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■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ************************************************************************ 黄華堂web:http://www.oukado.org/ 黄華堂のつぶやき!@oukadoで天文現象やイベント情報についてつぶやいています!
【もくじ】 ■ 3 日 月と土星が接近 ■ 5 日 下弦 啓蟄(太陽黄経 345゜) ■ 6 日 月の距離が最近(距離 36 万 9957km、視直径 32.3') ■ 10 日 パンスターズ彗星が近日点を通過 ■ 12 日 新月 ■ 18 日 月と木星が接近 ■ 19 日 月の距離が最遠(距離 40 万 4261km、視直径 29.5') ■ 20 日 春分の日 上弦 春分(太陽黄経0゜、東京日出:05時45分、日入:17時53分) ■ 27 日 満月 ■ 28 日 月とスピカが接近 ■ 29 日 月と土星が接近 ■ 31 日 月の距離が最近(距離 36 万 7504km、視直径 32.5') 参考サイト AstroArts「天文現象カレンダー」 http://www.astroarts.com/phenomena/2013/ph201303-j.shtml (廣井:京都大学) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【2】宇宙開発裏話 vol.12 「とってもEロケット「イプシロン」」 ***** 今年は世界でたくさんの新型ロケットが登場します。処女飛行の成功率は 7割以 下と言われており、ロケットのデビューは緊張を伴います。今回はその中でも夏に 打ち上げ予定の、日本のイプシロン(E)について紹介しましょう。 ロケットには液体推進剤を使う液体式と、固体推進剤を使う固体式の 2種類があ ります。日本では、両者の特徴をうまく反映してきた結果、H-IIA、M-Vという 2つ のロケットに差別化され、それぞれ実用衛星、科学衛星を打ち上げるロケットとし て使われてきました。 とくにM-Vは、糸川英夫博士のペンシルロケット実験に始まった、日本の固体ロケ ットの最終形態でした。少ない予算でも努力と工夫を積み重ねてきた結果、世界で 最も高い性能を有するロケットへと進化し、2006年夏まで合計 7基が運用されまし た。M-Vは打ち上げごとカスタマイズして作られ、理学(衛星や探査機)と工学(ロ ケット)にそれぞれ携わる研究者が一体となってミッションを作り上げたため、数 々の名機を宇宙に送り届けることができたのです。ちなみに、はやぶさを打ち上げ たのもこのロケットです。 ただ、ミッションごとロケットを最適化するため費用が高くつき、準備作業にも 大変な手間がかかりました。そこで後継機として開発されたのがイプシロンです。 イプシロンは、宇宙への敷居を下げることを目標に、多くの改良が施されています。 例えば、最近CMでもよく耳にする「コスパ(※)」の追求が挙げられます。M-Vでは 全てにおいて性能が重視されましたが、イプシロンは性能を左右する上段ロケット だけ技術力を注ぎ、 1段目は他のロケットでも使われている量産化された凡庸ロケ ットを流用することで、コストを抑えています。上段ロケットについても、推進剤 を入れるケースの製造工程や推進剤の種類を改良し、より高性能を達成しながら価 格を抑えています。 また、発射場のシステムにも革新的な技術が盛り込まれています。ロケットに人 工知能を持たせて自律点検を強化し、ワイヤレス化やモバイル管制を実現すること で、打ち上げに必要な設備や作業をコンパクトにするのです。打ち上げに要する期 間はわずか 7日(世界最短)で、人工衛星を安く・早く・気軽に運ぶことができま す。アポロやスペースシャトルのような、お祭り騒ぎの打ち上げが見られなくなる のはちょっとさみしいですが、宇宙がぐっと身近になることでしょう。 (※)コスパはコストパフォーマンスの略称です (藤井:大阪教育大学) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【3】音楽で聴く宇宙 *** 惑星シリーズ 番外編 *** MUSIC2TITAN 〜タイタンに音楽を〜 こんにちは!今回は惑星シリーズ番外編ということで、欧州宇宙機関(ESA) が行 ったプロジェクト "MUSIC2TITAN (タイタンに音楽を)"をご紹介します。 土星探査機「カッシーニ」は1997年10月に打ち上げられ、 7年経った2004年 7月 に土星に近づき、観測を開始しました。そして2004年12月に観測機「ホイヘンス」 を土星の衛星タイタンに放出し、ホイヘンスはパラシュートを使って、2005年 1月 にタイタンの表面に無事に着陸しました。 そのタイタン観測機「ホイヘンス」には4つの音楽「La La La」「Bald James Dean」 「Hot Time」「No Love」が載っていました。これが "MUSIC2TITAN (タイタンに音 楽を)" というプロジェクトです。作曲したのはフランスのミュージシャン Julien Civange とLouis Haeri です。彼らはこの曲たちで、それぞれ「ミッションの準備 段階」「カッシーニとホイヘンスの切り離し」「タイタン地表でホイヘンスが探査 している様子」「宇宙開発への問題提起」を表現しているそうです。 (興味のある方は一部をアマゾンで視聴できるので、こちらからお聴きください: http://www.amazon.co.jp/Music2Titan/dp/B0043SF9SI) 着陸したホイヘンスは、 1時間12分間カッシーニに信号を送り、その後カッシー ニがタイタンの地平線の下に消えると、 3時間以上に渡って(これは予測値を遥か に上回る!!)地球に直接電波を送り続けました。 ホイヘンスが、タイタンから私たちに信号を送ってくれていたのはほんの数時間 でしたが、今現在でも、 4つの音楽と共にホイヘンスはタイタンの地表にいるはず です。いつか人類がタイタンへ降り立ち、ホイヘンスとその音楽を、再び手にする 時が来るのでしょうか。 参考サイト: 三菱電気 宇宙開発コラム (日本語) http://www.mitsubishielectric.co.jp/dspace/column/c0412_3_b.html 欧州宇宙機関(ESA) ウェブサイト (英語) http://www.esa.int/esaSC/SEM77EUZJND_0_spk.html (田崎:京都大学) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【4】街角の星たち 皆さんは最近、星を見ましたか?街中からは月くらいしか見えないと思っていま せんか?満天の星空とはいきませんが、街中からでも星は案外見えるものです。 「街角の星たち」では黄華堂のメンバーが各地から見える星を紹介していきます。 今回は、ある星が京都市でも見えたというお話です。その星はカノープスです。 一般には有名ではないのですが、星好きには有名な星です。シリウスに次いで全天 で 2番目の明るい星でありながら、日本では今の時期に南の空ごく低くにしか昇ら ないという星です。その珍しさから、見ると長生きをするという話もあります。「 その話は知っているし、鹿児島に行った時に見た」と思う方もいるかもしれません。 確かに、南へ行くと星が高く昇るので見えやすいです。しかし、問題は自分の住ん でいる街でカノープスを見たことがあるかということです。カノープスは数値上は 北緯37度20分以南の場所であれば見ることができます。京都市は北緯35度00分にあ るので、カノープスは地平線から2度強の高さまで昇ります。数値上は見えるはず。 では実際に見ることができるのでしょうか? それを試してみました。場所は京都駅ビルの最上階、大空広場。京都市には建物 に高さ制限があり、南面には駅ビルより高い建物はありません。なので、南の空を 見るのは絶好の場所です。この日は晴れていましたが、地表面近くは「もや」と街 明かりの影響が強かったです。カノープスが南中する午後 9時前、南の空を見てみ ました。シリウスを位置の参考にしてカノープスを探します…が、見えません。簡 単には諦めず、カメラを使います。カメラを使うと肉眼よりも暗い星を写すことが できます。夜空の広い範囲が写るように撮影し、確認。しかし、見えません。今度 はズームをして撮影。ズームをすると街明かりの影響が弱くなって暗い星が見える ようになります。最初の写真から10倍に拡大したところで、星らしきものが見えて きました。倍率や感度を変えても見えていて、時間が経つと動いています。シリウ スとの位置関係を考えてみても、写っていたのはカノープスと言えそうです。 ※京都駅から撮ったカノープス (左:ISO1600、1秒露出、35mm換算焦点距離27mm) (右:ISO1600、3秒露出、35mm換算焦点距離281mm、左の写真の赤枠を拡大) (中:ISO1600、3秒露出、35mm換算焦点距離810mm、右の写真のカノープス付近を拡大) ということで、京都市からカノープスは一応見ることができる、という結果にな りました。皆さんの街からはどうでしょうか?実際に見るのはなかなか難しいので すが、是非チャレンジしてみて下さい。 (2月末だとカノープスは19時半から20時に南中します。) (鈴木:京都大学) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【5】黄華堂宇宙検定 このコーナーでは、毎月3問ずつ宇宙に関する問題を出していきます。新しい知 識を得るため、知識の再確認をするため、今日のお話のネタにするため…お好きな ようにご活用ください。答えは編集後記の末尾にあります。 先日ロシアにいん石が落下し、大きな被害がでました。今月は、知っているよう であまり知らない?いん石に関するクイズです。 (1)およそ6550万年前、いん石の衝突が恐竜絶滅の原因となったと考えられてい ます。そのいん石のサイズはどれくらいといわれているでしょう? (あ)直径1km (い)直径10km (う)直径100km (2)いん石の中には、火星由来のものもあります。 なぜそれがわかるのでしょうか? (あ)いん石の軌道を調べてわかる (い)いん石の組成などからわかる (う)いん石の形から推測している (3)月にはいん石の衝突の跡であるクレーターがたくさんあるのに、地球にはあ まりないのはなぜでしょう? (あ)地球はクレーターがあったはずだが見えなくなっただけ (い)月にばかりいん石が落ちた (う)地球磁場で守られているため (橋本:佐賀県立宇宙科学館) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【編集後記】 今月15日に起きたロシアへの隕石落下は大きな話題となりました。特に、落下の 映像によってインパクトは強くなりました。地球も宇宙の中にある星の一つだと実 感する出来事でした。 (鈴木:一面記事にまた驚き) (黄華堂検定の答え) (1)い メキシコのユカタン半島に落下したといわれています。直径10kmほどのサイズ が落下した場合でも、広い範囲に影響がでて気候変動などにつながるとされてい ます。 (2)い 火星いん石は、結晶年代を調べたところ、比較的最近まで火成活動が続いてい たところから飛来したものであることがわかりました。また、NASAの火星探査機 による大気分析の結果と、火星いん石に含まれる気体成分の存在比がよく一致し ていたことも根拠になっています。 火星いん石のほかにも、月由来のいん石もいくつか見つかっています。月いん石 は、アポロ計画で持ち帰った月の石と成分や組成を比較することで確かめていま す。 (3)あ 月には、大気も水もなく、さらに地殻変動もすでにないため、昔の衝突のあと が残ったままになっています。地球にもたくさんのクレーターがあったはずです が、地殻変動で海底に沈んでしまったり、浸食作用によって目立たなくなってい ます。現存するクレーターとして世界最大規模のものが、アメリカ合衆国アリゾ ナ州のバリンジャー・クレーターで直径 1kmほどです。そのときに落下したいん 石のサイズは直径数十mほどといわれています ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ このメルマガに関するご意見やご感想はinfo@oukado.orgまで。 Copyright 2008 黄華堂. All rights reserved. Web: http:// mixi: http:// ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ |