■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 黄華堂通信
No. 041 ◆◇◆ 2011年 4月号 ◇◆◇
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宇宙を観じる生活を!黄華堂メルマガ
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黄華堂web:http://www.oukado.org/ 黄華堂のつぶやき!@oukadoで天文現象やイベント情報についてつぶやいています!
【もくじ】
【1】来月の星空 【2】宇宙開発裏話 【3】黄華堂レシピ 【4】続・ホシノキヲク 【5】黄華堂宇宙検定 【6】黄華堂の活動予定
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【1】来月の星空
一足早く来月の星空をご紹介します。 4月の星空についてはこちらを! http://www.oukado.org/hosizora1104.htm
............................. *2011年5月の星空 冬の星座が西の空に沈んでしまい、春を代表する星座が夜空に輝き始めます。ひしゃくの形をした北斗七星の柄の曲線を延長してできる、オレンジ色に輝くうしかい座のアークトゥルスと青白く輝くおとめ座のスピカに繋がる曲線を「春の大曲線」と呼び、この
2
つの星にしし座のデネボラを加えたものは「春の大三角」と呼ばれ親しまれています。
また、スピカの近くには白っぽい黄色に輝く土星が並んで見られます。色の違いに気を付けて見比べてみましょう。
他にも 5
月の天文イベントとして注目したいもののひとつに「みずがめ座η(エータ)流星群」があります。これは、かの有名なハレー彗星が元となっている流星群で、今年は新月で月光に邪魔されずに観測ができる
5月3日 の夜明け前 2 時から3 時が見ごろとなっています(極大は
5月6日)。ゴールデンウィーク期間中ですし、ちょっと夜更かしして東の空を見上げて、流れ星観測と洒落込むのはいかがでしょうか?
*天文現象いろいろ ■
2日 八十八夜 ■ 3日 新月 ■ 6日 立夏(太陽黄経45゜)
みずがめ座η流星群が極大(出現期間4月25日〜5月10日) ■11日 上弦の月 ■15日 月の距離が最近(0.942、36万2132km、視直径33.4') ■17日 満月 ■21日 小満(太陽黄経60゜) ■25日 下弦の月 ■27日 月の距離が最遠(1.054、40万5006km、視直径29.2')
参考サイト: AstroArts「天文現象カレンダー」 http://www.astroarts.co.jp/phenomena/2011/ph201105-j.shtml
(廣井:京都大学)
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【2】宇宙開発裏話 Vol.1
「ガガーリンの飛行から50年」 .........................
今から50年前の1961年4月12日。人類初の人工衛星が上がってから4年もたたないうちに、一人の若者が宇宙飛行を成し遂げました。両生類が海から陸へと這い上がり、鳥が陸から空へ飛び上がったのと同じように、地球の生命が更なるフロンティアへ足を踏み入れた歴史的瞬間だったといえるでしょう。このコーナーでは、宇宙飛行の今昔を綴っていこうと思います。
今回は宇宙に携わった人々が残した名言&迷言をちょびっと紹介!もっと詳しく知りたい方は、ちょっと古い本ですが「宇宙はジョークでいっぱい」(角川文庫)がお勧めです。
【地球は青かった/ユーリ・ガガーリン】 公式記録では、ユーリは次のように話しました。「地表を覆っている雲や、その雲の濃淡が大変よく見えます。 空の色は真っ暗です。この空を背景にして、星はなおさら輝かしく、くっきり浮かび上がって見えます。…空はやわらかい淡青色から、きわめてなだらかに、美しく、青に、藍に、すみれ色に、そして真っ黒な色に移り変わっていきます。」
【僕にとっては…/ピート・コンラッド】 ニール・アームストロングが月面に降り立ったとき、「一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である。」と名言を残しました。彼の後、アポロ12号で月を歩いたピートは次のような言葉を残しました。「ニールにとっては小さな一歩だったかもしれないが、僕にとっては長い一歩だ!」ピートはニールよりも背が低かったのでした。
【これ本番ですか?/秋山豊寛】 秋山豊寛宇宙飛行士はTBSのジャーナリストとして日本人で初めて宇宙へ行きました。 「地上:秋山さん、宇宙からの第一声をどうぞ!」 「秋山:これ本番ですか?」
【納税者です/ヴェルナー・フォン・ブラウン】 ヴェルナーは液体ロケットの父。アポロ計画に湯水のごとく予算が注ぎ込まれていた当時、宇宙センターを訪れたおばさまが、ロケットの模型の脇にある、大きさを比較するための人形に気づきました。 「おばさま:ロケットの横にあるこの小さな部品はなんですの?」 「ヴェルナ:一番大切な部品、『納税者』です。これがないと、ロケットは飛びません!」
【高い塔を建ててみなければ/川口淳一郎】 遠い星の探査を行うには、今までの技術に甘んじることなく、常に新しい技術を追い求めないといけません。はやぶさの川口リーダーは次のように語っています。「高い塔を建てなければ、新たな水平線は見えてこない。」
(藤井:大阪教育大学)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【3】黄華堂レシピ
今回は黄華堂のロングセラー(売ってるわけじゃないですが)工作ネタである「宇宙図鑑」を紹介します。 これは様々な天体の写真を切り貼りするというごく簡単なもの。使用するのはハサミとノリだけ、所要時間は平均30分といったところです。対象年齢としては幼児からから大人まで幅広く楽しんでいただけます。
はるか遠くにある天体に思いを馳せながら、所定の位置に色鮮やかな天体写真を貼っていくことで自分だけのオリジナル図鑑が作れます。 「こんな天体があるのか!」「きれいな色!」など自由につぶやきながら作ってください。作りながらの黄華堂メンバーとの宇宙トークも醍醐味の一つですよ(笑)
図鑑の最終ページにはそれぞれの天体の解説も載っているので、知識の定着に役立てていただけます。
「宇宙図鑑」は黄華堂の工作イベントには必ずと言っていいほど出しています。
定期的なものとしては、夏のサイエンスフェスタ(大阪、京都)で体験していただけますよ。姉妹品である「太陽系図鑑」も併せて、ぜひ作りに来てください!!
「宇宙図鑑」についてはこちらもどうぞ! http://www.oukado.org/zukan.htm
(成田:兵庫県小学校教諭)
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【4】続・ホシノキヲク
…いつから星を好きになったのだろう? 夜空の星をみて、初めて感動したのはいつのこと?宇宙を感じてわくわくする気持ち、忘れていませんか? 黄華堂メンバーのもつ、星の記憶をリレーしていきます。あなたの中に眠る星の記憶を呼び覚ましてみませんか? .........................
嶺重です。京大宇宙物理学教室でスタッフをしています。専門はブラックホール。といっても、いまだブラックホールを直接見たことはなく(まだ誰もいない)、見た気になって、計算をしたり(学生にさせたり)、データを解析したり(学生にさせたり)しています。
私が、天文を専攻しようと考えたのは大学に入ってからのことで、特に書くほどのことはありません。プロの天文学者は、昔、天文少年・少女だった人と、物理としての興味から入ってきた人とに二分されますが、私は後者ということになります。が、いろいろな人とのつきあいで、興味が湧いてきました。 星空に興味をもつ一つのきっかけは、2005年7月にインドネシア・バリ島で開かれた国際会議でした。高校生のためのセッションを開こうと画策して、開催にこぎ着けました。その夜、街灯が全くない広場で、何十台もの望遠鏡を並べて、大観望会となりました。星空に詳しい高校の先生に、星雲や星団についていろいろ教えてもらい、のめり込みました。有本さんもそのとき一緒でした。
ここ数年、黄華堂の活動として京大病院・屋内観望会を開いています。入院中のこどもは感染症が恐いので屋外に出られないので、窓に望遠鏡を隣接させ、窓ガラス越しに月や惑星などを観るといった観望会です。時間になれば、小さな子どもから中高生まで、親といっしょに会場に現れ、ともに楽しみます。そんなとき、天文学をやっていてよかったなぁとつくづく思います。
(嶺重:京都大学)
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【4】黄華堂宇宙検定
このコーナーでは、毎月3問ずつ宇宙に関する問題を出していきます。 新しい知識を得るため、知識の再確認をするため、今日のお話のネタにするため・・・お好きなようにご活用ください。答えは編集後記の末尾にあります。
さあ、挑戦してみてください!!
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○第33回は太陽に関する問題です。
.........................
(1)可視光で太陽の表面を見ると時々黒い(暗い)染みのようなものが見え、『黒点(こくてん)』と呼ばれています。黒点は、何故黒いのでしょう?○○に当てはまる語句を考えて下さい。 周りと○○が違うから
(2)黒点をX線で見るとどう見えるでしょう? (あ)周りに比べて暗く見える (い)周りに比べて明るく見える (う)周りと同じ明るさで見える
(3)地球のように太陽も自転しています。太陽の赤道面での自転速度はどのくらいでしょう。 ちなみに地球の自転速度は秒速約460mです。 (あ)時速約200km (い)時速約
20km (う)時速約 2km
(森谷:京都大学)
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【5】黄華堂の活動予定
● 5月 7(土)星のソムリエ講座:新風館
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【編集後記】
桜前線も北上していき、春到来!というような気候が続いていますね。新年度になってメルマガのコンテンツもちょっとずつ変わりました。読者の方にお楽しみ頂けるよう一同頑張りますので今年度も宜しくお願い致します!
(森谷:眠気を春の陽気のせいにして)
(黄華堂検定の答え)
(1)温度 太陽の表面は約6000度で、黒点は温度が低く約4000度です。これは黒点付近には強い磁場が発生していて、磁場の影響で太陽の中心からの熱が表面まで伝わらず冷えていくからです。
「ひので」衛星が可視光で見た黒点の様子: http://hinode.nao.ac.jp/news/061127PressConference/1127press-fig1.png
(2)い 黒点は周りより温度が低いですが、強い磁場が存在する為、とても活発な領域で、フレアと呼ばれる爆発現象が起きています。フレアでは高いエネルギーをもったプラズマが磁場に沿って流れています。その為、X線で見ると黒点付近のフレアが明るく見えます。
「ひので」衛星がX線で見た太陽の様子: http://hinode.nao.ac.jp/news/070527DataOpen_XRT/xrt_fig1ol.jpg
動画もあります!: http://hinode.nao.ac.jp/news/061220Press/XRT_full_y.mpg
(3)う 太陽の自転は黒点が移動している様子から分かります。だいたい赤道付近で自転周期が25.38日と観測されています。太陽の半径が約70万km、1日は86400秒なので、計算すると、 700000
× 2 × Π ÷ (25.38 × 86400) 〜
2 となり、太陽の赤道面での自転速度は約2km/sです。太陽の自転速度は緯度によって異なり、極では自転周期は約31日です。これは太陽が個体ではなく、ガスでできているからで、この自転速度違いによって太陽の様々な活動を見せます。京都大学附属飛騨天文台では日々の太陽の画像をwebに載せています。自転によって黒点が動いている様子が見えるかも!?(ただし、Hα線という光を見ているので、黒点が明るく見えています。) 飛騨天文台のページ: http://www.hida.kyoto-u.ac.jp/SMART/index_m.html
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