね!
*天文現象いろいろ
■1日 月と金星が接近 ■3日 22時しぶんぎ座流星群が極大 ■4日 上弦の月、水星が東方最大離角 ■5日 小寒(太陽黄経285度) ■7日 月とすばるが接近 ■11日 満月 ■15日 金星が東方最大離角 ■18日 下弦の月 ■20日 水星が内合 ■26日 新月(東南アジアで金環日食)
詳しくはこちらをクリック! http://oukado.org/hosizora0901.htm
(橋本:佐賀県立宇宙科学館)
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【2】星空歳時記
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 お正月といえば、今年の干支は牛ですね。今回はこの干支のお話をすることとしましょう。
干支と星空はあまり関係がないように思われますが、実はそうでもないのです。現在では干支は暦の年の部分に用いられ、「丑年」といった使い方が行われていますが、もともとは年だけでなく、月や日の部分にも干支が割り当てられていて、それを元に暦註というものが決められていたのです。また、暦はもとをたどれば太陽と月の動きから決められたものです。ですから、干支と星空は深いところで繋がっていると言えるのです。
さて、この干支ですが、十干十二支という言い方をご存知でしょうか?上記のような丑とか子とか辰といった十二支は良く知られているのですが、その上に甲乙丙丁戊己庚辛壬癸という10種類の文字を組み合わせて表す方法です。つまり、10と12が組み合わさりますから、その最小公倍数の60通りの組み合わせができます。ちなみに今年は己丑です。 あまり耳なじみがないようですが、実は「戊辰戦争」だとか「甲子園」といったところに使われています。
この干支ですが、中国では陰陽五行説と結びつき、吉凶を占うものとして利用されました。また、上記のように干支は年月日に割り当てられました。その結果として、暦には日々の吉凶についてのコメント(暦註)が記されることとなり、昔の人々はこれを生活の1つの指針としたのです。
このような暦註が入っている暦を特に具注暦といいますが、平安時代の貴族はこの具注暦にしたがって生活し、また、その日の出来事をこの暦に記録しました。つまり、日記としても活用したわけですね。
このように見てみると、昔の人たちは、星の定めた宿命に沿って生きていたと言っても大げさな表現ではないような気がしませんか。
(有本:京都市立塔南高校)
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【3】ホシノキヲク
・・・いつから星を好きになったのだろう? 夜空の星をみて、初めて感動したのはいつのこと? 宇宙を感じてわくわくする気持ち、忘れていませんか? 黄華堂メンバーのもつ、星の記憶をリレーしていきます。 あなたの中に眠る星の記憶を呼び覚ましてみませんか?
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「ほら、あそこタンクで死んだ人を星にして空に打上げてるんだよ。」
私が星を見るようになったのは父の何気ない嘘からでした。タンクとは山にある様な貯水タンクのこと。ドライブの途中で、父は私にそんな嘘を言いました。死んだ人は空に帰るんだ…今思えば、幼い自分が恥ずかしいですが、人は死後空に還り、生まれ変わるときに地球に下りてくる、とか妙に納得していました。きっと、小さい子供なりに死後の世界を理解したかったのだと思います。
それから星に興味が沸き、よく夜空を見上げていましたが、星はだたきれいなもの、という認識でしかなく、科学として宇宙に興味を持ち始めたのは高校に入ってからのことです。日本最大口径のすばる望遠鏡が完成・初期成果をあげ、またハッブル宇宙望遠鏡は地上では捉えられなかった宇宙の姿を送るようになりました。そこで、星空の中に潜んでいる宇宙の姿に惹かれ、その姿を捉えた望遠鏡に惹かれました。
「宇宙の姿をもっと知ることができたら」「いつの日か望遠鏡が作れたら」現在は、いつの日か、壮大な宇宙の姿をより深く捉えられる望遠鏡をつくれたら、と思いながら目下修業(笑)している身です。
(森谷:京都大学)
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【4】あなたの知らない宇宙 ■新春特大バージョン!■
第4回:宇宙の姿を捉える望遠鏡−可視・近赤外の場合。
宇宙や天体について調べていると、天体のきれいな画像や、動画をよく見かけます。中には「○○の想像図」なんていうのもあったりします。宇宙にある天体はとても遠くにあるのに、どうしてこのような画像を見ることができるのでしょう?
勿論、肉眼でどんなに頑張っても見ることはできません。宇宙を見るのに最も重要な役割をしているのが、皆さんもご存知の望遠鏡です。今回はその望遠鏡についての話題です。特に可視光線や赤外線を使って天体を観測する為の望遠鏡についてご紹介します。
望遠鏡は今から400年前にオランダのH.
Lippershey(リッペルスハイ)という人が発案しました。彼はレンズを2枚組み合わせると遠くのものを拡大してみることができるということを発見しました。この話を聞いて自分で望遠鏡を製作し、月の表面の様子や惑星の動きを調べたのがG.
Galilei(ガリレイ)です。彼の作った望遠鏡はレンズの直径が数cm、倍率が30倍程度でした。
さて、望遠鏡には大別してレンズで光を集める『屈折式』と鏡で光を集める『反射式』の2種類があります。この内、天文学・宇宙物理学で主流になっているのは反射式望遠鏡です。何故なら、鏡の方が口径(主要な鏡やレンズの直径)を大きくしやすいからです。望遠鏡は口径が大きいほどより光を集めることができるので、より暗い天体、つまりより遠くの天体まで観測することができます。また、口径が大きいほど空間分解能が良い(視力が良い)ので、小さい望遠鏡では重なって見えた天体を別々に分けて観測することが可能になります。ですので、より大きい口径の望遠鏡を作ることはその分新しい発見への架け橋になります。
ところで、レンズはガラスの品質が一様でないと、光を集めることができません。しかし、大きなガラスを、均質に作るのはとても困難です。それに比べて鏡は滑らかな面の表面をコーティングすればよいので比較的大きなものが作れます。現在最も大きい屈折式望遠鏡のレンズ口径102cm(Yerkes
天文台、1897 年に完成)
のものですが、反射式望遠鏡の鏡で最大のものは口径8m以上もあります。因みに、岐阜の飛騨にある京都大学付属飛騨天文台には65cmの長ーい屈折式望遠鏡があります。
参考url:飛騨天文台65cm屈折式望遠鏡 http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/general/facilities/65cm/index.html
鏡の方が口径を大きくしやすい、といっても簡単ではありません。広い「滑らかな面」を作るのはとても困難。望遠鏡の姿勢が変化したときに大きい鏡は自分の重みで変形してしまうからです。その為に、厚い鏡の裏側を蜂の巣のように刳り貫いて軽くした鏡(ハニカム鏡といいます)や、薄い鏡を裏側から位置調節して使うメニスカス鏡が開発され、現在一番大きな鏡はLBT(超巨大双眼望遠鏡、2005年完成)で直径8.4m程度、すばる望遠鏡(1999年完成)で直径8.3m弱のものがあります。LBTはハニカム鏡、すばるはメニスカス鏡です。
参考url:LBT http://lbtwww.arcetri.astro.it/telescope.htm 参考url:すばる望遠鏡 http://subarutelescope.org/j_index.html
また、1枚の大きな鏡を使わずに、1m位の大きさの鏡をいくつか繋ぎ合わせて1枚の鏡のようにして使う分割鏡というのも1980年代頃から開発されるようになりました。その代表的なものはアメリカのケック望遠鏡I,IIです。個々の鏡の形は勿論、「鏡」として用いる為には、1枚1枚の鏡(セグメントと呼びます)を精密に制御しなくてはいけません。ケックは36枚のセグメントを精密に制御することで10mの鏡として使われています。また、この分割鏡方式で口径30m級の超大口径望遠鏡(大きいです!)を建設しようという計画もいくつかあります。
参考url:30m望遠鏡計画 http://www.tmt.org/ 参考url:E-ELT望遠鏡計画 http://www.eso.org/sci/facilities/eelt/
近い将来この30m級の望遠鏡が捉えた宇宙の画像が届くかもしれません。。。
(森谷:京都大学)
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【5】大学生日記
「大阪教育大学・天文学研究室」
あけましておめでとうございます!大阪教育大学天文学研究室4回生の永井です。以前にもこの研究室の紹介はありましたが、今回は私が紹介します。
先月、研究室の忘年会は無事終えることができたのですが、一つやり残したことがあります…それは、研究室の大掃除です!日にちは決めていたのですが、当日なんと3人しか集まらず…やっぱりみんなでやろうということで、今年に持ち越してしまいました。なので、気持ちよく新年を迎えられたのかは…(笑)これから、新年早々大掃除をしたいと思います。
ただ…卒論提出の締め切りまであと一ヶ月もありません!ヤバイです!!!と言っててもしょうがないので、しばらくみんなで研究室にこもってパソコンと睨めっこします。でもそろそろ、卒業旅行の計画も立てないと…(笑)
(永井:大阪教育大学)
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【6】絵本で見る宇宙 Vol.7
今回紹介するの本、絵本ではないのですが、こどももおとなも、遊びながら楽しめる本を見つけましたので、ご紹介します。
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『自分だけの星座を創ろう! 星座自由帳』
星座解説等 D.J. Stardust
遊星寿々/天体写真 栗田直幸/星座絵 LUCY マガジンランド ISBN978-4-944101-45-0
星座ってなんであんなに形が実物と似てないんだろう?って思ったことはありませんか?はくちょう座やしし座、おおいぬ座なんかはまだわかりますが、あれで、おひつじ座?なんで星2つでこいぬ座?って思いますよね。だったら作って、いや創ってしまえばいいんです!というノリの本が、今回紹介する本です。
星座の紹介とともに、そのエリアの星図が載せられていて、自由に新しい星座を創って書き込むことができます。筆者の作例も載っていますよ。本の後ろには、自分で創った星座を誰かに紹介できるよう、星図がついたポストカードもついているんです!世界にひとつだけの星座が書いてあるポストカード、なかなかロマンティックですよね☆
そしてこの本、筆者の星座解説がまた一味違って面白いんです。ギリシア神話を中心に紹介してはいるのですが、それはもう・・・と、これ以上書くとネタバレになってしまいますね(笑)親子で楽しめる本ですので、ぜひ、本屋さんで探してみてください!
(塚田:姫路星の子館)
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【7】黄華堂宇宙検定
このコーナーでは、毎月3問ずつ宇宙に関する問題を出していきます。 新しい知識を得るため、知識の再確認をするため、今日のお話のネタにするため・・・お好きなようにご活用ください。
難易度は5級が小学生レベル、4級が中学生、3級が高校生、2級がおとな、1級が天文好きな人を想定しています。5級〜2級の問題は4択、1級には記述式もあります。答えは編集後記の末尾にあります。
さあ、挑戦してみてください!!
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第7回は2級(一般向け)の問題です。 .........................
[1]2009年が「世界天文年」とされるきっかけとなった出来事を答えなさい。
あ、日本で皆既日食が見られるから。 い、ガリレオが望遠鏡で空を見上げて400年という節目だから。 う、日本天文学会が作られて100年という節目だから。 え、2008年のノーベル物理学賞が天文に関するものだったから。
[2]世界天文年のスローガンを答えなさい。
あ、宇宙・・・解き明かすのはあなた い、君もガリレオ! う、宇宙の謎をみんなのものに え、君も皆既日食を見よう
[3]今年、日本で皆既日食が見られるのは何月何日か答えなさい。
あ、2月14日 い、5月19日 う、7月22日 え、10月28日
[4]世界天文年がもたらす効果として期待されるものを答えなさい。
あ、今年は多くの人が宇宙へ行くことができる。 い、今年中に地球外生命とコンタクトがとれる。 う、様々な場所で宇宙に触れる機会が増え、宇宙に興味を持つ人が増える。 え、世界中で皆既日食が起こる。
(成田:編集長)
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【8】黄華堂の活動予定 1月4日(日) 世界天文年2009 全国一斉オープニングイベント 「見上げてごらん、夜空の星を 〜仰ぐ 京の星空(そら)〜」
場所:京都・新風館 3階円形オープンテラス
詳細はコチラ→http://news.oukado.org/
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フリーペーパーも配布中! http://www.oukado.org/freepaper.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【編集後記】
いよいよ2009年、「世界天文年」の幕開けです!今年は各地でいろいろな天文イベントが開かれると思うので、たくさんの人に積極的に参加してもらいたいですね!黄華堂としてもみなさんが宇宙に触れる機会をどんどん提供していきたいと思っています。また、世界天文年の開幕と同時に「黄華堂osaka」が立ち上がりました!大阪、兵庫でも活動を活性化させていきます!今後も黄華堂の動きにご注目ください!!本年も黄華堂と黄華堂メルマガをよろしくお願いいたします!!
2009年1月4日 編集長 成田
(黄華堂検定の答え) [1]い 今年はガリレオが望遠鏡で空を見上げて400年ということがきっかけの一つとなっている。ちなみに、世界天文年の目的は「天文学と基礎科学の持続可能な開発にとっての重要性について世論の認識を高め、天文学という学問が生む刺激を通じて、基礎科学の普遍的知識へのアクセスを促進すること」と国連が定めている。
[2]あ 「宇宙・・・解き明かすのはあなた」が正解。世界天文年2009日本委員会公式ホームページ(http://www.astronomy2009.jp/index.html)を参照。
[3]う 2009年7月22日は46年ぶりに皆既日食が日本で見られる日です。次回は2035年9月2日なので26年後ということになります。日本で見られるといっても、今回皆既日食が見られるのはトカラ列島と呼ばれる鹿児島以南の一部で、本州の大部分では部分日食となります。それでも、この世紀の大イベントは注目必至ですね!
[4]う [1]の説明で紹介したように、国連が定めた目的にしたがって今年は宇宙に関するいろいろなイベントが各地で行なわれる。たくさんの人がこれらのイベントに参加して、宇宙に興味を持つきっかけと出会うことを願っている。
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<お知らせ> 黄華堂の活動をいっしょにやりませんか? 天文学に関する基礎知識がなくてもOKです。子どもが好きとか、何かボランティア的な活動をしてみたいという方、星空をテーマにしたいろいろな活動に興味があればぜひ下記までご連絡ください。 こちらからあらためてご連絡させていただきます。 連絡先:info@oukado.org ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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