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黄華堂通信  No. 034 ◆◇◆  2010年 10月号  ◇◆◇

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【もくじ】

【1】来月の星空
【2】絵本で見る宇宙
【3】突撃!となりのサイエンスカフェ
【4】黄華堂宇宙検定
【5】黄華堂の活動予定

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【1】来月の星空

 一足早く来月の星空をご紹介します。
 10月の星空についてはこちらを!
 http://www.oukado.org/hosizora1010.htm

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*2010年11月の星空

 日の入り時刻が毎日どんどん早まり、夜が長い季節です。
 頭の真上近くには、秋の四辺形が見えています。秋の四辺形のそばには、黄金色に輝くとっても明るい星が目立っています。これが木星です。秋の空には、一等星が少なく、おとなしい感じの夜空ですが、今年は木星が華をそえてくれています。
 東の空を見ると、にぎやかな冬の星たちが顔をのぞかせています。夜、星をみるときは、かなり冷え込む季節になります。あたたかくして星を楽しんでくださいね♪

*天文現象いろいろ 
■1日  ハートレイ第2彗星が接近中(4等級ほど)
■6日  おうし座南流星群がピークのころ、新月
■7日  立冬(太陽黄経225度)
■13日 おうし座北流星群がピークのころ
■14日 上弦の月
■18日 しし座流星群がピークのころ
■22日 満月、小雪(太陽黄経240度)
■29日 下弦の月

*見ごろの星たち
■木星(太陽系の惑星)
太陽系最大の惑星です。秋の四辺形の南側で明るく輝いています。望遠鏡では、しま模様や衛星を見ることができます。今年は木星のしま模様が1本に減っている!?というのが話題になっていますので、ご自身の目で確認してみては。
 
■すばる M45(おうし座の散開星団)
午後9時を過ぎると、東の空から星の集まり「すばる」がのぼってきます。肉眼では、暗い星がごちゃっと集まっているように見えますが、双眼鏡ではたいへん美しく見ることができ、楽しめます。おうし座の肩のあたりにあります。おうし座は冬の代表的な星座の1つ。冬もすぐそこまできています!
 
■103P/ハートレイ第2彗星
10月下旬から見ごろをむかえている彗星です。予想では、4等級まで明るくなるといわれています。11月ごろには、オリオン座の東側(冬の大三角付近)にあります。双眼鏡を使えば見つけやすいでしょう。遅めの時刻に探してみてくださいね。
 
■カシオペヤ座
北の空、「W」の形に、5つの星が並んでいます。カシオペヤ座を使うと、北極星を見つけることができます。
 
■M31 アンドロメダ銀河(アンドロメダ座・銀河)
空の暗い場所なら肉眼でもなんとか見つけることができます。秋の四辺形の隣、アンドロメダ座にある銀河です。太陽や地球のある天の川銀河のお隣にある銀河で、230万光年ほど離れています。。

(橋本:佐賀県立宇宙科学館)

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【2】絵本で見る宇宙 Vol.28

太陽や月や星は、一日で夜空をほぼ一周します。そして、一年でもひとめぐり。星の動きって、小学校や中学校で習うのですが、頭の中がこんがらがってしまう人も多いようです。今回は、そんな星の見かけの動きがわかる一冊です。

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『星空の話』

関口シュン ぶん/え ISBN4-8340-1549-1

 オリオン座といえば冬の星座の代表格。でも、夏の夜でも見えるってこと、知っていました?

 この本は、身近な「星座」というものを題材にして、星の動きなどを紹介しています。ですから、実は星座の話というものはあまり出てきません。神話もひとつしか登場しません。あくまでこの本の中では「星座」は空の目印、なのです。

 星の動き──むずかしい言葉では日周運動や年周運動なんていいます。小学校や中学校の理科の授業でも習うのですが、なかなか空間的な理解がむずかしいですよね。この本では、そんな星の動きを、イラストと登場人物たちの体験をうまく合わせて、わかりやすく説明しています。

 本の作者は、実は占星術研究家。そのため、誕生星座がどのように決まるのか、黄道十二宮が実際の星座とは大きさや形が違うこと、今ではずれていることなどもしっかりと説明されています。

 また、この本のいいところは、物語を読者自身が実際に追体験することが可能なこと。ぜひこの本を読んで、子どもたちに同じ体験をさせてあげてみてください。百聞は一見に如かず、ですから!

(塚田:姫路星の子館)

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【3】突撃!となりのサイエンスカフェ

 6月号の木村さんに引き続き、サイエンスカフェ・はりまの紹介をさせていただきます。

 兵庫県以外の方にはあまり耳になじみがないかも知れませんが、「はりま」(=播磨)とは、兵庫県南西部の昔の呼称で、その名の通り、姫路市を中心に活動を行っています。私自身、科学の話を聞くのが好き(ですが数理的にムズカシイ話になるとついていけないのですが・・・)、喫茶店でお茶するのが好き、で、その両方を同時に満たすものがサイエンスカフェでした。

 サイエンスカフェ・はりまは2008年9月に神戸大学サイエンスショップさんの支援を受けて発足し、この11月に第10回を開催いたします。コンセプト、という堅苦しいものではなく、こんな感じで進めて行きたいというポイントは、1)播磨地域の特色をできるだけ生かす、2)開催頻度、3)コミュニケーション、の3つです。

 1)では、地元にちなんだゲストスピーカーや、場所、開催話題を選んでいます。開催場所は播磨地域のさまざまな場所で行っています。喫茶店だけでなく、城下町らしく町家でも時々開催しています。

 2)の開催頻度は、2〜3ヶ月毎に1回ぐらいはやりたいなと思っていますが、現実的にはまちまちな頻度になっています。平均的には、2〜3ヶ月毎に1回程度になっています。

 3)については、ゲストスピーカーは、大学教授のような既に研究者としての社会的基盤のある人ばかりではなく、大学院生なども含めて、少なくとも普通の市民よりは専門家の人を呼んでざっくばらんな雰囲気の場を目指しています。また、カフェ本番終了後、必ず懇親会・二次会を持つことにしています。黒田代表(西はりま天文台公園園長)によるとこれが最重要事項とのことです(只の酒呑みのおっさんという噂もあります。あくまでも「噂」です…)。また、一次会からアルコール入りで開催した回もありました。

 これまでの開催のテーマ・ゲストは以下のとおりです。黄華堂メンバーである嶺重さんにもお話いただいています。

第1回 からだを守る白血球の七変化 通山由美さん(姫路獨協大学)
第2回 ブラックホールをみる! 嶺重慎さん(京都大学)
第3回 六甲山地の成り立ちと地震 新井敏夫さん(兵庫県立湊川高校)
第4回 素粒子物理 〜理論から実験の現場まで〜
     久保田隆至さん(東京大学素粒子物理国際研究センター)
     安田淳一郎さん(名古屋大学高等教育センター)
第5回 姫路城周辺の植物観察 家永 善文さん(元姫路市立科学館)
第6回 「シルクロードのくすり」を訪ねて 本多義昭さん(姫路獨協大学)
第7回 死別悲嘆のはなし 坂口幸弘さん(関西学院大学人)
第8回 南アフリカと天文学 高橋隼さん(神戸大学)
第9回 光がうまれるしくみ 関口芳弘さん(理化学研究所)
 
 第10回は来る11月13日(土)、京都大学の杉山淳司さんをお迎えして「科学が教えてくれる木の文化」と題して、兵庫県立歴史博物館内喫茶店、薩摩の仁(ひと)にて開催します。これからもさまざまなテーマ、さまざまな形態でゆる〜く続けていこうと思っています。応援・ご支援よろしくお願いします。

(尾崎:サイエンスカフェ・はりま) 

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【4】黄華堂宇宙検定

 このコーナーでは、毎月3問ずつ宇宙に関する問題を出していきます。
新しい知識を得るため、知識の再確認をするため、今日のお話のネタにするため・・・お好きなようにご活用ください。答えは編集後記の末尾にあります。

さあ、挑戦してみてください!!

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○第28回は、宇宙開発に関する問題です。
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(1)今年6月、金星探査機「あかつき」といっしょに、ソーラー電力セイル実証機「イカロス」が打ち上げられまし た。このソーラーセイルは帆船のように帆を宇宙空間に広げ、圧力を受けて飛んでいます。さて、その圧力源はなんでしょう?

 (あ)太陽風
 (い)太陽光
 (う)人工レーザー

(2)スペースシャトルやソユーズは再突入時に数千度にも及ぶ熱環境にさらされます。大きな使命を果たしたのち、地球大気で燃え尽きた「はやぶさ」の姿に涙された方も多いことでしょう。さてここで問題。大気圏再突入時に加熱を受ける原因はなあに?

 (あ)大気との摩擦
 (い)大気からの放射
 (う)太陽の熱放射

(3)人工衛星を運んだ初の純国産ロケットはどれでしょう?

 (あ)H-IIロケット
 (い)M-Vロケット
 (う)L-4Sロケット

(藤井:大阪教育大学) 

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【5】黄華堂の活動予定

●10月23日(土)博愛社観月会(大阪・十三)

●10月31日(日)サイエンスフェスタ野外編(大阪・万博公園)

●10月31日(日)ライフ・オン・ザ・プラネット(京都・新風館)

●11月6,7日(土日)青少年のための科学の祭典(京都・青少年科学センター)

●11月23日(火祝)星のソムリエ講座とライフ・オン・ザ・プラネット(京都・新風館)
          
●12月15日(水)京大病院天文教室(京都・京大病院)

●12月26日(日)星のソムリエ講座とライフ・オン・ザ・プラネット(京都・新風館)

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【編集後記】

 遅くなりましたが黄華堂通信10月号のお届けです。
 夜も長くなって、通勤途中に星もちらほら見える季節になってきました。
 風邪をひかないよう気を付けて下さいね。               

(森谷:もっぱら食欲の秋)

(黄華堂検定の答え)

(1)い
 ソーラーセイルの動力源は太陽風ではなく、幕にぶつかった光から受ける圧力です。イカロスの帆の表面にはうす〜い太陽電池のシートが張られ、得られた電力でイオンエンジンを運転するための試験も行っています。後継機は木星と木星の公転軌道上に浮かんでいる、トロヤ群という小惑星帯を探査する予定です。木星は地球と比べて太陽エネルギーが25分の1しか届きませんが、太陽電池の面積が大きいので生き延びることができるんですね。

(2)い
 "大気との摩擦"というニュースでよく耳にします。新聞やテレビでもはや慣用句と化していますが、実は摩擦の効果は限定的。再突入時に支配する熱は、ほとんどが放射加熱です。超高速で地球に突っ込んだ宇宙船は急激に大気を圧縮し、加熱された空気から出る光や赤外線が宇宙船を熱します。「はやぶさ」のカプセルは、電気ストーブ換算でなんと15,000個もの熱を1秒で受け、カプセルの表面温度は3000度にまで達したそうです。このような過酷な熱に耐えて帰ってきました。

(3)う
 今年は日本初の人工衛星「おおすみ」が打ち上げられて40周年!L-4Sは「はやぶさ」を運んだM-Vのご先祖様にあたり、連続4回の打ち上げ失敗経験が日本の固体ロケット技術の礎を築きました。あまり知られていませんが、衛星打ち上げに成功した世界最"小"のロケットでもあります。わずか10tしかない華奢な姿を上野の国立科学博物館で見ることができます。

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