■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 黄華堂通信
No. 031 ◆◇◆ 2010年 07月号 ◇◆◇
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【もくじ】
【1】来月の星空 【2】絵本で見る宇宙 【3】あなたの知らない宇宙 【4】黄華堂宇宙検定 【5】黄華堂の活動予定
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【1】来月の星空
一足早く来月の星空をご紹介します。 7月の星空についてはこちらを! http://www.oukado.org/hosizora1007.htm
............................. *2010年8月の星空 頭の真上近くに、夏の大三角がみつかります。明るい星3つでできているので、すぐにわかるはずです。 また、南の空から夏の大三角を通り、北の空へと天の川がみられます。
8月13日ごろにはペルセウス座流星群がピークとなります。今年は月明かりの邪魔がなく、いい条件で楽しめそうです。夏休みの自由研究で、流星群の観察をするのもおすすめです。
午後9時をすぎると、東の空から、ひときわ明るい星がのぼってきます。太陽系最大の惑星、木星です。8月ごろは、遅い時刻にならないと見られませんが、9月、10月には見ごろとなります。
夏休み、街明かりのない山や海などにでかけたときには美しい星空も楽しんでくださいね。
*天文現象いろいろ ■ 3日 下弦の月 ■ 6日 みずがめ座イオタ南流星群がピークのころ ■
7日 水星が東方最大離角、立秋(太陽黄経135度) ■10日 新月 ■12日 みずがめ座デルタ北流星群がピークのころ ■13日 ペルセウス座流星群がピークのころ
夕方西空に、月、水星、金星、火星、土星が集合 ■16日 伝統的七夕(旧暦の7月7日) ■17日 上弦の月 ■18日 はくちょう座カッパ流星群がピークのころ ■20日 みずがめ座イオタ北流星群がピークのころ
金星が東方最大離角 ■23日 処暑(太陽黄経150度) ■25日 満月
*見ごろの星たち ■流れ星☆″ 街明かりの少ない場所にでかけたら、流れ星を探してみましょう。夏はペルセウス座流星群のほかにも、さまざまな流星群があり、流れ星を見られる可能性は高いのでおすすめですよ。暗闇で15分ほど、目を慣らしておくと、よりいいでしょう。 ■アルビレオ(はくちょう座の二重星) はくちょう座のくちばしで輝く星です。3等星なので、目でみた感じは、暗い星だな〜という印象ですが、望遠鏡では2つに分かれてみえます。2つの星の色がとてもきれいで、「天上の宝石」ともいわれます。 ■ベガ(こと座の1等星) 夏の大三角の中で最も明るい星です。たなばたのおり姫星としても有名ですね。白い輝きが美しい星です
(橋本:佐賀県立宇宙科学館)
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【2】絵本で見る宇宙 Vol.25
絵本で見る宇宙も今回で3年目に突入しました! 今回は最近話題になっているあの探査機に関する絵本です。
............................. 一か月前、小惑星探査機「はやぶさ」の地球帰還は、非常に感動的でしたね。 ニュースやwebで映像を見た方も多いのではないでしょうか? 「はやぶさ」は史上もっとも愛された探査機といっても過言ではありません。 なぜ、愛されるようになったのか? 今回紹介するのは、それがわかる絵本です。
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『はやぶさ君の冒険日誌』
著者 小野瀬直美、アシスタント 奥平恭子 協力 はやぶさに関わる方々
小惑星探査機「はやぶさ」。 その長い旅路はとても平坦なものではありませんでした。 多くの「世界初」への挑戦、想像だにしなかった「イトカワ」の姿への驚愕、さまざまな機器の故障……
特に機器の故障は、何度も「もうダメか」と思わせ、しかしそのたびに「はやぶさ」は立ち上がってきました。その姿が、「はやぶさ」が愛される探査機となった所以でしょう。
この絵本は、「はやぶさ」が主人公。 「はやぶさ」が一人称として登場し、まさにタイトルのように、彼が航海日誌を書いている、という設定で書かれたものです。
彼にどのようなトラブルがあって、それをどう克服していったのか、子どもにもわかるようにやさしく書かれています。
また、「はやぶさ」のドラマは故障とその克服だけではありません。彼は「工学実験衛星」であり「小惑星探査機」です。どのような実験をしたのか、どのような工学的成果があったのか、「イトカワ」についてなにがわかったのか、やさしくもまんべんなくこの絵本では触れられています。 「はやぶさ」についてしっかり知りたい人には、まず読んでほしい本のひとつです。
残念なのは、絵本と呼ぶには字が多すぎること。(というか、字が主体です) 紙芝居のように絵のみが書いてあるファイルもありますので、小さな子どもたちに読み聞かせるときには、そちらを併用するといいかもしれませんね。
ちなみに、この絵本は、市販品ではありません。 下記に紹介するwebページで誰でも見ることができます。 ぜひぜひ、ご覧ください!
HTML版 http://www.isas.jaxa.jp/j/enterp/missions/hayabusa/fun/adv/index.shtml PDF版 http://www.isas.jaxa.jp/j/enterp/missions/hayabusa/fun/adv/image/adv2010.pdf 紙芝居版 http://moonstation.jp/ja/hayabusa/fun/picture_story.html
(塚田:姫路星の子館)
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【3】突撃!となりのサイエンスカフェ vol. 2
【3】『あなたの知らない宇宙』
〜惑星のある宇宙〜
「惑星といえば?」と聞かれたらどの惑星を思い浮かべますか? 恐らく地球・水星・金星・火星・木星・土星・天王星・海王星のいずれかではないでしょうか。 そう、これらが我らが太陽系の惑星です。つい15年前まで、私たちは惑星といえばここに冥王星を含めた9つしか知りませんでした。(現在、冥王星は惑星ではないとされています。) 他には惑星はない、私たちの太陽系は宇宙の中で惑星を持つ特別な存在なのではないか、と考える人もいました。この広い宇宙の中で、私たちは孤独な存在なのではないか、と。
ところが、1995年、このような宇宙観は否定されることになります。スイスの天文学者マイヨールがある恒星の周りに惑星があることを発見したのです!※注我々は孤独でも、特別でもなかったのです。 そしてこの発見は、我々が孤独ではないということを明らかにしたと同時に、多くの謎を生みました。 彼が発見したペガスス座51番星bという惑星は、私たちの太陽系のどの惑星ともかけ離れた性質のものだったからです。それは、木星のような質量の巨大ガス惑星が、太陽系でいえば水星よりも恒星に近いところを回っている惑星でした。私たち天文学者は、そのような惑星と我々の太陽系の惑星との違いがどのようにしてできたのか、どのような惑星がどのくらいの割合で存在しているのかについて、頭を悩ますことになったのです。
それから15年、現在までになんと450個以上の系外惑星が発見されています。 さらに今年、ケプラーという惑星探査衛星によってさらに700個程度の惑星が発見されたことが期待されています。いよいよ、どのような質量や軌道半径を持つ惑星がどのくらい存在するのかという謎に答えることのできる時代が近づいてきたのです。
系外惑星の発見によって、私たちの宇宙観は変化せざるをえなくなりました。 惑星は、ごく一般的に存在する天体だったのです。 しかし、生命を持つ惑星となると話は別、まだ生命を持つ惑星は発見されていないのです。 果たして地球のように生命を持つ惑星は、他にも存在するのでしょうか? それともやはり、私たちは孤独な存在なのでしょうか。 あなたは、どう思いますか?
※注:これは、惑星を直接画像として観測したのではありません。惑星がいると、恒星がわずかながら周期的に運動します。ペガスス座51番星bもこのように恒星の動きをもとに発見された惑星です。 現在見つかっている惑星の多くはこの方法によるものです。
(田村:京都大学)
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【4】黄華堂宇宙検定
このコーナーでは、毎月3問ずつ宇宙に関する問題を出していきます。 新しい知識を得るため、知識の再確認をするため、今日のお話のネタにするため・・・お好きなようにご活用ください。答えは編集後記の末尾にあります。
さあ、挑戦してみてください!!
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○第25回は色々な『数』に関する問題です。 .........................
(1)太陽系にある惑星の中で一番多く衛星を持っているのはどれでしょう?
あ、木星 い、土星 う、天王星
(2)夜空に見える恒星で1等星以上の明るさを持つのは何個あるでしょう?ただし、北天・南天合わせた数とします。
あ、21個 い、33個 う、42個
(3)宇宙には多くの銀河が存在しています。太陽は『天の川銀河』に属しています。さて、銀河には大体どのくらいの星があるのでしょうか?
あ、1000万個 い、1000億個 う、1000兆個
(住吉:京都大学)
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【5】黄華堂の活動予定
○7月21日 『うちゅうとあそぼう』@京大病院
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【編集後記】
メルマガ7月号お楽しみいただけたでしょうか? なかなか梅雨が明けませんがそろそろ明けるそうです!
(森谷:激しい雨音を聞きながら)
(黄華堂検定の答え)
(1)い 現在衛星として確定しているものの数は地球1個、火星2個、木星50個、土星53個、天王星27個、海王星13個です。木星と土星にはまだ名前のついていない衛星が20個程度存在しています。 参考:http://www.nao.ac.jp/new-info/satellite.html
(2)あ 21個の内、関西から見ることができるのは15個です。(日本でも石垣島などでは21個全て見ることができます。)七夕で有名なベガ(織女星、こと座)、アルタイル(牽牛星、わし座)も1等星です。 参考:http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/vm/resource/tenmon/space/seiza/seiza01.html
(3)い 銀河によって1〜2桁の違いはありますが、天の川銀河のような『立派な』銀河には、だいたい1000億個の星が集まっていると考えられています。
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