■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 黄華堂通信2010
◆◇◆ 1月号 ◇◆◇
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【もくじ】
【1】今月の星空 【2】絵本で見る宇宙 【3】あなたの知らない宇宙 【4】黄華堂宇宙検定
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【1】今月の星空
*2010年1月の星空
1月になると、にぎやかな冬の星たちが輝くようになります。4つの星が四角い形に並び、その中に3つの星が横一列に並んだオリオン座が見つかります。オリオン座の三ツ星のすぐ下に、縦に3つの星が並んでいる「小三ツ星」のまん中には、オリオン大星雲M42があります。双眼鏡でも見ることができます。
オリオン座の南東でひときわ明るく輝くのは、おおいぬ座のシリウスです。シリウス周辺も双眼鏡でのぞいてみると、同じ視野に散開星団M41も見ることができるでしょう。
また、東の空から、オレンジ色の明るい星がのぼってきます。1月28日に最も接近する火星です。火星は2年2か月ごとに地球と接近し、見ごろをむかえます。今回は、かに座〜しし座の付近で輝き、夏前まで観ることができます。
*天文現象いろいろ
■1日 満月(部分月食/食分0.082) ■3日 地球が近日点通過 ■4日 しぶんぎ座流星群がピークのころ ■5日 小寒(太陽黄経285度) ■7日 下弦の月 ■11日 金星が内合 ■12日 月が本年最南 ■15日 新月(日没時、西日本で部分日食) ■17日 冬の土用 ■20日 大寒(太陽黄経300度) ■23日 上弦の月 ■27日 月が本年最北 ■28日 火星が最接近(光度-1.3等級、9932万9831km) ■30日 満月 ■31日 火星が衝
詳しくはこちらをクリック! http://oukado.org/hosizora1001.htm
(橋本:佐賀県立宇宙科学館)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【2】絵本で見る宇宙 Vol.19
昨年7月の日食から半年が経ちましたが、早くも次の日食がこの1月にあります!・・・とはいっても、日本では見られないんですけどね(泣) 今回、紹介する絵本はそんな日食についての絵本です。いまさら?と思わずに、ぜひ手にとってみてください。日本で次に見られる日食も、そう遠くないのですから。
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『黒い太陽のおはなし 日食の科学と神話』
文:寮美千子 絵:佐竹美保 ISBN978-4-09-726381-4
昨年7月の日食は見られましたか?あまり天気に恵まれなかった地域が多いですが、雲越しに日食を見た方も多いようです。
実は今年も早々1月15日にアフリカから南アジア、中国で金環日食が見られるのですが、残念ながら日本では見られません。皆既日食も7月12日にイースター島やタヒチなどで見られます。思っている以上に日食というのは頻繁に起きているんですね。
でも、ちょっと待ってください。日食は、太陽が月に隠される現象・・・つまり新月の日に起こります。新月は毎月のようにありますが、毎月、日食が見られるわけではありませんよね。これはどうしてなのでしょう?
この絵本では、日食の原理がわかりやすいイラストで紹介されています。月と地球、太陽の大きさの比較も登場します。また、世界各地の日食に関する神話も紹介されています。
なにより嬉しいのは、2035年までに世界中で見られる皆既・金環日食についても紹介されていることです。これを見ると、日本で次にいつ皆既日食や金環日食が見られるのかがわかりますよ!
実は金環日食は近いうちに見られますので、その日のために、ぜひこの絵本で日食の仕組みや神話について予習しておくといいかもしれません。
この絵本を読みながら、7月の日食を思い出しつつ、次の日食に思いを馳せてみてください。
(塚田:姫路星の子館)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【3】『あなたの知らない宇宙』
〜ブラックホールって本当にあるの?〜
みなさんは「ブラックホール」と聞いてどんなものを思い浮かべるでしょうか。ぽっかり開いた黒い穴?それとも、なんでも吸い込む強力な掃除機? ブラックホールはなぜ「黒い」のでしょうか。ボールを投げる時のことを思い浮かべてみてください。どんなに高く投げてもボールは必ず戻って来ますね。それと同じように、ブラックホールから出ようとした光は、またブラックホールに戻されてしまうのです。だから私たちのところにブラックホールからの光が届くことは無く、黒く見えのです。ブラックホールは光さえも逃がさない強い「重力」を持っています。だからその近くにあるものは全部吸い込まれてしまうのです。
ではどうやってブラックホールを「見る」のでしょうか?ブラックホールを「見る」ためには次のようないくつかの手段があります。
@X線放射を手がかりに探す。・・・物質がブラックホールに吸い込まれる時にX線を放射することを利用している。
Aブラックホールの重力の影響を受けて運動している物体を観測する。
@で見つかったブラックホールに「白鳥座X-1」があります。当時東京大学宇宙航空研究所で研究していた小田稔がアメリカのX線衛星「ウフル」を使って観測し、この星はブラックホールの候補であると初めて提唱したのは1971年のことでした。このブラックホールは太陽の7〜13倍の質量であると 考えられています。
またAの方法を使って、我々の銀河系の中心にも非常に重たいブラックホール(太陽の約100万倍の質量!)があることがわかりました。 このように、現代ではブラックホールは実在すると考えられています。しかし、どうやってできたのか?など、わかっていないことも非常に多く、まだまだ謎に包まれた天体です。今後の研究に期待ですね。
(田崎:京都大学、森谷:京都大学)
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【4】黄華堂宇宙検定
このコーナーでは、毎月3問ずつ宇宙に関する問題を出していきます。 新しい知識を得るため、知識の再確認をするため、今日のお話のネタにするため・・・お好きなようにご活用ください。
難易度は5級が小学生レベル、4級が中学生、3級が高校生、2級がおとな、1級が天文好きな人を想定しています。5級〜2級の問題は4択、1級には記述式もあります。答えは編集後記の末尾にあります。
さあ、挑戦してみてください!! .........................
第19回は一般向けの問題です。 .........................
2009年12月23日、野口聡一さんら3人の宇宙飛行士はロシアのソユーズ宇宙船で国際宇宙ステーション(ISS)に到着しました。野口さんは日本人最長の約6カ月間ISSに滞在します。今回はISSやロケットに関する問題です。
1.退役を間近に控えたアメリカのスペースシャトルに代わり、世界の飛行士を宇宙へ運ぶ「足」となるソユーズ宇宙船。ISSには常時2機がドッキングされている。その理由を次から選びなさい。
あ 月へ移動するため い 緊急時に脱出・帰還するため う 部屋として使うため
2.2009年3月、ISSに搭乗していた乗組員が一時的にソユーズ宇宙船に避難した。あるものがISSに衝突する可能性があったためである。それは何か、次から選びなさい。
あ スペースデブリ い 宇宙線 う UFO
3.ソユーズ宇宙船はバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた。ロケットの発射台は緯度が低い場所に設置するのが好ましいとされる。理由を次から選びなさい。
あ 一年を通して気候が安定しているため い 地球の自転による遠心力が大きいため う 広くて平らな土地があるため
(鎌田:千葉市科学館)
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【編集後記】
皆様、あけましておめでとうございます。世界天文年は終わっても、昨年の一連の活動で得られたノウハウやつながりを広げていきたいと思っております。今年もよろしくお願いします。
2010年1月31日 編集長 成田
(黄華堂検定の答え) 1.い ソユーズ宇宙船の宇宙空間での耐久年月は6ヶ月、野口さんは地球に帰還するときも同じ宇宙船に乗る予定です。
2.あ スペースデブリは、古くなった人工衛星やロケットの部品など、人間が宇宙空間に棄てたゴミです。地球の周りを高速で回っており、小さなものでも衝突すると大変危険です。
3.い 全て設置場所として大事な要素ですが、緯度と関係しているのは「い」のみ。ロケットを打ち上げる時に、遠心力をうまく利用するとエネルギーを節約できます。バイコヌール宇宙基地は旧ソビエト連邦の南東、現在のカザフスタンにあります。そのためロシアは自国内に宇宙基地を建設する予定です。
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