■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 黄華堂通信
No. 046 ◆◇◆ 2011年 9月号 ◇◆◇
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【もくじ】
【1】来月の星空 【2】絵本で見る宇宙 【3】突撃!隣の科学館 【4】続・ホシノキヲク 【5】黄華堂宇宙検定 【6】黄華堂の活動予定
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【1】来月の星空
一足早く来月の星空をご紹介します。 9月の星空についてはこちらを! http://www.oukado.org/hosizora1109.htm
............................. *2011年10月の星空
10月ともなると日の入りもすっかり早くなり、秋の夜長を感じられるようになります。早い時間帯から暗くなるため星空観察はしやすくなりますが、気温も下がってきているため服装には気を付けましょう。 秋の夜空は明るい星が少ないものの、今月は南の空ではフォーマルハウトが、東の空では木星が我こそはと明るく輝いています。そんなふたつの星を、色の違いに注意して観察してみましょう。
また今月はふたつの流星群、10月りゅう座流星群(旧名ジャコビニ流星群)とオリオン座流星群が見られます。流星群を観察するときは放射点の方向(オリオン座流星群ならオリオン座の方向)を見るのが基本的には良いですが、流星はどの方向でも流れます。視野に月や街明かりなどが入らず、建物など邪魔するものがない方向を選ぶことも重要です。そして何より大事なのは、流星が流れるのをひたすら待つ根気です。寒さと寝不足に気を付けて、流星群観察を楽しみましょう。
*天文現象いろいろ ■ 1日 火星とプレセペ星団が最接近 ■ 4日 上弦 ■
9日 十三夜(後の月) 寒露(太陽黄経
195゚) 10月りゅう座流星群が極大(旧名ジャコビニ流星群) (出現期間 10月7日 〜
10月11日、活発な大出現予想) ■12日 満月 ■20日 下弦 ■21日 秋の土用(太陽黄経
207゚) ■22日 オリオン座流星群が極大のころ
(出現期間 10月10日 〜 11月5日) ■24日 霜降(太陽黄経 210゚) ■27日 新月
参考サイト AstroArts「天文現象カレンダー」 http://www.astroarts.co.jp/phenomena/2011/ph201110-j.shtml
(廣井:京都大学)
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【2】絵本で見る宇宙 Vol.36
昨年に引き続き、今年は月食が多く起こります。 6月の部分月食は天候に恵まれなかった地域が多かったようですが、12月10日も皆既月食が起こります。 今回と次回で、月食に関する絵本をご紹介しましょう。
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『科学まんが宇宙論2 赤い満月の秘密』
えびなみつる 著、 渡部潤一 監修
タイトルを読んでお分かりの通り、前回(Vol.35)で紹介した絵本と同シリーズの本です。
はじまりは、月食の日に宿題を出された女の子の疑問から始まります。 「月食は月が消えてしまうのに、先生が『月が消えたところをよく見て絵に描いてみましょう』って言ったの。でも、消えちゃったものをどうやって絵に描けばいいの?」
そこから、お父さんのわかりやすい説明が始まります。月食の仕組みだけではありません。
女の子は双眼鏡で月食を観察していて気付きました。「クレーターがよく見えないんだけど…?」皆さんはその答え、知っていますか?その理由は、本を読んでのお楽しみ。
そして、「赤い満月の秘密」とは?女の子は消えた月の絵を描くことができるのでしょうか?
ぜひ、12月10日の前までに、この本を読んでみてください。より一層、月食が楽しめると思いますよ。
(塚田:平塚市博物館)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【3】突撃!隣の科学館
太陽が燦々と降り注ぐ湘南海岸。その一角を担う平塚市の中ほどに平塚市博物館があります。
平塚市博物館は総合博物館。「相模原流域の自然と文化」をテーマに、歴史・民俗・考古・生物・地質・天文と6つの分野があり、それぞれ専任の学芸員がいます。
また、大きな特徴は「地域博物館」であるということ。市民は来館者としてだけでなく、博物館活動の柱である調査研究や資料の保存管理、展示制作にも関わります。市民とともに作る博物館、それが平塚市博物館なのです。
天文分野のメインとなるのがプラネタリウム。今年5月に機器を一新し、より美しい星空と映像と映し出せるようになりました。個性あふれる解説員ごとの生解説もオススメです。
特に一押しなのは「フリートーク・プラネタリウム」というプログラム。当日になるまで、いや投影が始まるまで、どんな話になるかはわかりません。解説員が好き勝手(笑)話します。お客さん次第では、自分の聞きたいことを話してもらえるかも!? 今年は11月に行われますので、ぜひお越しください。
平塚市博物館:http://www.hirahaku.jp/
(塚田:平塚市博物館)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【4】続・ホシノキヲク
…いつから星を好きになったのだろう? 夜空の星をみて、初めて感動したのはいつのこと? 宇宙を感じてわくわくする気持ち、忘れていませんか? 黄華堂メンバーのもつ、星の記憶をリレーしていきます。 あなたの中に眠る星の記憶を呼び覚ましてみませんか?
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僕は小さいころから都市部で育ち、家屋の周りには緑が少なく空気はよどみ、空を見上げたって星なんざ数えるほどしか見えませんでした。自然との触れ合いに乏しかったそんな時、親がくれた一冊の本が僕の好奇心を一気に駆り立ててくれました。 それはいくつもの綺麗な空を写した写真が収められた写真集で、昼夜問わず色彩豊かに映しだされた自然に、どうしてこんな画が撮れるのだろう、本当に地球上でこんな風景がこの世に存在するのか、など多くの疑問を持ったことが自然現象に興味を持ったきっかけでした。
しかしその後、中高の授業や野外実習を通して色んな自然現象に触れ合い、仕組みを学んだのですが、天文学だけは正直好きになれませんでした。気象や地質構造などは身近に資料があり、目に見えて面白いと思っていたのですが、天文学は実際に見たこともないし、名前と写真だけの天体のことなんて…と、思っていたわけです。なので僕は大学進学時、気象や地学を学びに行くつもりで入学しました。
そうです。僕が天文学に興味を持ったのは大学入学後のことでした。
入学後、先輩から星が良く見えると誘われ、なんとはなしに入ったサークルで長野の山へ合宿に行くことになったのですが、それが僕の興味のベクトルを大いに変えることになります。
半信半疑で夜空を見上げた時のあの感動、初めて天の川というものを目の当たりにしたのです。都会っ子の僕にはあまりの衝撃で、最初は星がありすぎて気持ち悪いとまで思いました。その衝撃をゆっくりゆっくり落ち着かせてから、あの星は何座の何という星でこの星とどうつながるのか、高校の時にもらったまま今まで使いもしなかった星図を広げ、一つ一つ確認していく中で夢中になり、僕の天文学は幕を開けることになったのです。
あの時の感動を胸に秘め、僕は今、天文学を学んでいます。そしてこの気持ちを色あせることなく持ち続け、まだ美しい星空を見たことのない人たちに満天の星空を見せたい!それが実現できるようこれからも努力していきたいです。
(柳澤:大阪教育大学)
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【5】黄華堂宇宙検定
このコーナーでは、毎月3問ずつ宇宙に関する問題を出していきます。 新しい知識を得るため、知識の再確認をするため、今日のお話のネタにするため・・・お好きなようにご活用ください。答えは編集後記の末尾にあります。
さあ、挑戦してみてください!!
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○アメリカ航空宇宙局(NASA)は今年の9月6日、アポロ宇宙船の着陸点を撮影した、月面の鮮明な画像を 公開しました。http://www.nasa.gov/multimedia/videogallery/index.html?media_id=109533401 宇宙飛行士が歩いた跡や、月面探査車が走ったタイヤの跡などがはっきりと画像に写っています。
○第33回は天文学に貢献した人物に関する問題です。
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(1)アポロの着陸船が月に降り立ってから、およそ40年が経っています。 月面で足跡が長い間鮮明に残っている要因である、月の特徴は何でしょう。
(あ)月の表土は凍りついている (い)月の表土は非常にやわらかい (う)月には大気がない
(2)※※記述問題※※ 月が地球とは異なり、(1)で答えた特徴を持つようになったのはなぜでしょう。
(3)アポロ計画による計6回の月面探査では、「月の石」の採集がなされました。 地球に持ち帰られた「月の石」の総重量は、どれくらいでしょうか。
(あ)およそ4kg (い)およそ40kg (う)およそ400kg
(小澤:)
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【5】黄華堂の活動予定
●10月01日(日) 星のソムリエ講座 (キャンパスプラザ京都)
●10月15日(日) お月見会 (博愛社)
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【編集後記】
中秋の名月をご覧になったでしょうか?京都からはとても奇麗な月が見えました。一時暑さが引いて過ごしやすくなったと思ったら、厳しい残暑が舞い戻ってきています。とはいえ夜は涼しくなってきているので星を見るときには服装に気をつけて下さいね。
(森谷:暑さと日差しに打ちのめされ中)
(黄華堂検定の答え)
(1)う 月の大気は非常に希薄なため、月面にはほとんど風が吹きません。また、月には水がほとんど存在しないため、月面は水による侵食を受けません。このため、月面に一度ついた足跡などは、長い間、その痕跡をとどめます。また、月の表面がレゴリスというパウダー状の砂地になっていることも、足跡がしっかりと残っている理由の一つです。
なお、NASAの画像に写っている丸い模様は「クレーター」で、月に隕石が衝突した跡です。クレーターが隕石衝突後も消えることなく残っているのも、同じ理由によります。
(2)月は表面重力が小さく、大気をとどめておくことができないから。月の質量は地球のおよそ80分の1で、表面重力は地球の6分の1しかありません。このため、重力で大気を引きとめておくことができません。 これが、現在の月に大気がほとんどない主な理由です。
(3)う 史上初の有人月面着陸に成功した1969年のアポロ11号に始まり、アポロ計画最後の月面着陸となった1972年のアポロ17号に至るまで、総計6度の月面探査が行われました。(アポロ13号は事故の為に月面着陸できませんでした。) この間に地球に持ち帰られた「月の石」のサンプルの総重量は382kgにも上ります。1970年に大阪で開かれた日本万国博覧会では、アメリカ館で展示されていた月の石を一目見ようと、長蛇の列ができました。
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