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黄華堂通信  No. 069 ◆◇◆  2013年 07月号 ◇◆◇

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黄華堂のつぶやき!@oukadoで天文現象やイベント情報についてつぶやいています!

【もくじ】

【1】来月の星空
【2】絵本で見る宇宙
【3】街角の星たち
【4】黄華堂活動報告
【5】黄華堂宇宙検定

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【1】来月の星空

 一足早く来月の星空をご紹介します。
 07月の星空についてはこちらを!
http://www.oukado.org/hosizora/2013/hosizora1307.htm

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2013 年 8 月の星空

 今年の8月はお盆のころに注目の天文現象が目白押しです。

 12日の日没前後には一等星のスピカが月に隠される「スピカ食」が起きます。一
等星が月に隠されることはそんなに多くは起こりませんので、ちょっと珍しい現象
です。日没前後の空が明るい時間ですので観測は難しいかもしれませんが、ぜひチャ
レンジしてみてください。

 また、12日には三大流星群の一つ、ペルセウス座流星群が極大を迎えます。月が
沈む21時以降がオススメです。今年はとても良い条件で観測することができるでしょ
う。
 13日は伝統的七夕です。七夕は昔のお祭りですので、おり姫とひこ星を見るなら、
今の7月7日よりも旧暦の7月7日(伝統的七夕)の方がオススメです。一晩中デート
している二人の姿を見ることができるでしょう。街明かりのない夜空だと、二人の
間に天の川が流れているのも見ることができます。

 12日、13日は星に願いをこめる絶好のチャンスとなります!ぜひお盆休みは街明
かりのないところに出かけて、夜空を楽しんでみてください。


*天文現象いろいろ

■ 4 日 月と木星がならぶ
■  7 日 新月
       立秋
■ 12 日 ペルセウス座流星群が極大(出現期間 7月20日〜8月20日)
     おとめ座のスピカ食(大阪では18:40〜19:24)
■ 13 日 旧七夕(伝統的七夕)
       月と土星がならぶ
■ 14 日 上弦
■ 19 日 月の距離が最近(距離 36 万 2263 km、視直径 33.0')
■ 20 日 火星とふたご座のポルックスがならぶ
■ 21 日 満月
■ 23 日 処暑
■ 28 日 下弦
■ 29 日 月とおうし座のアルデバランがならぶ
■ 30 日 月の距離が最遠(距離 40 万 4881 km、視直径29.5')

参考サイト
国立天文台 ほしぞら情報
http://www.nao.ac.jp/astro/sky/2013/08.html


(飯野:大阪教育大学OG)

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【2】絵本で見る宇宙 Vol.47


 今回、紹介するのはちょっと(かなり?)変わった絵本。古今様々な天文の絵本
を見てきましたが、この視点は初めて!という絵本です。

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『パノラマ絵本 うちゅうといのち』

縣 秀彦+真鍋 真 監修、かんばこうじ 絵、?田裕行 文

 この絵本は、大きく二つに分かれます。

 一つ目は、表紙の裏のポケットに入っている折りたたまれたもの。オモテ面には
宇宙が生まれて地球が生まれてからの生命の進化を、圧倒的な数のイラストで描い
たもの。説明はあまりなく、ひたすら生き物の絵が時代順にぎっしりと描かれてい
ます。ウラ面はいわゆるパワー・オブ・テン。地球から宇宙の果てまで、宇宙の階
層が描かれています。

 二つ目は、本の本編。
こちらが、新しい視点で作られているのです。言ってみれば、一つ目の解説となっ
ているのですが、宇宙の広がりと宇宙の歴史が同じページに載っているのです。

 宇宙は、遠くを見るということは過去を見るということ。それが一体化している
のです。例えば、 1億光年のページ。地球から 1億光年というと、局部銀河群の全
景が見えてきます。一方、地球から見た 1億光年先の銀河は 1億年前の宇宙の姿。
そのとき宇宙(地球)はどんな姿をしていたのか。両方が 1ページにまとめられて
いるのです。

 空間旅行と時間旅行、どちらもいっぺんに楽しめる絵本。
ぜひ読んでみてください!


(塚田:平塚市博物館)

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【3】街角の星たち


 今回は、佐賀県の星空をご紹介します。佐賀県は北部九州、大都市の福岡に近い
ながらもたいへん美しい星空が楽しめる土地です。

 黄華堂では毎月、星空をご案内しています。
今月(2013年7月)の星空
実際の夜空と星座早見を見比べたときに、星座早見と同じように星が見えないと思
ったことはありませんか?黄華堂の星図では、 4等星まで表記していますが、大都
市では 1等星や 2等星など、明るい星のいくつかしかみることができません。でも、
佐賀では黄華堂の星図と同じ、もしくはそれよりもたくさんの星に出会うことがで
きます。

 暗い星まで見つけられると、星座の形もよくわかります。例えば、こと座といえ
ば、一等星のベガしかイメージがないかもしれませんが、ベガの近くの小さな「平
行四辺形」の星の並びも肉眼で見つかります。また、わし座の近くにある「いるか
座」など、暗い星の多い小さな星座も見つかります。そして、夏の星図には、さそ
り座のしっぽから夏の大三角を通って北の空へと白っぽい部分が描かれています。
ここは天の川です。皆さんは、本当の空で天の川を見たことがありますか?天の川
は星の集まりでできてますが、肉眼では、白くぼんやり輝く雲のように見えます。
天の川を見慣れていないと、薄雲と勘違いしてしまうかもしれませんね。

 佐賀県では、国道から少し道を入ったような、特別な場所でなくてもたくさんの
星とともに、天の川を肉眼でみることができます。自宅の庭から天の川を見られる、
そんな家も多いのです。もちろん、私の勤める佐賀県立宇宙科学館からでも、月の
ない夜、晴れていれば天の川を見られます。肉眼で天の川が見られる場所にある天
文台は全国に多くあっても、天の川を見られる科学館はそう多くないと思います。
(ちなみに6月には、科学館の前で蛍が飛びます)
佐賀で撮られた天の川の写真です。


 最近ではプラネタリウムでしか、満天の星に出会うことができなくなってきまし
たが、佐賀には、“天然”の満天の星がまだ残っています。本物の空で、美しい星
を楽しみたい方、ぜひ佐賀まで遊びに来てくださいね。


(橋本:佐賀県立宇宙科学館)

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【4】黄華堂活動報告


「京大病院ボランティア 活動報告」

 わたしたち黄華堂は、1年に4回、京都大学医学部附属病院(以下、京大病院)の
小児科病棟で活動しています。今回は、 7月17日(水)に行ったボランティアの内
容をご紹介します。

 京大病院小児科には「にこにこトマト(にこトマ)」というボランティアグルー
プがあり、わたしたちは「にこトマ」のみなさんのご協力をいただいて、小児科に
入院している子供たちと宇宙の話をしたり、星空を見たりして楽しんでいます。

  7月17日の夕方は、七夕や天の川・プラネタリムについてのお話をした後、クイ
ズをして遊びました。最後は、わたしたちの作った「宇宙の写真を使ったしおり」
を選び、持ち帰ってもらいました。

 夜は19時過ぎから、 4次元デジタル宇宙ビューワー Mitaka というソフトとテレ
ビゲームのコントローラーを使って、宇宙旅行ゲームをしました。また、移動式プ
ラネタリムを組み立て、星空観望会も行いました。毎年夏には、遅い日没時間を考
慮して、望遠鏡を使った観望会ではなく、プラネタリウム鑑賞をしています。

 夕方と夜の 2回で、のべ10人ほどの子供たちとその保護者が参加しました。静か
にお話を聴き、星を眺める子、自分の知っていることをわたしたちにどんどん教え
てくれる子、プラネタリウムの投影機やドームに興味を持つ子など、 5〜10歳くら
いの子供たちが、宇宙を感じる時間を思い思いに楽しんでくれたのではないかと思
います。

 わたしたちは今後も、京大病院小児科病棟での活動を通じて、子供たちに宇宙の
素敵さ・面白さを知る機会を作っていきたいと思います。


(田崎:京都大学)

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【6】黄華堂宇宙検定

 このコーナーでは、毎月3問ずつ宇宙に関する問題を出していきます。新しい知
識を得るため、知識の再確認をするため、今日のお話のネタにするため…お好きな
ようにご活用ください。答えは編集後記の末尾にあります。

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 最近は明け方の東の空に水星と火星、木星が見えています。また 8月 4日、 5日
には細長い月も加わり、とても賑やかになることでしょう。今回はこの 3つの惑星
から、水星に関する問題です。

(1)水星を望遠鏡で見るとどのように見えるでしょうか?

 (あ)いつも円く見える
 (い)満ち欠けして見える
 (う)いつも三日月のように見える

(2) 次の衛星の中で、水星よりも大きなものはあるでしょうか?

 (あ)月(地球の衛星)
 (い)カリスト(木星の衛星)
 (う)タイタン(土星の衛星)

(3)水星の自転周期は約58日、公転周期は約88日と2:3 の比になっています。そ
   の為、水星では起きる現象はどれでしょうか

 (あ)「1日」の長さが「1年」の長さよりも長い
   ※1日は例えば太陽が南中して再び南中するまでの時間を指します
 (い)太陽が逆行して見えることがある
 (う)衛星がない


(森谷:広島大学)

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【編集後記】
 夏は天の川が見やすい時期ですが、今年は多くの惑星を見られる時期でもありま
す。望遠鏡があれば一晩で水星から海王星まで全ての惑星が見られます。夏の思い
出に惑星集めもいいですね。
                         (鈴木:海王星が最難関)

(黄華堂検定の答え)
(1)い
  水星は、地球よりも内側を回っている「内惑星」です。その為、金星と同じよ
 うに満ち欠けして見えます。

(2)う
  水星の直径は 4,879km で、地球の約40%に相当します。月の直径は 3,474km、
 カリストの直径は 4,800km、タイタンの直径は 5,150kmです。木星の衛星ガニメ
デも直径 5,262kmと水星よりも大きいです。
  ※直径は全て赤道面での値です。

(3)あ・い
  水星の自転周期と公転周期は2:3 の比になっています。つまり、水星は太陽の
周りを 2周する間に自分自身が 3周回ります。その為に水星の「 1日」は 176日に
なり、 1年の 2倍に相当します。
  また、水星の特定の場所では、近日点付近で水星の 1日において日の出の途中
 で太陽が逆行して一度沈み、その後再び上るという現象が見られます。


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