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■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 黄華堂通信
No. 048 ◆◇◆ 2011年 11月号 ◇◆◇
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黄華堂web:http://www.oukado.org/ 黄華堂のつぶやき!@oukadoで天文現象やイベント情報についてつぶやいています!
【もくじ】
【1】来月の星空 【2】絵本で見る宇宙 【3】あなたの知らない宇宙 【4】続・ホシノキヲク 【5】黄華堂宇宙検定 【6】黄華堂の活動予定
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【1】来月の星空
一足早く来月の星空をご紹介します。 11月の星空についてはこちらを! http://www.oukado.org/hosizora1111.htm
............................. *2011年12月の星空
秋の夜空と違い、冬の夜空には明るい星がたくさん輝いています。
12
月の東の空にはいくつかの有名な冬の星座が昇ってきていますが、その中のひとつ、真っ先に空に昇ってくるのが『おうし座』です。黄道十二星座のひとつにも数えられる『おうし座』は、4月または5月生まれの人の星座として知られるほか、プレアデス星団が所属している星座として有名です。
プレアデス星団(日本名『すばる』)に代表される星団とは、銀河ほどではないものの、その名の通り星がたくさん集まった天体のことをいいます。『すばる』を肉眼で観察すれば数個、双眼鏡を使えば数十個の星が見えるでしょう。また『すばる』は日本の国立天文台がハワイのマウナケア山頂に建設した巨大望遠鏡の名前にもなっており、現在もこれを用いて最先端の研究が行われています。
また今年の6月16日に続き、12月10日には再び皆既月食が見られます。皆既月食とは、月が地球の影にすっぽりと入ってしまう現象のことです。今回は全国各地で見られるほか、皆既の時間帯に月が頭上近くに昇っているなど、非常に条件が良いです。
日本全国で等しく、以下のようなスケジュールで月食が起こります。
月食の始まり : 12月10日 21時45分 皆既月食の始まり:
23時05分 最大食 :
23時30分 皆既月食の終わり: 00時00分 月食の終わり : 12月11日 01時20分
是非12月10日の晩は空を見上げて、赤銅色に輝く月を観察してみましょう。
*天文現象いろいろ ■
2日 上弦 ■ 6日 月の距離が最遠(距離 40万5410 km、視直径 29.2') ■ 7日 大雪(太陽黄経
255°) ■10日 満月(全国で皆既月食の全経過が見られる) ■15日 ふたご座流星群が極大(出現期間
12月5日〜12月20日) ■18日 下弦 ■22日 月の距離が最近(距離 36万4794 km、視直径
33.0') 冬至(太陽黄経 270°、東京日出:06時47
分、日入:16時32分) ■23日 こぐま座流星群が極大(出現期間
12月18日〜12月24日) ■25日 新月参考サイト
AstroArts「天文現象カレンダー」 http://www.astroarts.co.jp/phenomena/2011/ph201112-j.shtml
(廣井:京都大学)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【2】絵本で見る宇宙 Vol.37
前回に続き、今回も月の本をご紹介します。 12月10日の皆既月食の前に合わせて読むと、月のことがより分かるようになりますよ! 前回、前々回に紹介した絵本と同じく、えびなみつるさんの絵本です。
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『月のかがく』 監修 渡部潤一、 絵と文 えびなみつる、 写真 中西昭雄
月は私たちにもっとも身近な天体です。 何の道具を使わなくても見ることができ、よく見れば模様があることも分かります。 双眼鏡や望遠鏡で見れば、その表面が立体感を持って見えます。
この絵本では、そんな月のいちばんキホン的なこと、月のでき方、地球から月までの距離、月の満ち欠け…などを、えびなみつるさんのやさしいタッチの絵と、中西さんが撮影した迫力ある月の写真、そして日本が打ち上げた月探査機「かぐや」のデータをつかってわかりやすく説明してくれます。
そして、四十数年前のアポロ11号による月着陸の話もなかなか見ることのできない写真とともに紹介されています。
また、意外に子どもたちには知られていない「潮の満ち引き」ついても触れられています。
もちろん、月食の話も! 月食に限らず、いろいろな「月」のきれいな写真で最後は締めくくられています。
月は見るたびにその表情を変えてくれます。今夜はいったい、どんな月に出会えるでしょうか?月夜の晩、たまにはのんびりと月を眺めてみてくださいね。
(塚田:姫路星の子館)
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【3】あなたの知らない宇宙 「天文学での"大きさ"」
地球を離れた遠い宇宙の銀河や星、さらには惑星など様々な天体を研究する天文学。
遥か遠くの天体が放つ光も、広い宇宙空間を旅する間に弱く霞んでいき、私達に届く頃には微かな光となるばかり。それでも僅かでも光が届けば良い方で、私達からは全く見えない天体や、大きさや形も分からない天体は宇宙にはざらにあります。 そんな天文学においては、時間、長さ、重さという物事の「大きさ」の受け止め方が、普通とは少し違います。身体測定では子供たちは身長の1cmの差を競うでしょうし、サラリーマンに仕事の遅れが1日でもあれば大変です。その意味で、物事の大きさが比較的精密に測られていると言えます。
しかし、天文学者(或いはその端くれ)である私達の感覚ではそうではありません。150cmも170cmも、大体2mだとみなし、時にはどちらも1mだと考えることだってあります。100cm以上のものの間にある1cmの差など、ないに等しいのです。さらには、仕事や宿題に壊滅的な事態を招く1日と3日の間にも違いはほとんどないとみなします。
150cmと170cmはどちらも"cm"で数えて三桁で、2mと1mも"m"で数えれば同じ桁です。1日と3日も"日"で数えて一桁同士。要するに、その桁があっていれば、ほぼ同じだと考えるのです。
このように考える理由は、天体が遠く手の届かない宇宙に存在し、本当に見たままの大きさであるかどうかわからないためです。しかし、その天体で起こっている現象を調べ理解するために、手掛かりとしてその現象の特徴的な大きさ、つまり桁を取り上げてその現象の本質を研究するのです。
このような考え方の例として、今回は太陽の燃料のお話をしたいと思います。
ご存知のように、太陽は地球の昼を照らして、いや、昼を作り出している光源そのものです。太陽の燃料が一体なんなのか、みなさんはご存知でしょうか。ここでは僕と一緒に、天文学者のように、様々なエネルギー源で可能な出力を概算して太陽のエネルギー源を求めてみましょう。是非紙と鉛筆をご用意ください。
太陽は単位質量当たり、1秒間に2×10^-4(10のマイナス4乗)J/s/kgのエネルギーを放出しています。
このエネルギー源として、化学エネルギーを考えてみましょう。化学エネルギーとは、例えば木(炭素C)が燃えて二酸化炭素(CO2)になるとき火として熱が生まれるように、原子や分子が結合したり分離するときに生じるエネルギーのことです。
さて、太陽がほとんど水素(H)でできているとします。この水素は燃焼によって水(H2O)となりますが、単位質量当たり10^8
J/kgのエネルギーが生じます[※注1]。このエネルギーを太陽の1秒間に放出するエネルギーで割ると、化学エネルギーによる太陽の寿命として、1.6×10^4年(1.6万年)という値が求まります。これは、太陽の年齢(50億年、5.0×10^9年)よりも五桁も小さく化学エネルギーでは不十分であることがわかります。
重力エネルギーではどうでしょうか。重力エネルギーとは、例えば重いものを持ち上げて地面に落とすと衝撃が地面に伝わるように、ものの引きあう力が生じさせるエネルギーです。太陽の重力エネルギーは2×10^11J/kgです[※注2]。先ほどと同様にこの値から太陽の寿命を求めると、3000万年という値が得られます。化学エネルギーに比べていくらか長くなりましたが、それでも全く足りません。
では、太陽は一体何のエネルギーを用いて輝いているのでしょうか。この疑問に初めて答えを出したのはHans
Betheというドイツ生まれの物理学者でした。それは1939年のことで、彼はその功績によって1967
年にノーベル賞を受賞しています。
答えは、核エネルギーでした。核エネルギーとは、原子核が変化するときに生じるエネルギーのことです。
Betheは太陽の主成分である水素の原子核、つまり陽子が4つ集まってヘリウムHeを作る核反応で生じるエネルギーを利用すれば、太陽の年齢を説明できることに気付いたのです。
この場合、陽子単位質量当たりの核エネルギーは7×10^14J/kgになります[※注3]。このとき寿命は1000億年となり、見事太陽の年齢の間以上輝かせることのできるエネルギーを発見することに成功しました。
ただし、実際には全ての陽子がこの反応を起こすわけではないので、太陽の寿命はおよそ10分の1の100億年だと考えられています。現在の太陽は50億歳なので、ようやく寿命の半分にきたところ、ということですね。
このように天文学では桁での計算によって物事の本質を説明することが重要な役割を担っています。みなさんも是非、桁計算に親しんでみてください。僕からの例題として、以下にいくつか問題を挙げておきます。
・人間は単位時間あたりどれだけのエネルギーを消費しているか? (必要カロリーを1日で割る。また、是非太陽と比較してください) ・海にある水の量はどのくらいか? ・宇宙の質量はどのくらいか?
他にも面白い問題があったら是非教えてください。
参考文献:Bethe 1939, PhysRev, 55, 434
[注1] 2個の水素原子が水分子1つになるとき、およそ10^-19Jのエネルギーを発生させます。水素は1kg当たり約10^27個存在しますから、1kgの水素で約10^8J
のエネルギーを生じさせることができます。
[注2] 重力エネルギーは、天体の質量をM、天体の半径をRとして重力定数G(約10^-10m^3/s^2/kg)を用いて単位質量当たりでGM/Rと書くことができます。 太陽の質量は2×10^30kg太陽の半径は約10^9mであることからGM/Rを用いて単位質量当たりの重力エネルギーは2×10^11J/kgと求まります。
[注3] 陽子が4つ集まってヘリウムHeを作る核反応で生じる核エネルギーは2.8×10^12Jです。 陽子1つの質量は約
10^-27kgなので、陽子1つの単位質量当たりの核エネルギーは7×10^14J/kgになります。
(田村:京都大学)
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【4】続・ホシノキヲク
…いつから星を好きになったのだろう? 夜空の星をみて、初めて感動したのはいつのこと?宇宙を感じてわくわくする気持ち、忘れていませんか? 黄華堂メンバーのもつ、星の記憶をリレーしていきます。あなたの中に眠る星の記憶を呼び覚ましてみませんか?
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天文少年だったわけではないのですが、大学の天文学の授業で興味をもつようになり、そのまま天文学を専攻するようになりました。そこでは主に理論の勉強をさせてもらいましたが、あまり星を眺めることなく、大学を卒業してしまいました。
卒業後しばらくは、私学の高校で物理を教えていましたので、あまり星と関わることがありませんでした。のちに公立の中学校に転職し、授業でも天文分野を教えるようになると、自分の専門性をもっと生かしたいと考えるようになり、天文教育の研究会などに顔を出すようになりました。研究会で大学の同級生と再会し、「黄華堂」のお誘いを受けて、活動に参加するようになりました。
中学校では天文の授業をする機会があまりありませんから、「黄華堂」で観望会やイベントなどに関わるのはとても楽しいものとなりました。また、学校関係でも野外研修などの講師を頼まれるようになり、星を見る機会が学生の時よりもかえって増えることとなりました。しかし、今まで星をあまり眺めることがありませんでしたから、観望会や研修などでは私よりもむしろ星空について詳しい人が多く、恐縮することもあります。
いまは夫婦ともども子育てに追われ、なかなか星を見に行く機会がありませんが、子どもがもう少し大きくなったら、満天の星空を見せてあげたいと思っております。都会では見ることのできない、あの天の川を。
(渡辺(洋))
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【4】黄華堂宇宙検定
このコーナーでは、毎月3問ずつ宇宙に関する問題を出していきます。 新しい知識を得るため、知識の再確認をするため、今日のお話のネタにするため・・・お好きなようにご活用ください。答えは編集後記の末尾にあります。
さあ、挑戦してみてください!!
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○12月には、様々な天文現象がありますね。星を見るのもより一層楽しみです。 第40回は、天文現象や星空の暦に出てくる名前からクイズです。 ......................... (1)『来月の星空』や『絵本で見る宇宙』のコーナーでもご紹介しましたが、12月10日には皆既月食があります。 皆既月食となる月はどの月でしょうか? (あ)満月 (い)新月 (う)半月
(2)[記述]いつかは月や火星に行ってみたいものです。そして、満天の星を眺めたい! 12月15日にふたご座流星群が極大になると予想しています。では、月では流星群は見れるでしょうか? 理由も含めて答えてください。
(3)12月22日に冬至を迎えます。冬至というのは、北半球では太陽の高度が最も低く、一年中で最も夜の 長い日です。冬至の日の太陽はどの方角に沈むでしょうか? (あ)真西 (い)西南西 (う)西北西
(石井:神戸市立青少年科学館)
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【5】黄華堂の活動予定
● 12月 3日(土) 星のソムリエ講座 【新風館】
● 12月 4日(日) 観望会 【大阪ステーションシティ】
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【編集後記】
11月も半ばを過ぎて冬支度を始める頃になりました。メルマガ11月号のお届けです。これから年末に向けて色々な天文イベントがありますね!風邪をひかないよう温かくして見て下さいね。
(森谷:紅葉を待ちつつ)
(黄華堂検定の答え) (1)あ 月食は満月が地球の影に入って暗くなる現象です。月が太陽の光を反射して輝いていることがわかりますね。
(2)月には大気がないため、流れ星は見えない。流れ星は宇宙からやってくるチリなどが地球の大気で燃えるために光って見える現象です。大気がないと、宇宙からやってくるチリは隕石となり、地表に衝突します。
(3)い 毎日観察していると、太陽の沈む位置は少しずつ変わっていきます。冬の時期は、東の空やや南よりから昇ってきて、西の空やや南よりに沈みます。真南を通過するときの太陽高度も低いです。逆に、夏の時期は、東の空やや北よりから昇ってきて、西の空やや北よりに沈みます。真南を通過するときの太陽高度は高いです。春分と秋分の頃に、太陽が真東から昇り、真西へと沈む日があります。 これらは地球の自転軸が太陽との公転面に対し傾いているために起こる現象です。
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