■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】来月の星空 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 一足早く来月の星空をご紹介します。 ............................. この季節は全天で88個ある星座のうちの、大きさトップ3全てが見られる時期でもあります。第3位は北斗七星で有名な「おおぐま座」、第2位はスピカで有名な「おとめ座」です。栄えある第1位はあまりなじみがないかもしれません、「うみへび座」です。というのも、アルファ星のアルファルドを除くと他は暗い星ばかりで、なかなか見つけづらいからです。とはいえ、満月を200個並べたほどの大きさには目を見張るものがあるので、晴れた日には星座早見表などを持ち出して観測してみてはいかがでしょうか? また16日には、その満月が地球の影にすっぽり覆われてしまう現象「皆既月食」が起こりますが、もっとも条件の良い日本の南西地域でも、日の出間近で見づらかったり、皆既になってもすぐ沈んでしまったりで、あまり観測には適しません。一方で、2011年12月10日に起こる次の皆既月食は日本全国でとても好条件で観測できるので、そのときは是非、赤銅色に輝く月を見てみましょう。 *天文現象いろいろ 参考サイト: (廣井:京都大学) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 4月から隔月の登場となった「絵本で見る宇宙」。 ......................... 『はじめての星座かんさつ』 甲谷保和 著 星座を実際に夜空で見つけるのは本当に難しいものです。空に絵や線が描かれているわけではありませんし、本では(当たり前ですが)小さくまとまって書かれている星座が、実際の夜空では非常に大きく広がってしまい、そのギャップに戸惑ってしまいます。 この本では、各季節の三角形に始まって、それぞれの季節の代表的な星座の見つけ方などが、現役プラネタリアンならではの小ネタを交えて説明されています。 タイトルには「星座かんさつ」とありますが、内容は星座のみではなく、肉眼で見える惑星や月の模様・満ち欠けについても書かれています。 星座の本、というと星空の写真がたくさん出てきて、そこに線が引いてあって・・・、というものが多いのですが、この絵本は、星図も含めほとんどがイラストです。すべての漢字にふりがながふってありますので、小さな子どもたちでも読みやすい本だと思います。 この本を読んで、まずは街中で星座を見つける練習を、そして、夏休みには満天の星の下に出かけて見ましょう。きっと、いくつか星座が見つけられるようになっていますよ。 (塚田:平塚市博物館) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
去年の9月号では月の形成過程を書かせていただきました。今回も月のことを書かせていただきます。月のことばかり書くのは、私の研究が「月」ということだけでなく、地球から見る月の美しさと月光に魅了されているからです。 一般に、月には大気が無いと知られています(実際には月面から放出されるラドンガスやネオン、アルゴンといった火山性ガスが僅かながら存在します)。その為、隕石が地球に落ちてきたときは大気との相互作用で流れ星になり、天空を横切る光として観察されますが、月では大気が無いため隕石は秒速30km以上の速さで月面に衝突します。 その時、衝突エネルギーの一部が光となってほんの一瞬だけ輝きます。これを隕石衝突による月面突発発光現象(Lunar Transient Phenomenon、以下LTP)と言います。NASAではこれを常時観測し、月面での隕石衝突の頻度などを研究しています。 私は人工衛星を利用した月科学が専門であり、LTPのような地上観測はほとんどしていません。ですが2007年、三大流星群の一つである「ふたご座流星群」が隕石衝突によるLTPの観測に適していることを知りました。上弦の月であるため月の西側が暗い時期であり、隕石群が衝突するのもその暗い部分だったからです。 LTPを観測するためには観測地点が一カ所だけでは駄目です。発光現象が月面上で起きたものなのかそうでないのかを区別するためです。 丁度その頃、ある大学付属女子高等学校の天文部の指導をしていたこともあり、「LTPの多地点観測をしてみない?」と話を持ち出しました。彼女達はNASAが研究していることを自分たちも出来るということでパワフル全快です。学校と掛け合って、学校の屋上で制服で行うという条件付きで観測出来ることになりました。 ふたご座流星群に合わせて私は西はりま天文台公園で観測しました。私はスキ−ウエアを着込む程の防寒体勢でした。一方、女子高校生達は学生服で風吹く屋上で観測です。観測中は携帯で連絡をとり合っていましたが、どんどん寒さで声が震えているのが分かる程でした。 観測の結果、LTPと思われる物が6発光あり、その内3発光は月面上であることが検証されました。発光時間はおよそ30分の1秒程です。学生たちは総撮影時間8時間に及ぶビデオを真っ暗な部屋で何度も見直して発光現象を見つけ出しました。私たちは目視解析とコンピュータ解析を合わせました。その後更なるデータ解析を行い、発光エネルギーから衝突体の質量を導き出しました。結果は高校や、天文学会ジュニアセッションで発表しました。 高校での発表会では色んな研究グループが発表をしていました。LTPについて発表をする学生たちはチーム全員で前に立ち堂々と発表していました。聴衆の大人の方の質問がありました。「寒かったですか?」学生たちは「学生服はとても寒かった〜〜〜」と大きな声で答えました。聴衆の皆から大きな拍手が上がりました。 ジュニアセッションでは同じ現象を観測した別の大学観測チームの先生から質問攻めに合っていました。ですが、観測に成功した自信、そして観測後何度も開いた解析勉強会の知識をフルにひるまずに返答していました。 (木下:神戸大学) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【4】続・ホシノキヲク …いつから星を好きになったのだろう? 立ち並ぶアパートの間の空き地で組み上げた望遠鏡を覗いている、そんな光景が私の中で一番古い宇宙に関係する記憶のように思います。 かれこれ20年以上も前、当時小学生だった私は、望遠鏡を買ってもらったという同級生に、その望遠鏡を覗かせてもらいました。場所は広島市内、望遠鏡は10センチにも満たない口径でしたが、その時に眺めた月の表面があまりにも美しく、ただただ興奮して、いつまでも眺めていました。 その美しさは、私の興味を宇宙に向けるのに十分でした。 その頃から、田舎へ帰省した時、夜空に浮かぶ星座の大きさ、星の美しさにも目を向けるようになっていきました。 そしてそれは、大学の教員になった今でも、強く印象に残っています。 中学生なりに、高校生なりに、そして大学生なりに、違う分野に寄り道もしましたが、結局は天文学に戻ってきました。研究は、月までの距離とは比べ物にならないくらい遠い天体を対象にしていますが、折に触れ、夜空を眺めるたび、あの小学生の時の記憶がよみがえります。 昨年度から、職場である大学の天文台が本格的に稼動を始めました。小学生当時とは比べ物にならないくらい大きな望遠鏡で、惑星、星団、星雲、銀河、様々な天体を覗いてみましたが、一番美しかったのはやはり月でした。 いつか月の研究してみるかな、、、。 (米原:京都産業大学) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
......................... ......................... (1)「はやぶさ」が向かったのは、なんという天体でしょうか? (あ)火星 (あ)フロリダ州ケネディ宇宙センター (3)「はやぶさ」がイトカワに着陸する際の目印としたター (あ)88万人 (石井:神戸市立青少年科学館) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【5】黄華堂の活動予定 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(森谷:初夏の心地よさを感じて) (黄華堂検定の答え) (1)う (2)い (3)あ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
|