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黄華堂通信2009 ◆◇◆   8月号   ◇◆◇ 

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【もくじ】

【1】今月の星空
【2】星空歳時記
【3】絵本で見る宇宙
【4】黄華堂メンバーと日食【日食特集】
【5】黄華堂宇宙検定
【6】黄華堂の活動予定

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【1】今月の星空

*2009年8月の星空

 頭の真上に、天の川が見られます。南の空、いて座のあたりは、天の川の最も濃い場所です。8月は、流星群がいろいろあります。月明かりのまぶしいときもありますが、夜空の暗い場所にでかけて、流れ星探しをしてみてくださいね。南東の空には、王者の風格漂う木星が輝いています。太陽系で一番大きいだけあって、目立って輝いています。

*天文現象いろいろ 

■6日  満月、みずがめ座ι流星群南群極大
■7日  立秋(太陽黄経135度)
■11日 土星の環の消失
■13日 ペルセウス座流星群極大
■14日 下弦の月
■15日 木星が衝
■17日 はくちょう座流星群が極大
■18日 海王星が衝
■20日 新月
■23日 処暑(太陽黄経150度)
■26日 旧暦の七夕(伝統的七夕)
■27日 上弦の月

詳しくはこちらをクリック!
http://oukado.org/hosizora0908.htm

(橋本:佐賀県立宇宙科学館)

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【2】星空歳時記

 先月はいろいろとバタバタしており、お休みをいただきましたが、今は復活です。

 暑い夏も盛りを迎えて来ましたね。夏の星空とという何が思い浮かびますか?いろいろな答えが返ってくると思いますが、一番多いのは天の川ではないでしょうか。8月はやはり天の川ですね。では、今度は天の川というと何が思い浮かびますか?織姫、彦星が頭に浮かぶという方が多いのではないでしょうか。8月になると天の川も織姫、彦星も頭の上高くに上って来て、今頃になって七夕らしい夜空になります。6月号でも書いていたとおり、伝統的な七夕はこの時期なのですね。

 現在使われている太陽暦と、江戸時代まで使われていた太陰太陽暦ではだいたい一月くらいのずれが生じます。ですから、簡単に考えると、伝統的な七夕は8月のはじめくらいと覚えておくのがよいでしょう。しかし、太陰太陽暦は太陽の動きと月の動きの二つから暦を作っているために大変に複雑です。その結果として、19年に7回という割合で閏月(うるうづき)が入ってきます。しかも、現在の暦のうるう年のように必ず2月の最後に1日付け足すといった単純な挿入の仕方ではないので、年によって1月増えるところがまちまちなのです。例えば、2009年は5月のあとに閏5月が入っています。ですから、今年の伝統的な七夕は例年よりも遅く、8月26日にあたります。

 夏の終わりに七夕の星を眺めて、過ぎ行く夏に思いをはせるのもまた風流ではないでしょうか。

参照:【国立天文台 皆既日食の情報】
(有本:京都市立塔南高等学校)

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【3】絵本で見る宇宙 Vol.14

 今回紹介する本は、天文の絵本というより、星を題材にした絵本です。でも、この本を読んだあと・・・ちょっと考えることが、天文学につながります。星ってどこにあるのでしょう?

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『みつけたよ、ぼくだけのほし』

作/オリヴァー・ジェファーズ 訳/三辺律子 ISBN4-7897-2349-6

  皆さん、夜空に光る星を手に入れたい! と思ったことはありませんか?だって、あんなにきれいに輝いているんですよ?子どもの頃はそう思ったことがあるかもしれません。では、なぜ今はそう思わないのでしょう?

「だって、星なんか取れっこないし・・・」

 そう、夜空に輝く星は、何光年も何十光年も何百光年も、遠くにあるのです。でも、子どもの頃はそんなこと、思いもしなかったと思います。星は、夜空に貼りついてる、そう見えませんでしたか?頑張ればとれるかもしれない!じゃあ、どうすれば星を手に入れることができるでしょう?星が空に貼りついている、としてです。

 絵本の主人公の男の子は、あの手この手を考えて、星を手に入れようとします。でも、なかなかうまくいきません。ページをめくりながら、子どもたちと一緒に手に入れ方を考えてみるのも楽しいですよ。最後に男の子は・・
おっと、これは言ってはいけませんね。読んでからのお楽しみです。

 小学生くらいの子どもたちには、読み終わった後、星がすご〜く遠くにあること、星を手に入れることができなくても、その光を調べることで星についていろいろなことがわかること、そんなことをちょこっと付け加えれば・・・この本も、天文の絵本に早変わりです。

(塚田:姫路星の子館)

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【4】黄華堂メンバーと日食
 
 今月号限定!黄華堂メンバーが各地で体験した7月22日の日食の様子をレポートします!残念ながら、皆既日食のレポートはありませんでした・・・。

○尾崎さん(短大講師)と日食
 当日・当時、芦屋市六麓荘(超高級住宅街です)の短大での講義中でした。授業の内容と何の脈絡もなく、「ちょっと休憩」と称して、学生らをバルコニーに連れ出し観察しました。学生は4人だけなので日食グラスの廻し見をしようと思ったのですが、太陽は厚い雲に覆われグラスを通すと全く見えませんでした。が、幸いなことに肉眼でさほどまぶしくない程度の雲厚で、薄い三日月様がはっきりと見て取れました。何箇所かのバルコニーにも学生が出て来て見ていましたが、教務の人も出てきたので、サボッていると思われたらマズイので(ま、授業はサボッているのですが)、授業再開しました。因みに当日の授業の内容(認知症)とは全く関係ないので、一切の説明はしませんでした。

○橋本さん(天文系社会施設)と日食
 佐賀は9割欠ける日食ということで、かなり期待されていました。食の最大のときは、曇ってしまい、太陽は観察できませんでしたが、あたりは夕方のように少し薄暗くなり、冷房のような涼しい風があたりに吹きました。雲間から、のぞいている青空が、全体に色が落ちたような感じで、「暗い青空」が不思議な感じでした。

○塚田さん(天文系社会施設)と日食
 兵庫県姫路市にある当館での日食観察会は約400人の方がお越しになり、朝のうちは心配な天気だったのですが、徐々に雲が薄くなり、始まりから終わりまで、時々雲に隠されながらも全経過見られました。食の開始や食の最大、食の終了など、要所要所は晴れてくれました^^
 ピンホールで字を書くというのは挑戦しましたが、光量が足りず、厳しかったです。なんとか、少しは撮れましたが・・・。8cm屈折望遠鏡も出して、欠け初めや終わりは望遠鏡が大人気でした。

○鎌田さん(天文系社会施設)と日食
 花山天文台のツアーに参加し、奄美大島で皆既日食を体験してきました。曇りのため、ダイヤモンドリングやコロナは見えませんでしたが欠けていく様子を観察することが出来ました。皆既が近づくと、辺りが夕方のように暗くなり、太陽の光が消えた瞬間には、拍手と歓声があがりました。
 奄美大島は日食帯の端に位置していたので皆既が起きていない南の空が明るいままなのが観察でき、とても印象的でした。また、日食により気温にも変化がありました。食の最大から10分後に一番気温が下がりました。

○成田編集長(小学校教員)と日食
 舞台は大阪府にある小学校です。残念ながら私自身は水泳指導と個人懇談と翌日からの宿泊行事のためにトカラ行きは断念せざるを得ませんでした。その代わりに勤務先である小学校で観察会を開きました。
 のべ50〜60人ぐらいの方に参加いただきました。これでも児童数120人の学校ですから多い方です。
 予め天文年公認企画に認定していただいていたのでVIXEN製のグラスを20個用意できました。雲が多かったですが、10時台には薄雲を通してですが何度か欠けた太陽を確認することができました。正直、子どもたちよりも保護者の方が感動が大きかったように思います。見えたり隠れたりなので、子どもの集中力では厳しいものがありましたね。
 また、欠けた太陽の姿は見えなくても明らかに体感温度は変化しました。曇っていたので正確な観測結果にはなりませんが、温度計で気温を測ると2℃ほど下がりました。最低気温は最大食の時刻よりも少し後でした。これは私の中で大変勉強になりました。
 またこのような機会があったら子どもたちや地域の方々に広く呼びかけて、大勢で感動を共有したいです。

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【5】黄華堂宇宙検定

 このコーナーでは、毎月3問ずつ宇宙に関する問題を出していきます。
新しい知識を得るため、知識の再確認をするため、今日のお話のネタにするため・・・お好きなようにご活用ください。

 難易度は5級が小学生レベル、4級が中学生、3級が高校生、2級がおとな、1級が天文好きな人を想定しています。5級〜2級の問題は4択、1級には記述式もあります。答えは編集後記の末尾にあります。

さあ、挑戦してみてください!!
.........................

第14回は5級(小学生レベル)の問題です。
.........................

(1)星座って何でしょう。

 あ、土星や火星や木星のこと
 い、太陽のこと
 う、星と星を線で結んで、動物や人に見立てて名前を付けたもの
 え、おりひめ星やひこ星のこと

(2)一番最初に星座が作られたのはどこでしょう。

 あ、ギリシヤ
 い、メソポタミヤ(現在のイラク)
 う、エジプト
 え、中国

(3)現在、登録されている星座はいくつあるでしょう。

 あ、12
 い、37
 う、55
 え、88

(西村:枚方市立樟葉西小学校) 

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【6】黄華堂の活動予定
 
○8月22日(土)、23日(日)サイエンスフェスタ(大阪・ハービスホール)

○8月22日(土) 弁天町生涯学習センター観望会(弁天町生涯学習センター)

○9月5日(土)、6日(日)黄華堂親子うちゅう教室09(京都・みやこめっせ)

○9月26日(土) 第6回 星のソムリエ(新風館)
   ※星のソムリエに関する詳細は黄華堂ホームページをご覧ください。
   http://www.oukado.org/somurie.htm

(成田:編集長) 

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【編集後記】

 やはり世紀の日食は世間的にフィーバーしてくれました。天文現象に多くの方が関心を向けてくれるのはうれしいことです。これを機に宇宙に興味を持つ子どもが出てきてくれたらさらにうれしいです。
 さて、編集長の住む関西ではまだ梅雨が明けませんが、もう夏の星座は夜には頭上に輝いているはず。早くすっきり晴れろ〜!

                 2009年8月15日    編集長 成田

(黄華堂検定の答え)
(1)う
 星と星を線で結んで、動物や人に見立てて名前を付けたものを星座といいます。

(2)い
 今からおよそ5000年前に、メソポタミヤ(現在のイラク)の古代カルディア人が、ヒツジの番をしていたときに作ったといわれています。

(3)え
 1930年、国際天文学連合で88の星座が定められました。

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