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黄華堂通信  No. 037 ◆◇◆  2011年 1月号  ◇◆◇

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黄華堂のつぶやき!@oukadoで天文現象やイベント情報についてつぶやいています!

【もくじ】

【1】来月の星空
【2】絵本で見る宇宙
【3】あなたの知らない宇宙
【4】黄華堂宇宙検定
【5】黄華堂の活動予定

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【1】来月の星空

 一足早く来月の星空をご紹介します。
 1月の星空についてはこちらを!
 http://www.oukado.org/hosizora1101.htm

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*2011年2月の星空
明るい星の多い冬の星空が広がっています。南の空から頭の真上近く、明るい星6つを線で結ぶと、冬のダイヤモンド(冬の大六角形)ができあがります。最もよく目立つのは、南の空低く、青白く輝くシリウスです。シリウスをスタートして、冬のダイヤモンドを探してみましょう。

東の空からは、しし座、北の空では北斗七星も昇ってきています。2月4日は、立春。まだ寒いですが、暦の上では春です。星空もゆっくりと冬から春へ、変わりつつあります。

*天文現象いろいろ 
■ 3日 新月
■ 4日 立春(太陽黄経315度)
■ 6日 火星が合
■11日 上弦の月
■17日 海王星が合
■18日 満月
■19日 雨水(太陽黄経330度)
■25日 下弦の月

*見ごろの星たち
■シリウス(おおいぬ座の一等星)
明るい星の多い冬の夜空でも特に目立つのがシリウスです。シリウスは夜空の中、自分で輝く星(恒星)では最も明るく見える星です。望遠鏡で覗いてみると、まぶしいほどの輝きが楽しめます。また、双眼鏡では、シリウスの南、低い場所にある散開星団M41も楽しめます。
 
■カストル(ふたご座の連星)
ふたご座には、おなじくらいの明るさの星が2つあり、少し暗い方がお兄ちゃんのカストル、少し明るい方が弟のポルックスです。カストルは、肉眼では1つ、望遠鏡で見ると2つにわかれてみえる星です。さらに詳しく調べたところ、実際には6つの星が互いのまわりをまわりあう、6重連星であることがわかっています。
 
■オリオン座
一列に並んだ3つの星と、それを囲むように4つの星が並んでいます。オリオン座は、88個ある星座の中でも、最も覚えやすくて見つけやすい星座です。オリオン座には一等星が2つも輝きます。青白く輝くリゲルと、赤っぽく輝くベテルギウスです。三ツ星を挟んで、対角の位置で輝きます。
 
■オリオン大星雲 M42(オリオン座)
オリオン座の三つ星のすぐ南側、ぼんやりと白っぽいものがあります。これがオリオン大星雲です。双眼鏡でみると、翼を広げて飛ぶ鳥のような形に見えます。望遠鏡では、星雲の中にある、生まれたばかりの星たち「トラぺジウム」を見ることができます。

(橋本:佐賀県立宇宙科学館)

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【2】絵本で見る宇宙 Vol.31

2011年あけましておめでとうございます☆
今年もたくさんの絵本をご紹介できればと思います。
実は昨年末、子どもむけ月刊誌やら絵本やらで、天文ネタがたくさん取り上げられました。
順番にご紹介していきたいと思います。

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『月へ行きたい』

松岡 徹 文・絵(月刊 たくさんのふしぎ 2011年2月号) ISBN978-4-89444-796-7

月へ行きたい──誰もが一度は思うことではないでしょうか?

昔から人は、どうやったら月へ行けるか考えて来ました。SFの父と呼ばれるジュール・ヴェルヌの作品『月世界旅行』は、あまりにも有名ですね。

この絵本は、男の子がどうやったら月に行けるか考えるところからはじまります。海の上に昇ったばかりの月を見て、船でこぎ出す男の子。気がつくと月は空に…。

さあ、では次はどうしましょう?山に登れば届くかもしれない?高い建物を建てる?風船をたくさんもって空を飛ぶ?

そんなの無理だよ! と一蹴してはいけません(笑)考えてみることは大事です。

でも、たしかに月は遠かった。

では、どうやったら行けるのか。ちゃんと科学的な説明が書いてあります。いろいろな乗物のスピードでどのくらいかかるのか、飛行機で月まで行けない理由、ロケットのしくみ……どれもわかりやすく書かれています。見開きでアポロ宇宙船を月まで運んだサターンロケットやアポロ計画の説明もありますから、アポロ世代のみなさんも楽しめることでしょう。

その後、未来の方法なども紹介されています。あっと驚くような方法もありますよ。

そして、最後のページが素敵です。「きみならどんな方法で月へ行きますか?」という一文と、驚きの絵。
絵は見てのお楽しみです。

この本を読んで、お子さんと、お友だちと、月への行き方、考えてみませんか?

(塚田:姫路星の子館)

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【3】『あなたの知らない宇宙』 Vol.18

銀河中心に潜む天体 〜超大質量ブラックホール〜

みなさん一度はブラックホールという天体の名前を聞いたことがあると思います。「宇宙空間にぽっかり空いた黒い穴」「光でもなんでも吸い込んでしまう恐ろしい天体」などといったイメージが持たれている、あの天体です。さて、このブラックホールという天体、一体宇宙のどこにあるのでしょうか?

その答えのひとつが銀河の中心です。銀河とはたくさんの太陽のような星(=恒星)が渦巻型や楕円型に集まったもののことで、我々の太陽系も天の川銀河というところに属しています。これまでの研究から、ほとんどの銀河の中心にはブラックホールが存在するということが分かりました。しかも銀河の中心にあるブラックホールはとんでもなく重く、太陽の100万倍から1億倍もの質量を持っていると考えられています。

このような超大質量ブラックホールができた要因として、現在、主にふたつが考えられています。ひとつはブラックホールを中心に持つ銀河同士が衝突してひとつの銀河となり、それがまた別の銀河と衝突して、、、というようにどんどん衝突を繰り返すことにより、中心に存在するブラックホールも次第に大きくなっていったというものです。その証拠に、ハッブル宇宙望遠鏡による観測でまさに衝突中の銀河が見つかっています。
(ふたつの銀河が衝突しているところ:http://hubblesite.org/gallery/album/pr2008016al/NASA提供)。

もうひとつは、ブラックホールが周りにある物質を吸い込んで成長していった、というものです。その間接証拠として活動銀河核と呼ばれる天体があり、これは周囲にある物質がブラックホールの周りをぐるぐると回りながら吸い込まれていく際に円盤を形成し(=降着円盤という)、その円盤中で激しい摩擦熱が発生することで明るく光っているのだと考えられています。
(活動銀河核の想像図:http://wwwj.vsop.isas.jaxa.jp/yougo/k01_agn.htmlJAXA提供。これは銀河のごく中心部のみを表しており、有名な銀河の渦構造などはもっと遠くにある。)

このように銀河と超大質量ブラックホールは密接に関連しており、現在では両者を結びつけた研究が日々行われています。

(廣井:京都大学) 

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【4】黄華堂宇宙検定

 このコーナーでは、毎月3問ずつ宇宙に関する問題を出していきます。
新しい知識を得るため、知識の再確認をするため、今日のお話のネタにするため・・・お好きなようにご活用ください。答えは編集後記の末尾にあります。

さあ、挑戦してみてください!!

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○第31回は2011年に話題になるであろう出来事からの出題です。

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(1)2011年に月が地球の影にすっぽり入ってしまう「皆既月食」は日本で何回見ることができるでしょう?

  (あ)0回
  (い)1回
  (う)2回

(2)2011年1月20日に打ち上げ予定の国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運ぶ無人補給機「HTV」の愛称はなんというでしょう?

  (あ)つる
  (い)こうのとり
  (う)はやぶさ

(3)2011年5月から約6ヶ月間国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する予定の宇宙飛行士の名前はなんというでしょう?

  (あ)野口聡一
  (い)星出彰彦
  (う)古川聡

(成田:大阪府小学校教諭) 

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【5】黄華堂の活動予定

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【編集後記】

明けましておめでとうございます!
2011年最初のメルマガをお届けします!今年も皆様に星空・宇宙の魅力を感じて(観じて?)戴けるメルマガをお送りしたいと思います。宜しくお願い致します。              

(森谷:すっかり餅腹(苦…))

(黄華堂検定の答え)

(1)う
2011年に日本では2回の皆既月食が観察できます。1回目は6月16日。これは皆既月食の状態のまま沈んでいくことになります。残念ながら東日本では皆既月食になる前に沈んでしまいます。2回目は12月10日でこちらは全国的に食の初めから終わりまで見ることができます。もちろん、晴れないといけませんが・・・。
参考ページ→http://www.nao.ac.jp/koyomi/yoko/2011/rekiyou115.html(国立天文台)

(2)い
「こうのとり」です。子どもや幸せなものを運ぶというイメージからインターネットやはがきによる公募を通じて選ばれました。
参考ページ→http://www.jaxa.jp/press/2010/11/20101111_kounotori_j.html(JAXA)

(3)う
古川聡宇宙飛行士です。ちなみに星出宇宙飛行士は古川宇宙飛行士の打ち上げから約1年後の2012年6月から約6ヶ月間ISSに滞在する予定です。
参考ページ→http://iss.jaxa.jp/astro/index.html(JAXA)

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